Lisa Stansfield／『So Natural』

Lisa Stansfield というアーティストはデビュー盤の『Affection』ではハウス・ミュージックやダンス・チャートに顔を出しそうな曲が多かったが、続く2ndアルバムの『Real Love』では、よりソウルに振った内容を披露し、そのスタイルの変化を大いに楽しませてもらった。

『Affection』から2年おきの11月にアルバムをリリースしていた Lisa Stansfield が1993年の11月にリリースした3rdアルバムがこの『So Natural』で、ここでは4年前のデビュー盤『Affection』で魅せたスタイルはほとんど影を潜めてしまった。

デビュー盤の頃を思わせるような曲は『Little Bit Of Heaven』の1曲だけだろうか。Lisa Stansfield を知らない方に『Affection』と『So Natural』を聴かせると、同じアーティストのアルバムだと最初は気づかないかもしれない。

アルバム全体のトーンはソウル・シンガーとしての Lisa Stansfield が大きくフューチャーされ、曲調も落ち着いたバラード系の曲が多い。前2作まで共同プロデュースに名を連ねていた Andy Morris が今回は外れ、Lisa Stansfield の夫である Ian Devaney 単独のプロデュースになったこともアルバム全体のトーンに影響を与えたのかもしれない。

前作『Real Love』のジャケットや、シングルになった『Change』のカバーに写る Lisa Stansfield も好きだったが、この『So Natural』のジャケットに写るモノトーンの Lisa Stansfield もアルバムの雰囲気にとても合っていて、今でも好きなアルバム・ジャケットの1つだ。

アルバムとして『So Natural』は全英チャートでは最高6位と、前2作よりチャート上での結果は芳しくなかった。シングルは『In All The Right Places』と『So Natural』、『Little Bit Of Heaven』の3枚がカットされた。

『In All The Right Places』は Demi Moore と Robert Redford が主演した映画『Indecent Proposal(邦題:幸福の条件)』でも使われ、全英チャートでは最高8位を記録。『So Natural』の中では1、2を争う名曲の1つだろう。

この『So Natural』は1993年当時はイギリスや日本のみでリリースされ、アメリカではリリースされなかった。前作『Real Love』まではアメリカでもシングル・ヒットも放っていた Lisa Stansfield だったが、『So Natural』で魅せた方向性はアメリカではヒットしないと判断されてしまったのだろうか。

2003年に『So Natural』は3曲が追加されたリマスター盤がリリースされ、Babyface とのデュエットでシングルにもなった『Dream Away』が追加曲として収められていた。また『Make It Right』という曲が追加収録された『So Natural』もあり、この『Make It Right』は全米ダンス・チャートで最高46位を記録している。

So Natural
So Natural
Never Set Me Free
I Give You Everything
Marvellous & Mine
Goodbye
Little Bit Of Heaven
Sweet Memories
She's Always There
Too Much Love Makin'
Turn Me On
Be Mine
In All The Right Places
Wish It Could Always Be This Way

タグ：Lisa Stansfield 1993

コメント 2

リサは大好きなアーティストです。めちゃいい曲が多いなあと思います。昔の曲も全然古臭くないのがすごいなあ、と。
このアルバムの中では"In All The Right Places"はいい曲ですよね。前作の印象がすごかっただけに比較するとちょっと劣っちゃう気もしますが、でもきちんとよい曲がぎっしり詰まっているのはやっぱすごいなと思います。
by musiqmusiq (2010-05-31 00:45) 

musiqmusiqさん、毎度コメントありがとうございます! 前作からさらに聴かせるタイプの曲が多くなったのが、この『So Natural』でしたね。Lisaの声が、より染み入る感じになって、この3枚目でまた新たなLisaの魅力に出逢えたようにも思います。

Lisaのちょっと低めの囁くようでいて、息遣いまでもが聴こえるボーカル。また聴きたくなりますね。
by MCMLXV_65 (2010-05-31 01:43)