The Beatles/『Beatles For Sale』 [CD]
年2枚のアルバムをリリースするという契約から、1964年の暮れにリリースされた通算4枚目のスタジオ・アルバム『Beatles For Sale』は、前作『A Hard Day's Night』が全て Lennon/McCartney の曲だったのに対して、再び6曲のカバーを収録したアルバムだった。
また『Beatles For Sale』はこのブログの右欄で「The Beatlesのリマスター盤、どれがお勧めの1枚?」というアンケートを実施中だが、なぜか一票も投票がないアルバムだ。(もう1枚、0票のアルバムは理由がなんとなくわかるが…)
『Beatles For Sale』は1964年8月から行われた北米ツアーの合間と、10月から行われたイギリス公演の合間をぬって制作されたアルバムで、このアルバムのリリースの直前にイギリスでは通算8枚目のシングル『I Feel Fine』がリリースされた。
『Beatles For Sale』ではデビュー当時のイメージから少しずつメンバーの内面に関わる曲が表れ始め、アルバムの2曲目にある John 主導の『I'm a Loser』はその象徴のような曲だった。
『Beatles For Sale』のトップを飾る『No Reply』は1981年に全米チャートで No.1 になった『Stars on 45 Medley』の最初に登場した The Beatles の曲だった。『Beatles For Sale』がリリースされた1964年当時を体験したことのない立場からすると『No Reply』は『Stars on 45 Medley』でお馴染みの曲という印象が強い。
アルバムの3曲目『Baby's in Black』までは Lennon/McCartney のオリジナルが続くが、4曲目には Chuck Berry の1957年のヒット曲『Rock and Roll Music』が登場する。この曲は英米で公式にシングル・カットされなかった曲だが、日本公演ではオープニングも飾ったこともあり、とりわけ日本では人気のある曲だ。
『I'll Follow the Sun』は Paul 主導の曲で John の弾くアコースティック・ギターが特徴。後期の The Beatles のスタイルに繋がる重要な曲の1つだろう。
そして、当時のLPでA面最後の2曲は John と Paul がシャウトする曲が並ぶ。
まず Roy Lee Johnson 作の『Mr. Moonlight』では John のシャウトがたっぷり聴ける。この曲はオリジナルがさほど有名でないこともあり、The Beatles の曲と思っている方も多いのではないだろうか。それほど John のボーカルがハマっている曲だ。そして Little Richard も1958年にカバーした『Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey』では Paul のシャウトするボーカルが聴ける。
サイドが変わって『Beatles For Sale』のB面トップは『I Feel Fine』に続いてシングル・カットされた Lennon/McCartney 作の『Eight Days a Week』で始まる。イギリスではシングルにならなかった『Eight Days a Week』だが、全米チャートでは『I Feel Fine』に続いて No.1 になった。
『Words of Love』は Buddy Holly の1957年の曲だが、The Diamonds のカバーが同じ年の7月に全米チャートで最高13位を記録している。この曲で聴ける John と Paul のハーモニーはとても美しい。
『Beatles For Sale』には Carl Perkins のカバーが2曲あり、最初が Ringo のボーカルで収録された『Honey Don't』。John と Paul がボーカルでないことから The Beatles らしさが薄い曲だが、アメリカで人気のカントリーの要素が大きい曲だ。
『Every Little Thing』からは再び Lennon/McCartney の曲が3つ並ぶ。その1曲目の『Every Little Thing』では Ringo の叩くティンパニの音がなんといっても大きな特徴だ。
『I Don't Want to Spoil the Party』もカントリーな雰囲気溢れる John 主導の曲だが、同じ John が作った『I'm a Loser』に比べると明るいタッチの曲で、ハーモニー部分もかなり凝っている。『Beatles For Sale』では隠れた好きな曲だ。
『Beatles For Sale』で Lennon/McCartney 作の最後の曲『What You're Doing』は The Beatles の曲として珍しい Ringo のドラムから始まる。Paul 主導のこの曲では少し強引とも思える転調があるが、これが後に Paul のアルバムで度々登場するメドレー形式の曲を生む下地になったのかもしれない。
アルバム最後の曲として再び Carl Perkins の曲が登場。『Everybody's Trying to Be My Baby』は1957年にレコーディングされた曲で、Carl Perkins は『Beatles For Sale』がリリースされた1964年にイギリスを訪れている。そんなこともあって Carl Perkins の曲が2曲もこのアルバムに収録されたのだろうか。
John と Paul のシャウトが聴け、ロックンロールとカントリー&ウェスタンの融合したロカビリーなサウンドが聴ける『Beatles For Sale』は、The Beatles の活動後期で聴かれるスタイルが少しずつ見え始めたアルバムだ。
前作『A Hard Day's Night』から引き継ぐかたちで12月に全英チャートで初登場 No.1 を記録した『Beatles For Sale』は以来、9週間連続 No.1 を記録。一旦、2位に後退するが、1965年4月末からは再び6週間連続 No.1 を記録している。
Beatles For Sale
【Side A】
No Reply
I'm a Loser
Baby's in Black
Rock and Roll Music (Chuck Berry)
I'll Follow the Sun
Mr. Moonlight (Roy Lee Johnson)
Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey (Jerry Leiber and Mike Stoller/Richard Penniman)
【Side B】
Eight Days a Week
Words of Love (Buddy Holly)
Honey Don't (Carl Perkins)
Every Little Thing
I Don't Want to Spoil the Party
What You're Doing
