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The Jam/『All Mod Cons』 [CD]

All-Mod-Cons.jpg90秒にも満たないタイトル曲でスタートする The Jam の通算3枚目のスタジオ・アルバム『All Mod Cons』は、前作の『This Is The Modern World』からちょうど1年後の1978年11月にリリースされた。

これまでの2枚のアルバムと同じ全12曲を収めた『All Mod Cons』だったが、LP でリリースされた当初は5曲目の『English Rose』がジャケットに記載がなかったそうで、このアルバムをリアルタイムに聴いたファンはどの様に感じたのだろう。

『English Rose』の表記がなかった理由は、あまりに個人的な内容だったためだそうだが、打ち寄せる波の音や風の音、そして Paul Weller のボーカル以外は爪弾くギターの音しかない『English Rose』は後の Paul Weller のソロ活動に通じるような曲だ。

『All Mod Cons』は4曲目の『David Watts』が The Kinks の1967年のカバーである以外、他の11曲は全て Paul Weller によって書かれた曲で、このアルバムで The Jam の他のふたりのメンバーと共作した曲は1つもない。

Paul Weller の弾くアコースティックとエレキトリックなギターがより大きな比重を占めているように感じる『All Mod Cons』は、6曲目の『In The Crowd』で逆回転の音も使い、『English Rose』での擬音を使ったことと合わせて、これまでのパンクでシンプルな曲調からの変化が感じられた。

アルバムの最後に収められた『Down In The Tube Station At Midnight』でも地下鉄構内の音を効果的に使っている。真夜中の家路を急ぐ若者が暴漢に襲われる内容を謳った『Down In The Tube Station At Midnight』は、あまりそれまでに聴いたことのない歌詞にも注目した。

アメリカ版『All Mod Cons』は LP 時代にB面のトップが『Billy Hunt』ではなく『The Butterfly Collector』に差替えられていたそうだが、ハンド・クラップの音も軽快な『Billy Hunt』はサイドが変わったトップに相応しいと思うのに、なぜ『The Butterfly Collector』に差替えされてしまったのだろう。

アルバム後半の真ん中に配された『Fly』は約3分半の短い曲の中で様々に曲調が展開し、ここではもうパンク時代の The Jam のスタイルは感じられない。が、続く『The Place I Love』では Bruce Foxton の弾くベースの音が小気味良く、こちらも3分に満たない短い曲だがグイグイ引き込まれる魅力があり、このアルバムでは好きな曲の1つだ。

そしてアルバム『All Mod Cons』は2曲の Paul Weller の怒りを込めた(?!)2曲で締め括られる。今までの2枚のアルバム以上にサウンドや歌詞に工夫がみられる『All Mod Cons』のタイトルは、イギリスの住宅広告で使われる「all modern conveniences (近代設備完備)」という慣用句で、モッズを意味する mod とも引っ掛けられている。

All Mod Cons
All Mod Cons
To Be Someone (Didn't We Have A Nice Time)
Mr. Clean
David Watts
English Rose
In The Crowd
Billy Hunt
It's Too Bad
Fly
The Place I Love
'A' Bomb In Wardour Street
Down In The Tube Station At Midnight



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