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Styx/『Crystal Ball』 [CD]

iconicon長いこと、アルバム単体として CD というかたちでも手に入れることの難しかった Styx の『Crystal Ball』が、今年初めに A&M 移籍後にリリースした他の一連のアルバムと共に紙ジャケット仕様でリイシューされた。

先日このブログで紹介した『Equinox』に続き、1976年に発表された通算6枚目のスタジオ・アルバムには7曲、合計時間でも僅か35分しか収録されていない。時間だけをみれば1960年代のアルバムとも見間違う短さで、現在 CD でリリースされているアルバムの半分程度の時間しかない。

前作『Equinox』も35分程度の収録時間だったが、1枚のアルバムをじっくりと聴きこむにはこのくらいの時間がちょうどいい。

Tommy Shaw が新たに加入して最初に作られたアルバムがこの『Crystal Ball』になるが、このアルバムでの Tommy Shaw の活躍ぶりはすごい。Dennis DeYoung 作の『Jennifer』と『This Old Man』を除く5曲のクレジットに名前を連ね、『This Old Man』では Tommy Shaw がリード・ギターをプレイしている。

1曲目の『Put Me On』では名前がクレジットされるだけに留まった Tommy Shaw だが、2曲目の『Mademoiselle』では Styx で初のボーカルを披露。加えて、James Young とのギター・ソロもここではプレイしている。このアルバムから最初のシングルに選ばれた『Mademoiselle』は全米シングル・チャートで最高34位を記録。Styx として3枚目の Top40 シングルとなった。

しかし、Tommy Shaw の魅力が一番発揮された曲はこのアルバムのタイトル曲『Crystal Ball』だろう。ここでの Tommy Shaw はボーカルとギター・ソロをプレイ、『Crystal Ball』はアルバムからの2ndシングルにも選ばれた。ライブでも必ずプレイされる名曲になる『Crystal Ball』だが、なぜかシングル・チャートではチャートインも果たせないという不思議な結果に終わっている。

このアルバムはタイトル曲『Crystal Ball』の持つイメージが大きく、アルバム・ジャケットもそれをイメージするデザインだった。

今回改めてこのアルバムに収められた全7曲を聴いて、この後に続く『The Grand Illusion』以降で聴かれる Styx のポップな一面が、これまでの Styx のアルバムで聴かれたプログレッシブな面とせめぎ合いをしているかのように感じた。プログレッシブな面はもちろん Dennis DeYoung による曲で多く聴かれる。

Tommy Shaw を招き入れたことで Styx は3人のボーカルを抱え、さらにポップなサウンドをバンドに取り入れることに成功した。この2つの効果は結果として『The Grand Illusion』から4枚連続で200万枚超というセールスを記録した。

しかし、Dennis DeYoung と Tommy Shaw の対立を生むきっかけになったのが、この『Crystal Ball』になるとは、アルバム・リリース当時には考えられなかったことだろう。

『Crystal Ball』
Put Me On
Mademoiselle
Jennifer
Crystal Ball
Shooz
This Old Man
Clair de Lune/Ballerina

タグ:Styx 1976


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