Everybody's Trying to Be My Baby (Carl Perkins)
また『Beatles For Sale』はこのブログの右欄で「The Beatlesのリマスター盤、どれがお勧めの1枚?」というアンケートを実施中だが、なぜか一票も投票がないアルバムだ。(もう1枚、0票のアルバムは理由がなんとなくわかるが…)
『Beatles For Sale』は1964年8月から行われた北米ツアーの合間と、10月から行われたイギリス公演の合間をぬって制作されたアルバムで、このアルバムのリリースの直前にイギリスでは通算8枚目のシングル『I Feel Fine』がリリースされた。
『Beatles For Sale』ではデビュー当時のイメージから少しずつメンバーの内面に関わる曲が表れ始め、アルバムの2曲目にある John 主導の『I'm a Loser』はその象徴のような曲だった。
『Beatles For Sale』のトップを飾る『No Reply』は1981年に全米チャートで No.1 になった『Stars on 45 Medley』の最初に登場した The Beatles の曲だった。『Beatles For Sale』がリリースされた1964年当時を体験したことのない立場からすると『No Reply』は『Stars on 45 Medley』でお馴染みの曲という印象が強い。
アルバムの3曲目『Baby's in Black』までは Lennon/McCartney のオリジナルが続くが、4曲目には Chuck Berry の1957年のヒット曲『Rock and Roll Music』が登場する。この曲は英米で公式にシングル・カットされなかった曲だが、日本公演ではオープニングも飾ったこともあり、とりわけ日本では人気のある曲だ。
『I'll Follow the Sun』は Paul 主導の曲で John の弾くアコースティック・ギターが特徴。後期の The Beatles のスタイルに繋がる重要な曲の1つだろう。
そして、当時のLPでA面最後の2曲は John と Paul がシャウトする曲が並ぶ。
まず Roy Lee Johnson 作の『Mr. Moonlight』では John のシャウトがたっぷり聴ける。この曲はオリジナルがさほど有名でないこともあり、The Beatles の曲と思っている方も多いのではないだろうか。それほど John のボーカルがハマっている曲だ。そして Little Richard も1958年にカバーした『Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey』では Paul のシャウトするボーカルが聴ける。
サイドが変わって『Beatles For Sale』のB面トップは『I Feel Fine』に続いてシングル・カットされた Lennon/McCartney 作の『Eight Days a Week』で始まる。イギリスではシングルにならなかった『Eight Days a Week』だが、全米チャートでは『I Feel Fine』に続いて No.1 になった。
『Words of Love』は Buddy Holly の1957年の曲だが、The Diamonds のカバーが同じ年の7月に全米チャートで最高13位を記録している。この曲で聴ける John と Paul のハーモニーはとても美しい。
『Beatles For Sale』には Carl Perkins のカバーが2曲あり、最初が Ringo のボーカルで収録された『Honey Don't』。John と Paul がボーカルでないことから The Beatles らしさが薄い曲だが、アメリカで人気のカントリーの要素が大きい曲だ。
『Every Little Thing』からは再び Lennon/McCartney の曲が3つ並ぶ。その1曲目の『Every Little Thing』では Ringo の叩くティンパニの音がなんといっても大きな特徴だ。
『I Don't Want to Spoil the Party』もカントリーな雰囲気溢れる John 主導の曲だが、同じ John が作った『I'm a Loser』に比べると明るいタッチの曲で、ハーモニー部分もかなり凝っている。『Beatles For Sale』では隠れた好きな曲だ。
『Beatles For Sale』で Lennon/McCartney 作の最後の曲『What You're Doing』は The Beatles の曲として珍しい Ringo のドラムから始まる。Paul 主導のこの曲では少し強引とも思える転調があるが、これが後に Paul のアルバムで度々登場するメドレー形式の曲を生む下地になったのかもしれない。
アルバム最後の曲として再び Carl Perkins の曲が登場。『Everybody's Trying to Be My Baby』は1957年にレコーディングされた曲で、Carl Perkins は『Beatles For Sale』がリリースされた1964年にイギリスを訪れている。そんなこともあって Carl Perkins の曲が2曲もこのアルバムに収録されたのだろうか。
John と Paul のシャウトが聴け、ロックンロールとカントリー&ウェスタンの融合したロカビリーなサウンドが聴ける『Beatles For Sale』は、The Beatles の活動後期で聴かれるスタイルが少しずつ見え始めたアルバムだ。
前作『A Hard Day's Night』から引き継ぐかたちで12月に全英チャートで初登場 No.1 を記録した『Beatles For Sale』は以来、9週間連続 No.1 を記録。一旦、2位に後退するが、1965年4月末からは再び6週間連続 No.1 を記録している。
Beatles For Sale
【Side A】
No Reply
I'm a Loser
Baby's in Black
Rock and Roll Music (Chuck Berry)
I'll Follow the Sun
Mr. Moonlight (Roy Lee Johnson)
Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey (Jerry Leiber and Mike Stoller/Richard Penniman)
【Side B】
Eight Days a Week
Words of Love (Buddy Holly)
Honey Don't (Carl Perkins)
Every Little Thing
I Don't Want to Spoil the Party
What You're Doing
Everybody's Trying to Be My Baby (Carl Perkins)
タグ:THE BEATLES 1964
2010-11-03 21:02
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