Jack Johnson／『To The Sea』

ジメッとしたこの時期に聴きたいアルバム(という訳でもないが…)として、今回は Jack Johnson の通算5枚目のアルバム『To The Sea』を紹介!

実はこの Jack Johnson は、つい先日初めて知った。また番組の宣伝になってしまい恐縮だが、このアルバムと Jack Johnson の名前は、毎週金曜日の夜11時から NHK-FM で放送されている『ワールドロックナウ』で初めて耳にした。

アルバムのトップに収められた『You And Your Heart』はアルバム・リリースに先行して4月にシングル・カットされ、そのメロディに聴き憶えはあったが、これが Jack Johnson による曲だとは今まで全く気がつかなかった。

ハワイ出身、1975年生まれで現在35歳の Jack Johnson はサーファーであり、ミュージシャンであり、映画を作ったりもしている。音楽活動としては2001年にデビュー盤『Brushfire Fairytales』をリリース。続く『On and On』を2003年にリリースし、これが全米チャートで最高3位を記録。2005年リリースの『In Between Dreams』は最高2位、そして2008年リリースの前作『Sleep Through The Static』で No.1 を獲得と、そのキャリアを順調にステップアップしてきた。

約2年というお馴染みのインターバルを経て、この6月に最新先の『To The Sea』がリリースされ、このアルバムも前作に続いて全米チャートで No.1 を獲得。全英チャートでは3作目の『In Between Dreams』から3作連続での No.1 も記録した。

と、ここまでのキャリアを振り返ると、今までにどこかのタイミングで Jack Johnson の名前を耳にしてもおかしくなかったと思うのだが、不思議にこの新作からの1stシングル『You And Your Heart』まで Jack Johnson は全く知らなかった。

4月頭にリリースされたシングルの『You And Your Heart』は全米チャートで最高20位を記録。これは過去の Jack Johnson のシングルでは最も高い全米チャートでの記録になった。

Jack Johnson のアルバムは基本、Jack Johnson 本人を含めた4人構成で、今回の新作でも Merlo Podlewski のベース、Zach Gill のキーボード、Adam Topol のドラムだけのシンプルな構成。その4人が作るサウンドはアコースティックなロックが基本で、そこに複雑な構成の曲はほとんどない。

この最新作の『To The Sea』もそのタイトル通り、海へ行くときの BGM としても最適だが、もちろん、それ以外の目的として、このジメッとした梅雨の雰囲気を吹き飛ばすのにも最適なカラっとした雰囲気の曲が多い。

アルバムは全13曲。iTunes版や日本盤ではボーナス曲が追加されているが、このアルバムは『Only The Ocean』で終わるのが一番似合っている。この13曲でも約40分強しかないので、アルバム全部をアッという間に聴き終えてしまう。

全米チャートで No.1 になった『To The Sea』は、その前後の週を大人気ドラマ『glee』のサウンドトラック盤に挟まれての No.1 獲得だった。アメリカで今最も勢いのあるドラマのサウンドトラック盤を蹴落しての No.1 獲得に Jack Johnson の持つ人気の高さが窺える。

『ワールドロックナウ』でオンエアされるまで全くノーマークの存在だった Jack Johnson だが、このアコースティックな雰囲気はこの夏の暑気払いにベストな存在になりそうだ。

To The Sea
You And Your Heart
To The Sea
No Good With Faces
At Or With Me
When I Look Up
From The Clouds
My Little Girl
Turn Your Love
The Upsetter
Red Wine, Mistakes, Mythology
Pictures Of People Taking Pictures
Anything But The Truth
Only The Ocean

タグ：Jack Johnson 2010