Huey Lewis and The News/『Four Chords & Several Years Ago』 [CD]
1980年代中盤にアルバム『Sports』や『Fore!』からシングル・ヒットを連発していた Huey Lewis and The News だったが、1990年前後はその勢いに陰りが見え始め、1991年のアルバム『Hard At Play』を最後に1980年のデビュー盤から在籍してきた Chrysalis Records との契約は終了。その3年後、Elektra Records に移籍してリリースしたアルバムが全編カバー曲の『Four Chords & Several Years Ago』だった。
彼らのルーツを辿るような曲を全部で17曲を収録した『Four Chords & Several Years Ago』は3分以内に終わる曲が11曲もあり、全部を通しても50分足らずで聴けてしまう、とても楽しい雰囲気のアルバムだった。
『Sports』や『Fore!』以前の曲でも Huey Lewis のハーモニカや The News のメンバーによるコーラス・ワークは多くの曲で披露していたので、古くは1930年代から選ばれたオールディズのカバーは Huey Lewis and The News というバンドのスタイルにピタリとハマっていた。
そんな思いもあって久々に Huey Lewis and The News らしさが聴けた『Four Chords & Several Years Ago』だったが、全米チャートでは最高55位と前作『Hard At Play』の最高27位をも下回る結果で、Elektra Records との契約もこの一枚だけで終了してしまった。
『Four Chords & Several Years Ago』からのシングルは1967年の Soul Brothers Six による『(She's) Some Kind Of Wonderful』が1stシングルに選ばれ、全米チャートで最高44位を記録した。
以降、シングルは1966年の J.J. Jackson による『But It's Alright』、1957年の Bobby Day & The Satellites による『Little Bitty Pretty One』がカットされ、『But It's Alright』は全米アダルト・コンテンポラリー・チャートで最高5位を記録したが、シングル総合チャートでは最高54位止まりだった。
最盛期の勢いから程遠い結果だけが残り、The News 創設時からのメンバーだったベースの Mario Cipollina もこのアルバムを最後に The News を去ってしまった。
チャート結果、アルバムやシングルの売行きだけを見ると成功と呼べない『Four Chords & Several Years Ago』だったが、この中の曲では Huey Lewis のしゃがれたボーカルも、The News のコーラス・ワークも依然として健在だったし、曲によってはホーン・セクションも追加して本当に楽しいアルバムだった。
その真骨頂とも呼べるのが1961年の James Ray の『If You Gotta Make A Fool Of Somebody』と、やはり同じ1961年の Ernie K-Doe による『Mother In Law』のカバーで、少しテンポを落としたこの2曲では Huey Lewis のハーモニカや、The News によるコーラスなど、Huey Lewis and The News としての原点があった。『Mother In Law』で聴ける Sean Hopper のキーボードも軽やかで楽しい雰囲気にさせてくれた。
シングルで結果のでなかった『Little Bitty Pretty One』も、イントロの The News によるコーラスとハンド・クラップが絶妙で、ドゥワップ・スタイルの『Little Bitty Pretty One』が1990年代のたくさんの曲の中に埋もれてしまい、全くスポットが当たらなかったことがとても残念だった。
『Four Chords & Several Years Ago』に続く Huey Lewis and The News のアルバムは2001年の『Plan B』まで待たされることになり、この時は7年の間隔が開いたが、その次のアルバム『Soulsville』まではさらに9年の時間がかかり、2010年にようやくリリースされた。
『Soulsville』は Stax Records に属したアーティストのカバーを収めたアルバムで、これも彼らのルーツに関係の深い曲がたくさん収録されているようだ。この『Soulsville』もいずれは聴いてみたいアルバムだ。
Four Chords & Several Years Ago
Shake Rattle And Roll
by Joe Turner and His Blues Kings, 1954
Blue Monday
by Smiley Lewis, 1954
Searching For My Love
by Bobby Moore & The Rhythm Aces, 1966
(She's) Some Kind Of Wonderful
by Soul Brothers Six, 1967
But It's Alright
by J.J. Jackson, 1966
If You Gotta Make A Fool Of Somebody
by James Ray, 1961
Mother In Law
by Ernie K-Doe, 1961
Little Bitty Pretty One
by Bobby Day & The Satellites, 1957
Good Morning Little School Girl
by Sonny Boy Williamson, 1937
Stagger Lee
by Lloyd Price with Don Costa Orchestra, 1958
She Shot A Hole In My Soul
by Clifford Curry, 1967
Surely I Love You
by Roscoe Gordon, 1960
You Left The Water Running
by Billie Young, 1966
Your Cash Ain't Nothin' But Trash
by The Clovers, 1954
