Susanna Hoffs／『When You're A Boy』

ここ数日、The Bangles や Belinda Carlisle ら女性アーティストの CD や話題を取り上げたことで聴きたくなった懐かしいアルバムが、この1991年にリリースされた Susanna Hoffs の初のソロ・アルバム『When You're A Boy』だ。

Susanna Hoffs がメンバーだった The Bangles は1990年に解散し、その翌年にこのソロ・デビュー盤はリリースされて、『My Side Of The Bed』がソロで初めてのシングルとしてカットされた。『My Side Of The Bed』は Billy Steinberg と Tom Kelly というこの頃のヒットメイカーと Susanna が作った曲で、全米チャートでは最高30位を記録して Top40 入りも果たした。

その後もシングルは『Unconditional Love』と『Only Love』の2曲がカットされたが、前者が全英チャートで65位を記録したのが最高で、アルバム『When You're A Boy』も全米チャートでは83位にランクされるに留まった。

The Bangles 時代のアルバムでプロデューサーを務めた David Kahne がこのソロ・デビュー盤でもプロデュースを務め、Kahne は『No Kind Of Love』など4曲を Susanna らと共に作り、その中でもまだ有名になる前の Juliana Hatfield を交えて3人で作った『That's Why Girls Cry』はポップな曲で、シングル・カットすればヒットが望めたとも思える曲だった。

続く『Unconditional Love』は2ndシングルに選ばれ、この曲では Billy Steinberg と Tom Kelly に加えて Cyndi Lauper が参加して作られた曲で、Cyndi が歌ってる様子が想像できるような曲だった。

このアルバムの最後には David Bowie の1979年のシングル『Boys Keep Swinging』のカバーがあり、この選曲も面白かったが、さらに珍しいことに The Who の John Entwistle がこの曲ではベースを弾いていた。

1980年代にヒット曲を量産した Billy Steinberg と Tom Kelly が手掛けた2曲がシングル・カットされたが、この『When You're A Boy』には前述の『That's Why Girls Cry』や、Steve Summers というほとんど無名なライターによる『This Time』という、なかなかポップな曲もあり、これらの曲は Susanna のキャラクターにも合っている曲だった。

3枚目のシングルになった『Only Love』もやはりヒットメイカーとして名を馳せていた Diane Warren と Susanna の共作による曲で、この曲が3rdシングルに選ばれたのも Diane Warren の名前があったからだろうか。

『When You're A Boy』に参加したアーティストの中には1960年代に活躍した Donovan の名前がバック・コーラスにあったり、ドラムには Jim Keltner、ギターには後の Paul McCartney のツアーやアルバムに参加する Rusty Anderson の名前があったりした。

女性アーティストのアルバムということでシングルで売れそうな曲を名うてのヒットメイカーに任せたが、その作戦は不発に終わり、それ以外の曲に Susanna のキャラクターが映える曲があったのは皮肉だった。最後に収録した『Boys Keep Swinging』は Bowie ファンに非難される出来かもしれないが、これをシングルにすれば話題性もあって面白かったと思うのだが…。

When You're A Boy
My Side Of The Bed
No Kind Of Love
Wishing On Telstar
That's Why Girls Cry
Unconditional Love
Something New
So Much For Love
This Time
Only Love
It's Lonely Out Here
Made Of Stone
Boys Keep Swinging

タグ：Susanna Hoffs 1991