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Styx/『Kilroy Was Here』 [CD]

iconiconStyx 創設時のオリジナル・メンバー John Curulewski に代わり、Tommy Shaw が加入以降、順調にアルバム・セールスを伸ばしてきた Styx が1983年にリリースした問題作…と記すと聞こえはいいが、ともすれば失敗作の烙印を捺されてしまうのが通算11枚目のスタジオ・アルバム『Kilroy Was Here』だ。

リアルタイムに聴いた『Kilroy Was Here』だが、やはり今、改めて聴いても前作までの勢いがどこに行ってしまったのか…? その出来は今ひとつどころか、今ふたつ以上の物足りなさを感じてしまう。

前作『Paradise Theatre』同様にコンセプトを持ったアルバムの『Kilroy Was Here』だが、これまでに Styx が作ってきたアルバムよりサウンドの質は軽く、アメリカン・プログレッシブを代表してきたその面影もこのアルバムでは少ない。

Cornerstone』以降、ポップな面が色濃くなってきた Styx だったが、ポップな面を残しつつ、『Paradise Theatre』のような1つのテーマを持たせた『Kilroy Was Here』は、過剰な演出がなされた結果、個性豊かな3人のライターの特徴も空回りしてしまった。

それでもアルバムからの1stシングル『Mr. Roboto』は平均を(ちょっとだけ…)超える出来だったし、2ndシングルの『Don't Let It End』は Dennis DeYoung らしいバラードに仕上がっていた。前者は全米シングル・チャートで最高3位、後者は最高6位を記録し、まだ Styx の勢いは衰えていないかのようにも見えた。

しかし、前作からの2ndシングル『Too Much Time on My Hands』を明らかに意識した Tommy Shaw 作の『Cold War』や、Styx のハード・ロックな面を担う James Young による『Heavy Metal Poisoning』は、下手なミュージカルの挿入歌のようだ。

イントロが琴のような音で始まる Tommy Shaw 作の『Just Get Through This Night』も6分を越す大作になってしまい、もう少しサウンドが整理できなかったものかと悔やまれる。

散漫な印象が強い『Kilroy Was Here』は全米アルバム・チャートで最高3位をマークし、セールス面でも200万枚を記録した。しかし、リリースに伴うツアーは惨憺たる内容だったと聞く。そして、このアルバムを最後に Tommy Shaw はバンドを離れ(後にまた復帰するが…)、Styx は低迷の道を辿ることになる。

Styx の数多いアルバムの中でも、あまり触れたくないアルバムが、この『Kilroy Was Here』だ。

『Kilroy Was Here』
Mr. Roboto
Cold War
Don't Let It End
High Time
Heavy Metal Poisoning
Just Get Through This Night
Double Life
Haven't We Been Here Before?
Don't Let It End (Reprise)

タグ:1983 Styx


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