Paul McCartney/『Paul Is Live』 [CD]
雑誌『THE DIG』の Special Edition として先日出版されたばかりのタイトルもずばり『Paul McCartney』は、Paul のこれまでのライブ活動を徹底解剖した書籍で、Paul のディスコグラフィを記した書籍でライブ盤はとかく軽く扱われがちだが、この『Paul McCartney』では1993年11月にリリースされた『Paul Is Live』も含め、収録されたツアーの状況が詳細に記されている。
『Paul Is Live』は1993年2月からオーストラリアで始まった The New World Tour の前半にあたる5月末頃までの音源で作られ、1990年にリリースされた2枚組のライブ盤『Tripping The Live Fantastic』とダブる曲は『Live And Let Die』のひとつしかない。
『Paul Is Live』は CD 1枚(LPでは2枚組)だったが、CD 収録時間の目一杯を使い、約77分強で全24曲を収録。しかし、厳密には21曲目の『Welcome To Soundcheck (link)』以降はライブ前のサウンドチェックで使われた曲になっていた。
スタジオ・アルバムと交互にライブ盤がリリースされるようになり、『Tripping The Live Fantastic』に比べると『Paul Is Live』は The New World Tour のダイジェスト版のようでもあり、このアルバムは Paul のこれまでのライブ盤の中でもあまり売れなかった部類に入り、全英チャートでも最高34位止まり、全米チャートでも78位が最高だった。
だが、この時点での最新スタジオ・アルバム『Off The Ground』から1stシングルになった『Hope Of Deliverance』を含め5曲が収録され、その中でも同アルバムの最後を飾った『C'Mon People』はこのライブ盤の聴きどころのひとつにもなっていた。
ジャケットは1969年リリースの The Beatles のスタジオ・アルバム『Abbey Road』のパロディで、その『Abbey Road』で流れた Paul 死亡説を逆手にとった『Paul Is Live』というタイトルも Paul ならではのユーモアの表れで、このライブ盤の表ジャケットには様々な遊び要素が隠されていた。
また『Paul Is Live』のリリースは、このときのツアーで11月13日から東京ドームで始まる日本公演の直前にリリースされ、日本公演を観る上での予習的な意味もあった。
そして何よりこの『Paul Is Live』は Linda が参加した最後のツアーの記録でもあり、今のツアーでは亡き Linda に捧げられる『My Love』が同じステージに Linda がいるときに歌われた最後の記録でもあって感慨深いものがあった。
Paul のソロ時代のライブで初登場の『Drive My Car』や『Magical Mystery Tour』が聴ける最初のライブ盤でもあった『Paul Is Live』だが、1枚の CD という制約からライブ本編のアンコールで最後にプレイされた『Hey Jude』がなく、『Kansas City』でライブ本編が終了となるところは他のライブ盤に比べると弱い点だろうか。
そのひとつ前の『Live And Let Die』が盛大なエンディングを迎えただけに『Kansas City』での終わり方がより強調され、『Paul Is Live』では Paul の MC もほとんどなかった。サウンドチェック用終盤4曲の代わりに、もっとライブ本編からの曲があれば『Paul Is Live』の印象はまた変わっていたかもしれない。
とは言うものの、こうして『Paul McCartney』という書籍のおかげで久しぶりに聴いてみた『Paul Is Live』は比較対象がなければ、やはりよくできたライブ盤に思える。Paul くらいライブ盤を多くリリースしているアーティストだと、他のアルバムと比較されてしまうのはしょうがないことだが、やっぱり Paul にはライブが似合うと思える一枚だった。
Paul Is Live
Drive My Car
Let Me Roll It
Looking For Changes ※
Peace In The Neighbourhood ※
All My Loving
Robbie's Bit (Thanks Chet)
Good Rockin' Tonight
We Can Work It Out
Hope Of Deliverance ※
Michelle
Biker Like An Icon ※
Here, There And Everywhere
My Love
Magical Mystery Tour
C'Mon People ※
Lady Madonna
Paperback Writer
Penny Lane
Live And Let Die
Kansas City
Welcome To Soundcheck (link)
