Fleetwood Mac／『The Dance』

ジャケットにある全盛期のベスト・メンバーでリユニオンを果たした Fleetwood Mac が1997年にリリースしたライブ盤がこの『The Dance』というアルバムで、これは映像版もリリースされ、CD 版では全17曲だったが、映像版では『Gold Dust Woman』や『Gypsy』などを追加した全22曲入りだった。

Stevie Nicks のファンとして CD 版『The Dance』にこの2曲が収録されていなかったのは残念だった。しかも最後に全米 No.1 を記録した1982年のスタジオ・アルバム『Mirage』から1曲も収録されていないことも残念だった。

だが、そのことを差し引いても CD 版『The Dance』はポップな頃の Fleetwood Mac の5人がプレイをしていて、それはとても楽しめる内容だった。この5人の中で Mick Fleetwood と John McVie は結成時から不動のメンバーだが、Lindsey Buckingham と Stevie Nicks のふたりはこのライブが久々の Fleetwood Mac としての活動だった。そして Christine McVie はこれを境にバンドから離れてしまったので、このライブは本当に貴重な記録だった。

5人のメンバーによるヒット曲が立て続けに収められた『The Dance』は MTV の企画のもとで行われたライブだったが、アメリカではこれまでに700万枚を超えるセールスを記録して、全米アルバム・チャートでは『Mirage』から15年ぶりとなる No.1 も記録した。しかも、それをチャート初登場で記録するという快挙だった。

このライブは5人のメンバー以外に多くのサポート・メンバーもステージ上にいたが、やはりこの5人がひとつのステージに揃っている点が奇跡だった。1979年のスタジオ・アルバム『Tusk』のタイトル曲ではスタジオ・バージョンで収録に参加した USC (南カリフォルニア大) のマーチングバンドもステージに登場し、CD 版『The Dance』では続く最後の曲『Don't Stop』でもステージに残り、このライブのハイライトに貢献している。

このライブ盤は CD の収録時間ギリギリの79分強もあるが、途中の MC もそこそこに入っていて、ハスキーな Christine McVie や久々に戻ってきた Lindsey Buckingham の声も聴ける。

ポップな頃の Fleetwood Mac はこのふたりに Stevie Nicks を加えた3人が、代わる代わるボーカルを務めていたから、いろいろな代表曲がそれぞれオリジナルのボーカルで再び聴けることも嬉しかった。そして、この3人のボーカルに全く衰えを感じない点も嬉しかった。

『The Dance』のジャケットでは Mick Fleetwood が1977年のスタジオ・アルバム『Rumours』のジャケットに写る姿を真似ているのも昔からのファンには嬉しかった点だろう。男性陣の3人にはそれなりの変化を感じてしまったが、Christine と Stevie の女性陣には凛とした雰囲気があって、それにも嬉しく思った。

The Dance
The Chain
Dreams
Everywhere
Rhiannon
I'm So Afraid
Temporary One
Bleed To Love Her
Big Love
Landslide
Say You Love Me
My Little Demon
Silver Springs
You Make Loving Fun
Sweet Girl
Go Your Own Way
Tusk
Don't Stop

タグ：Fleetwood Mac 1997 ライブ盤

コメント 2

本当に奇跡かと思ったリユニオン。
ＣＤ版しか聴いてませんでしたが、ＤＶＤ版はスティーヴィーのジプシーが入ってたんですね。
こりゃＤＸ版でも出して欲しいもんです。
初期は知らないのですが、やっぱこのメンバーが一番ヒット曲もありますもんね～　愛着あります！
by ezee (2011-12-15 15:27) 

ezeeさん、コメントありがとうございます。
そうなんです！DVDはCDにない曲で、かつ、Steveiのファンには欠かせない曲があるんです!! 完全版というかたちでリリースしてほしいですね、このときのライブ!!!
これを最後にChristineは去ってしまいましたから、本当に奇跡のリユニオンでしたね。
by MCMLXV_65 (2011-12-15 16:36)