Roger Waters/『The Pros and Cons of Hitch Hiking』 [CD]
Pink Floyd のベーシストであり実質的なリーダーである Roger Waters のソロ作品『The Pros and Cons of Hitch Hiking』は1984年にリリースされ、邦題は『ヒッチハイクの賛否両論』と、不思議なタイトルが付けられていた。このアルバムは、Pink Floyd のラスト・アルバムと思われた『The Final Cut』の翌年にリリースされた。
まだ LP が大型輸入レコード店の棚にあった当時、このアルバムのジャケットはとても刺激的で、一部の輸入盤や国内盤では女性のお尻の部分が黒くマスキングされ、それが余計にこのアルバムを興味深い存在にしていた。
CD 時代になってもジャケットは LP 時代を踏襲した黒い部分が残されていたが、数年前、Roger Waters のソロ3作品が紙ジャケット仕様で再リリースされたとき、このアルバムの本来のジャケットも十数年ぶり再現! 久々にこの刺激的(?)なジャケットをジックリ見ることができた。
このジャケットで魅力的な後姿を披露しているのは、イギリスのタブロイド誌でトップレスやヌードが掲載される Page Three Girl としても知られていた Linzi Drew というポルノ女優だった。
当時はアルバムの音よりジャケットにばかり視線が集中していたが、このアルバムには Eric Clapton がギターで参加。他にもサックスで David Sanborn、ピアノに Michael Kamen、パーカッションに Ray Cooper と Pink Floyd 時代と一風変わった名前がクレジットされ、アルバムの中身もいつかはジックリ聴いてみたいと思っていた。
Roger は当初このアルバムのデモを『The Wall』と共に Pink Floyd のメンバーに聴かせたらしく、バンドのマネージャーはこのアルバムを推したものの、メンバーは『The Wall』の制作を決めたという。
アルバムは午前4時30分から午前5時11分までの約42分を、ほぼリアルタイムに追いかけるよう構成されたコンセプト・アルバムで、悪夢に悩まされる男が妻に起されるシーンでアルバムは幕を開ける。
『The Wall』で聴いたようなフレーズが時折再現されるこのアルバムで Roger の震えるようなボーカルは、悪夢にうなされる登場人物のようで明るい要素は全く感じられないが、そこに絡む Eric Clapton や David Sanborn の前面に押し出されたサウンドは、Roger の持つ陰湿な雰囲気と全く正反対に位置するケバケバしい装飾のようにも感じる。
このアルバムのリリースに伴うツアーに Eric Clapton は当初帯同していたが、この頃『Money and Cigarettes』や『Behind the Sun』を発表していた Eric Clapton のギター・プレイは、理不尽な悪夢を音で実現するというRoger の考えていたイメージに合っていたのかもしれない。そう考えると、David Sanborn の大きめなサックスの音や、金切り声にも似た女性ボーカルも Roger の悪夢を再現するのに貢献していたのか? と、今頃になって思ってしまう。
『The Pros and Cons of Hitch Hiking』
4:30 AM (Apparently They Were Travelling Abroad)
4:33 AM (Running Shoes)
4:37 AM (Arabs with Knives and West German Skies)
4:39 AM (For the First Time Today, Part 2)
4:41 AM (Sexual Revolution)
4:47 AM (The Remains of Our Love)
4:50 AM (Go Fishing)
4:56 AM (For the First Time Today, Part 1)
4:58 AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin)
5:01 AM (The Pros and Cons of Hitch Hiking, Part 10)
5:06 AM (Every Stranger's Eyes)
5:11 AM (The Moment of Clarity)
まだ LP が大型輸入レコード店の棚にあった当時、このアルバムのジャケットはとても刺激的で、一部の輸入盤や国内盤では女性のお尻の部分が黒くマスキングされ、それが余計にこのアルバムを興味深い存在にしていた。
CD 時代になってもジャケットは LP 時代を踏襲した黒い部分が残されていたが、数年前、Roger Waters のソロ3作品が紙ジャケット仕様で再リリースされたとき、このアルバムの本来のジャケットも十数年ぶり再現! 久々にこの刺激的(?)なジャケットをジックリ見ることができた。
このジャケットで魅力的な後姿を披露しているのは、イギリスのタブロイド誌でトップレスやヌードが掲載される Page Three Girl としても知られていた Linzi Drew というポルノ女優だった。
当時はアルバムの音よりジャケットにばかり視線が集中していたが、このアルバムには Eric Clapton がギターで参加。他にもサックスで David Sanborn、ピアノに Michael Kamen、パーカッションに Ray Cooper と Pink Floyd 時代と一風変わった名前がクレジットされ、アルバムの中身もいつかはジックリ聴いてみたいと思っていた。
Roger は当初このアルバムのデモを『The Wall』と共に Pink Floyd のメンバーに聴かせたらしく、バンドのマネージャーはこのアルバムを推したものの、メンバーは『The Wall』の制作を決めたという。
アルバムは午前4時30分から午前5時11分までの約42分を、ほぼリアルタイムに追いかけるよう構成されたコンセプト・アルバムで、悪夢に悩まされる男が妻に起されるシーンでアルバムは幕を開ける。
『The Wall』で聴いたようなフレーズが時折再現されるこのアルバムで Roger の震えるようなボーカルは、悪夢にうなされる登場人物のようで明るい要素は全く感じられないが、そこに絡む Eric Clapton や David Sanborn の前面に押し出されたサウンドは、Roger の持つ陰湿な雰囲気と全く正反対に位置するケバケバしい装飾のようにも感じる。
このアルバムのリリースに伴うツアーに Eric Clapton は当初帯同していたが、この頃『Money and Cigarettes』や『Behind the Sun』を発表していた Eric Clapton のギター・プレイは、理不尽な悪夢を音で実現するというRoger の考えていたイメージに合っていたのかもしれない。そう考えると、David Sanborn の大きめなサックスの音や、金切り声にも似た女性ボーカルも Roger の悪夢を再現するのに貢献していたのか? と、今頃になって思ってしまう。
『The Pros and Cons of Hitch Hiking』
4:30 AM (Apparently They Were Travelling Abroad)
4:33 AM (Running Shoes)
4:37 AM (Arabs with Knives and West German Skies)
4:39 AM (For the First Time Today, Part 2)
4:41 AM (Sexual Revolution)
4:47 AM (The Remains of Our Love)
4:50 AM (Go Fishing)
4:56 AM (For the First Time Today, Part 1)
4:58 AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin)
5:01 AM (The Pros and Cons of Hitch Hiking, Part 10)
5:06 AM (Every Stranger's Eyes)
5:11 AM (The Moment of Clarity)
タグ:Roger Waters 1984
2009-09-29 12:23
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