Hotel In Benidorm
I Wanna Be Your Man
A Fine Day
※:スタジオ・アルバム『Off The Ground』収録曲
『Paul Is Live』は1993年2月からオーストラリアで始まった The New World Tour の前半にあたる5月末頃までの音源で作られ、1990年にリリースされた2枚組のライブ盤『Tripping The Live Fantastic』とダブる曲は『Live And Let Die』のひとつしかない。
『Paul Is Live』は CD 1枚(LPでは2枚組)だったが、CD 収録時間の目一杯を使い、約77分強で全24曲を収録。しかし、厳密には21曲目の『Welcome To Soundcheck (link)』以降はライブ前のサウンドチェックで使われた曲になっていた。
スタジオ・アルバムと交互にライブ盤がリリースされるようになり、『Tripping The Live Fantastic』に比べると『Paul Is Live』は The New World Tour のダイジェスト版のようでもあり、このアルバムは Paul のこれまでのライブ盤の中でもあまり売れなかった部類に入り、全英チャートでも最高34位止まり、全米チャートでも78位が最高だった。
だが、この時点での最新スタジオ・アルバム『Off The Ground』から1stシングルになった『Hope Of Deliverance』を含め5曲が収録され、その中でも同アルバムの最後を飾った『C'Mon People』はこのライブ盤の聴きどころのひとつにもなっていた。
ジャケットは1969年リリースの The Beatles のスタジオ・アルバム『Abbey Road』のパロディで、その『Abbey Road』で流れた Paul 死亡説を逆手にとった『Paul Is Live』というタイトルも Paul ならではのユーモアの表れで、このライブ盤の表ジャケットには様々な遊び要素が隠されていた。
また『Paul Is Live』のリリースは、このときのツアーで11月13日から東京ドームで始まる日本公演の直前にリリースされ、日本公演を観る上での予習的な意味もあった。
そして何よりこの『Paul Is Live』は Linda が参加した最後のツアーの記録でもあり、今のツアーでは亡き Linda に捧げられる『My Love』が同じステージに Linda がいるときに歌われた最後の記録でもあって感慨深いものがあった。
Paul のソロ時代のライブで初登場の『Drive My Car』や『Magical Mystery Tour』が聴ける最初のライブ盤でもあった『Paul Is Live』だが、1枚の CD という制約からライブ本編のアンコールで最後にプレイされた『Hey Jude』がなく、『Kansas City』でライブ本編が終了となるところは他のライブ盤に比べると弱い点だろうか。
そのひとつ前の『Live And Let Die』が盛大なエンディングを迎えただけに『Kansas City』での終わり方がより強調され、『Paul Is Live』では Paul の MC もほとんどなかった。サウンドチェック用終盤4曲の代わりに、もっとライブ本編からの曲があれば『Paul Is Live』の印象はまた変わっていたかもしれない。
とは言うものの、こうして『Paul McCartney』という書籍のおかげで久しぶりに聴いてみた『Paul Is Live』は比較対象がなければ、やはりよくできたライブ盤に思える。Paul くらいライブ盤を多くリリースしているアーティストだと、他のアルバムと比較されてしまうのはしょうがないことだが、やっぱり Paul にはライブが似合うと思える一枚だった。
Paul Is Live
Drive My Car
Let Me Roll It
Looking For Changes ※
Peace In The Neighbourhood ※
All My Loving
Robbie's Bit (Thanks Chet)
Good Rockin' Tonight
We Can Work It Out
Hope Of Deliverance ※
Michelle
Biker Like An Icon ※
Here, There And Everywhere
My Love
Magical Mystery Tour
C'Mon People ※
Lady Madonna
Paperback Writer
Penny Lane
Live And Let Die
Kansas City
Welcome To Soundcheck (link)
Hotel In Benidorm
I Wanna Be Your Man
A Fine Day
※:スタジオ・アルバム『Off The Ground』収録曲
2012-01-29 17:06
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