Function At The Junction
by Shorty Long, 1966
Better To Have And Not Need
by Don Covay, 1974
Going Down Slow
by St. Louis Jimmy, 1941
彼らのルーツを辿るような曲を全部で17曲を収録した『Four Chords & Several Years Ago』は3分以内に終わる曲が11曲もあり、全部を通しても50分足らずで聴けてしまう、とても楽しい雰囲気のアルバムだった。
『Sports』や『Fore!』以前の曲でも Huey Lewis のハーモニカや The News のメンバーによるコーラス・ワークは多くの曲で披露していたので、古くは1930年代から選ばれたオールディズのカバーは Huey Lewis and The News というバンドのスタイルにピタリとハマっていた。
そんな思いもあって久々に Huey Lewis and The News らしさが聴けた『Four Chords & Several Years Ago』だったが、全米チャートでは最高55位と前作『Hard At Play』の最高27位をも下回る結果で、Elektra Records との契約もこの一枚だけで終了してしまった。
『Four Chords & Several Years Ago』からのシングルは1967年の Soul Brothers Six による『(She's) Some Kind Of Wonderful』が1stシングルに選ばれ、全米チャートで最高44位を記録した。
以降、シングルは1966年の J.J. Jackson による『But It's Alright』、1957年の Bobby Day & The Satellites による『Little Bitty Pretty One』がカットされ、『But It's Alright』は全米アダルト・コンテンポラリー・チャートで最高5位を記録したが、シングル総合チャートでは最高54位止まりだった。
最盛期の勢いから程遠い結果だけが残り、The News 創設時からのメンバーだったベースの Mario Cipollina もこのアルバムを最後に The News を去ってしまった。
チャート結果、アルバムやシングルの売行きだけを見ると成功と呼べない『Four Chords & Several Years Ago』だったが、この中の曲では Huey Lewis のしゃがれたボーカルも、The News のコーラス・ワークも依然として健在だったし、曲によってはホーン・セクションも追加して本当に楽しいアルバムだった。
その真骨頂とも呼べるのが1961年の James Ray の『If You Gotta Make A Fool Of Somebody』と、やはり同じ1961年の Ernie K-Doe による『Mother In Law』のカバーで、少しテンポを落としたこの2曲では Huey Lewis のハーモニカや、The News によるコーラスなど、Huey Lewis and The News としての原点があった。『Mother In Law』で聴ける Sean Hopper のキーボードも軽やかで楽しい雰囲気にさせてくれた。
シングルで結果のでなかった『Little Bitty Pretty One』も、イントロの The News によるコーラスとハンド・クラップが絶妙で、ドゥワップ・スタイルの『Little Bitty Pretty One』が1990年代のたくさんの曲の中に埋もれてしまい、全くスポットが当たらなかったことがとても残念だった。
『Four Chords & Several Years Ago』に続く Huey Lewis and The News のアルバムは2001年の『Plan B』まで待たされることになり、この時は7年の間隔が開いたが、その次のアルバム『Soulsville』まではさらに9年の時間がかかり、2010年にようやくリリースされた。
『Soulsville』は Stax Records に属したアーティストのカバーを収めたアルバムで、これも彼らのルーツに関係の深い曲がたくさん収録されているようだ。この『Soulsville』もいずれは聴いてみたいアルバムだ。
Four Chords & Several Years Ago
Shake Rattle And Roll
by Joe Turner and His Blues Kings, 1954
Blue Monday
by Smiley Lewis, 1954
Searching For My Love
by Bobby Moore & The Rhythm Aces, 1966
(She's) Some Kind Of Wonderful
by Soul Brothers Six, 1967
But It's Alright
by J.J. Jackson, 1966
If You Gotta Make A Fool Of Somebody
by James Ray, 1961
Mother In Law
by Ernie K-Doe, 1961
Little Bitty Pretty One
by Bobby Day & The Satellites, 1957
Good Morning Little School Girl
by Sonny Boy Williamson, 1937
Stagger Lee
by Lloyd Price with Don Costa Orchestra, 1958
She Shot A Hole In My Soul
by Clifford Curry, 1967
Surely I Love You
by Roscoe Gordon, 1960
You Left The Water Running
by Billie Young, 1966
Your Cash Ain't Nothin' But Trash
by The Clovers, 1954
Function At The Junction
by Shorty Long, 1966
Better To Have And Not Need
by Don Covay, 1974
Going Down Slow
by St. Louis Jimmy, 1941
2011-12-07 13:05
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