The Rolling Stones／『Start Me Up』

2012年の幕開けにどの CD を聴こうかと思っていたところ、J-WAVE から The Rolling Stones の1981年のヒット・シングル『Start Me Up』が流れてきたので、2012年の最初の日はこの曲について記そうと思う。

この『Start Me Up』は洋楽を聴くようになった頃、初めてリアルタイムに触れた The Rolling Stones のヒット曲で、その PV はシンプルな背景をバックに当時の The Rolling Stones の5人のメンバーが曲をプレイするだけの内容だったが、Mick Jagger のそのクネクネとした動きがとても奇妙に見え、いきなりどアップで映りこんで来る Keith Richards のふてぶてしさや、当時の Ronnie Wood にはなぜかロックな雰囲気を感じかった。

この3人がコーラスで絡むシーンがその PV にもあるが、バックのリズム隊 Bill Wyman と Charlie Watts のふたりはなんだか無関係のようにも見え、先の3人と同じ立ち位置ではないようにも見えた。これが動く The Rolling Stones を見た最初のことだった。

この『Start Me Up』がリリースされた1981年で既に1962年のバンド結成から20年弱という時間が経っていたわけだが、女性のコーラスなどななく、男5人だけしか出ない PV には「ベテラン」という言葉と、「なんてふてぶてしいんだ」という思いがあった。

当時の洋楽番組で『Start Me Up』が紹介されると、そのシングル・ジャケットも画面に映されたが、ハイヒールを履いた毛むくじゃらの足というそのジャケットにも強烈なインパクトがあった。

アルバムやシングルのジャケットにまだメンバーのポートレイトが多かったこの当時、この人を喰ったようなデザインは強烈なインパクトがあった。『Start Me Up』のジャケットは UK 盤と US 盤で微妙にデザインが異なり、トップにあるのが UK 盤シングルで、ここにあるのが US 盤シングルのジャケットだった。

『Start Me Up』は1981年8月にリリースされたスタジオ・アルバム『Tattoo You』からのリード・シングルで、全米チャートで最高2位まで上昇。全英チャートでは最高7位を記録した。

Wikipedia の情報によると『Start Me Up』はアルバム『Tattoo You』からのリード・シングルだったが、この頃に作られた新曲ではなく、古くは1975年のスタジオ・アルバム『Black and Blue』用のセッションのときから存在していた曲で、当初のスタイルは今のようなロックな曲でなく、レゲエ・スタイルな曲だったらしい。

しかし、このときのバージョンはお蔵入りとなり、次に陽の目を見たのは1978年のスタジオ・アルバム『Some Girls』と、1979年のスタジオ・アルバム『Emotional Rescue』のレコーディング・セッションのときで『Never Stop』や『Start It Up』というタイトルで取り上げられた。しかし、ここでも2つのアルバムに最終的に採用されることはなかった。

そして、1981年のツアーに向け新たな曲を探していたところに、この『Start Me Up』の元となった曲に再びスポットがあたり、再度、レコーディングの場に引っ張り出されることになった。

そして、Bob Clearmountain の力も借りて、その特徴あるエコーのかかったドラムの音やボーカルがニューヨークのレコーディング・スタジオ Power Station で収録され、タイトルも『Start It Up』から『Start Me Up』へと変わり、ようやく完成版が誕生した。

『Start Me Up』はその後 The Rolling Stones の1980年代を代表する曲へと成長し、初めて行われた日本公演ではそのオープニング曲としてプレイされた。また1980年以降の多くのライブ盤にも収録され、数多くのベスト盤にも必ず収録される The Rolling Stones というバンドを代表する曲のひとつにもなった。

『Start Me Up』を聴くと、得も言われぬ高揚感があり、ライブでは終盤の掛け声の箇所でファンとのコール＆レスポンスも起きる。『Start Me Up』はライブ・バージョンでもカッコいい曲へと成長していった。

Start Me Up
Start Me Up
No Use In Crying

タグ：1981 THE ROLLING STONES

コメント 4

あけましておめでとうございます！
今年も宜しくお願いいたします。

「Start Me Up」といえば、チャーリーの『スネア打ちの時にはハイハットを休む』という奇妙な(苦笑)ドラミングを思い出します。

今年も正確なデータに基づいた記事、期待しております♪
by どうぷ (2012-01-02 00:29) 

どうぷさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします！
（昨年後半、どうぷさんも怒涛の更新、凄かったですね!!）

おっしゃるとおり『Start Me Up』って、PVにある
メンバーの動きも奇妙（失礼!）だったんですが、
それまでに聴いたことのない音（リズム?）にも驚き
新鮮でしたネ。^^;
by MCMLXV_65 (2012-01-02 05:28) 

おめでとうございます！

懐かしすぎる足ジャケ。インパクト抜群でしたね～
自分にとってもロック元年みたいなＰＶだったので、ビデオ購入後も何度も見ましたヨ　突然、前から登場するキース&ロニーにミックの体操のお兄さん的な変な動き。動く洋楽映像が少なかった頃、頭にしっかり焼きつきました！

ではまた、ナイスな音盤更新を今年もヨロシクお願いします～
by ezee (2012-01-06 00:40) 

ezeeさん、あけましておめでとうございます。
Mickの動きが体操のよう! その表現も思い出しました!!
Keith&Ronnyの無表情っぷりも「なんだ…」って思いで
曲以上のインパクトがタップリのPVでしたね。

コチラこそ、今年もよろしくお願いしますです! (^^)
by MCMLXV_65 (2012-01-06 09:47)