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Paul McCartney/『McCartney』 [CD]

McCartney.jpgiconThe Beatles の終焉が近づく中、Paul McCartney は『McCartney』という初のソロ・アルバム用の素材を収録。このレコーディングで Paul は全ての楽器をプレイ、妻の Linda がバック・ボーカルに参加しているが、その存在はほんのわずかに感じられる程度だ。

The Beatles としてのラスト・アルバム『Let It Be』がリリースを控えていたことから、『McCartney』のリリースを遅らせるようにと、Paul 以外のメンバーは望んでいたが、Paul はソロ・デビュー盤のリリースを決断。イギリスでは1970年の4月17日に『McCartney』が、The Beatles のラスト・アルバム『Let It Be』が5月8日にリリースされた。

また、この頃 Paul は『McCartney』のリリース直前に The Beatles からの脱退も表明していた。

Paul にとっては逆風の中での初のソロ・アルバムだったのだろうか…? The Beatles での活動に限界を感じた Paul は、自らの意志が100%反映できるアルバム『McCartney』を作った。周囲からみれば逆風だったかもしれないが、Paul にすればこの時期に一番やりたかったことができたアルバムが、この『McCartney』だったのだろう。

しかし、The Beatles としては前年の秋に『Abbey Road』を発表。その完成度を目の当たりにしている当時のファンからすれば、アルバムのほぼ半分がインストルメンタルで占められた Paul のソロ・アルバムには納得がいかない気持ちもあっただろう。

ほぼ1曲ごとにインストルメンタルが配された『McCartney』だが、実験的なアルバムという雰囲気はそれほどなく、むしろ Paul がボーカルを務めた曲には後々に高い評価を受ける曲が多い。

Wings 時代のライブでプレイされた『Every Night』や『Maybe I'm Amazed』は、Paul のメロディ・メイカーぶりが十分に発揮された曲だし、『Junk』はシングル・カットもされず、ライブでもそれほどプレイされたことのない曲だが、曲の持つ美しさに異論を唱える余地はない。

Paul はこの『McCartney』を作ったことで一人で音楽活動を続けることに自信を持ったのかもしれない。『McCartney』はイギリスのアルバム・チャートで最高2位を記録し、アメリカでは Billboard 誌のアルバム・チャートで見事 No.1 に輝いた。ちなみに、アメリカでは『McCartney』と入れ替わるかたちで『Let It Be』がアルバム・チャートの No.1 になっている。

最近、Paul のソロ時代の全てのアルバムが CD で見つかり、『McCartney』を含めた他の初期のアルバムを聴いているが、メロディ・メイカーとしての Paul はやはりすごい存在だったと改めて感じている。

『McCartney』
【Side 1】
The Lovely Linda
That Would Be Something
Valentine Day ※
Every Night
Hot as Sun/Glasses ※
Junk
Man We Was Lonely
【Side 2】
Oo You
Momma Miss America ※
Teddy Boy
Singalong Junk ※
Maybe I'm Amazed
Kreen-Akrore ※
※:instrumental



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