Kylie Minogue／『Aphrodite』 [CD]
日本盤が6月に先行リリースされていた Kylie Minogue の『Aphrodite』が、イギリスでもリリースされてアルバム・チャートで初登場 No.1 を記録し、Kylie のアルバムとしては通算5枚目の No.1 アルバムになった。また Kylie はこの『Aphrodite』でもう1つ面白い記録を全英チャートで記録した。過去に Kylie のアルバムは1988年のデビュー盤『Kylie』、1989年の『Enjoy Yourself』、1992年の『Greatest Hits』、2001年の『Fever』が No.1 を記録しているが、この『Aphrodite』の No.1 を加えて1980年代から連続した4つの年代で No.1 アルバムを輩出した初の女性アーティストになった。
先行シングルには『Aphrodite』の制作終盤にレコーディングされた曲の1つである『All The Lovers』が選ばれ、全英チャートでは最高3位をマークと、前作『X』以来、3年ぶりのアルバム『Aphrodite』は順調なスタートをきった。
というのが、Kylie の新作『Aphrodite』の主なチャート上での動きだが、個人的には前作『X』より印象に残る曲が少ないアルバムで、2000年の『Light Years』以降では(現時点で)最も魅力に欠けるアルバムだった。
その理由の1つに、このアルバムにある12曲がどれも似たような曲調でメリハリに欠ける点がある。『Everything Is Beautiful』がバラードと呼べないこともないが、この曲以外にスローな曲が1つもないこともアルバムを単調にしているように感じた。
『Aphrodite』のプロデュース全体に関わった Stuart Price の言葉によれば、Kylie は最高のポップ・ダンス・ミュージックを作ったというが、どの曲も過剰とも思える装飾が施され、アルバム全体がオーバー・プロデュースとも感じた。
『Aphrodite』に収められた12曲は、ライターもプロデューサーもほぼ1曲ごとに異なるスタッフとなっているが、ボーカルを Kylie に据えるというコンセプトだけは統一し、それぞれが特徴あるダンス・ミュージックを創り上げ、アルバム1枚分の曲数を揃えた。そんな印象がこの『Aphrodite』からは感じられた。
何度もアルバムを繰り返し聴いていくうちに2ndシングルに予定されている『Get Outta My Way』や、他にも『Cupid Boy』が好きな曲になってきたが、前作『X』にあった『Wow』のように初めて聴いたにも関わらず、即、気に入った曲が、この『Aphrodite』にはなかった。
まだまだ聴き込んでいないから、あまり印象が良くないのか…? とも思ったが、前作『X』は初めて聴いてもいい曲をたくさん見つけたアルバムだった。とすれば、今回のアルバムを表すテーマでもあるダンス・ミュージックが心地良くなかったのか…? 今回の Kylie の新作は諸手を挙げて「いいアルバム」と呼べず、なかなか悩ましいアルバムだ。
Aphrodite
All The Lovers
Get Outta My Way
Put Your Hands Up (If You Feel Love)
Closer
Everything Is Beautiful
Aphrodite
Illusion
Better Than Today
Too Much
Cupid Boy
Looking For An Angel
Can't Beat The Feeling
2010-07-13 13:41
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コメント(2)
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全英チャートでNo.1になったというニュースは私も耳にしましたが、どうも順位とアルバムの内容が一致しないようですね、今回は（笑）。
いい曲もあるんですが、確かに同じようなテンポで同じような曲調のものが並んでいて、メリハリに欠けますね。
でもこないだクルマの中でかけて聞き流していたらけっこう悪くなかったなあ〜＾＾。
聴くシチュエーションによっても聴こえ方が違っていますね＾＾。
by MASA (2010-07-13 22:52)
やはり、同じような曲が並んでいるとMASAさんも感じられましたか。事前に大きく期待をしただけに、その反動も大きかったですね。
聴くシチュエーションを変えてというのは、ちょっと試してみようかな～…。でも、キラキラした曲が多いので、ジックリと聴くにはツライような気も。うーん、難しいアルバムです…。
by MCMLXV_65 (2010-07-14 00:06)