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Earth, Wind & Fire/『Powerlight』 [CD]

Powerlight.jpg5枚のアルバムが簡素な紙製スリーブに収められた Original Album Classics の Earth, Wind & Fire のアルバム紹介も、この1983年にリリースされた通算12枚目のスタジオ・アルバム『Powerlight』が最後。この年の2月に『Powerlight』をリリースした Earth, Wind & Fire は同じ年の11月に『Electric Universe』という通算13枚目のスタジオ・アルバムもリリースしている。

お馴染み、長岡秀星のイラストをジャケットに起用した『Powerlight』だったが、このアルバムがリリースされた1983年当時はもはや Earth, Wind & Fire の新譜に興味を惹かれることはなく、『Powerlight』を通して聴いたのは、この Original Album Classics を手に入れた今回が初めてだった。

1980年リリースの2枚組の大作『Faces』でセールスが落ちた Earth, Wind & Fire だったが、1981年リリースの『RAISE!』はアメリカでのセールスが100万枚を記録。そこで取られた手法の幾つかがこの『Powerlight』というアルバムにも継承されているように思えた。

まず、ジャケットに1977年リリースの『All 'n All』から起用してきた長岡秀星を『RAISE!』に続いて起用し、『Let's Groove』や『Wanna Be With You』のライターに Maurice White と並んで記されていた Wayne Vaughn が再び『Powerlight』でも起用された。

Wayne Vaughn が『Powerlight』で関わったのはアルバムの約半分にあたる4曲で、その中の『Fall In Love With Me』と『Side By Side』は共にシングル・カットされ、前者は全米チャートで最高17位、R&B チャートで最高4位を記録。後者はそれぞれ最高76位と15位をマークした。

『Let's Groove』と『Wanna Be With You』は Grammy 賞の Best R&B Performance by a Duo or Group with Vocals の候補に上り、後者はその栄誉に輝いた。その手法を継承した『Fall In Love With Me』もまた同部門の候補に上がったので、その起用は正解だったのかもしれない。

『Powerlight』は一般的に Earth, Wind & Fire の長い活動期間の中でもソウル/ファンク色が薄いアルバムで、特徴あるギターを弾いていた Al McKay もバンドを去り、Larry Dunn らが担当するシンセサイザーやキーボード、Jerry Hey がアレンジを手掛けたホーン・セクションがより前面にフューチャーされたアルバムだった。

ギタリストには1970年代序盤に一時在籍していた Roland Bautista が呼ばれて『Freedom Of Choice』と『Hearts To Heart』の2曲でギター・ソロを披露しているが、それほど目立ったプレイではなかった。

メロディよりリズム感に重きを置いたような『Powerlight』は Maurice がメインのボーカル曲が多く、ソフトな Philip Bailey のファルセットが好きなファンとしては『Powerlight』に今ひとつのめり込めない。

アルバムの最後にある『Miracles』のようなバラードでは Philip Bailey の声が似合うと思ったが、ここでもその特徴ある声を聴くことはできない。この『Powerlight』で Philip Bailey はバックアップに徹したかのようだった。

その Philip Bailey は、この『Powerlight』がリリースされた1983年の8月に自身初のソロ・アルバム『Continuation』をリリースしている。

Original Album Classics というきっかけがなければ、この緩やかな下降線を辿り始めた頃の『Powerlight』はなかなか聴く機会がなかったアルバムかもしれない。

Powerlight.jpgPowerlight
Fall In Love With Me
Spread Your Love
Side By Side
Straight From The Heart
The Speed Of Love
Freedom Of Choice
Something Special
Hearts To Heart
Miracles


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