David Bowie/『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars』 [CD]
久しぶりに David Bowie のライブ盤を聴いて、やっぱり、この1972年にリリースされた Bowie を代表する、グラム・ロックというカテゴリーを代表するスタジオ・アルバムを大きな音で聴きたくなった。
いつもはシンプルに『Ziggy Stardust』と略してしまうこのアルバムの原題は『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars』と、とても長く、1972年に日本でリリースされたときの邦題も『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と、今から考えるとこちらも原題に匹敵するほど長く奇妙なタイトルでリリースされた。(このブログもこれ以降は『Ziggy Stardust』と略)
『Ziggy Stardust』は全英チャートでは前作『Hunky Dory』を超えられず、最高5位止まりだったが、イギリスでは前作に続き2枚連続でプラティナ・ディスクに輝き、全米チャートも最高75位ながら、アメリカでは Bowie のアルバムで初のゴールド・ディスクに輝いた。
シングルはわずかに『Starman』の1枚しかカットされず、英10位/米65位という記録だったが、日本で『Starman』は Bowie の好きな曲を選ぶイベントでは必ず上位にランクされるほどの人気曲になった。
『Ziggy Stardust』は LP でのリリース当時はA面に5曲、B面に6曲を収めた40分に満たないアルバムで、A面の最後の曲『t Ain't Easy』のみアメリカ人シンガー・ソングライター Ron Davies が1970年にリリースしたアルバム『Silent Song Through The Land』に収録された曲のカバーだった。
ジャケット裏には "To Be Played At Maximum Volume." という断り書きがあった『Ziggy Stardust』は『Hunky Dory』に続いてギターに Mick Ronson、ベースに Trevor Bolder、ドラムに Mick Woodmansey の3人、Spiders From Mars のメンバーと作られたアルバムだった。
断り書きにあるように「できるだけ大きな音量」でこの『Ziggy Stardust』を聴くと、後半に進むに従ってその迫力は増し、特に LP 時代のB面にある曲でその効果はライブを見ているかのような雰囲気で最高潮に達し、断り書きがなくともボリュームを自然と大きく上げたくなる気分だった。
終盤に登場するタイトル曲『Ziggy Stardust』がエンディングに向けて盛り上がった後、間髪入れずに始まる『Suffragette City』では、まさにライブの終演間近を感じ、そしてアルバム最後の曲『Rock 'N' Roll Suicide』ではマックスな音量に慣れきった耳に Bowie のボーカルがアコースティック・ギターだけをバックに前面に飛び出してくるような錯覚にも陥る。
コンセプト・アルバムとして語られる『Ziggy Stardust』だが、制作当初はそのような考えがなかったようで、制作が徐々に進むに連れ、曲の入れ替えが行われ、最終的に『Five Years』から『Rock 'N' Roll Suicide』までの11曲となり、アルバムとしてのコンセプトがより明確になった。
その入れ替えになった曲の多くは1990年の Rykodisc からのリイシュー盤や、2002年の30周年記念盤に収録されて陽の目を見ることになった。Rykodisc 盤にあったボーナス曲の幾つかは30周年記念盤の2枚目にまとめて収録されたが、この30周年記念盤は初期に出廻ったモノに不良があって回収騒動になり、その後、修正盤がリリースされたが、現在は廃盤扱いになっている。
このブログで紹介するにあたって amazon.jp で『Ziggy Stardust』を調べてみたら、今、手に入るのは1990年代終盤にリリースされた CD のみで、ごく最近、日本でリイシューされた盤ですら既に入手が難しい状況になっていた。
この『Ziggy Stardust』のようにアーティストを代表する、グラム・ロックという時代やジャンルを代表するアルバムが容易に手に入らない状況はどうにかならないだろうか。こういうアルバムは1972年というオリジナルのリリース当時や、30周年にあたる2002年にだけ聴ければいいアルバムではないと思う。それだけに、今のような流通状況を見ると、いい曲やアルバムが手軽に聴けない現状をとても憂慮してしまう。
The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars
Five Years
Soul Love
Moonage Daydream
Starman
It Ain't Easy
Lady Stardust
Star
Hang On To Yourself
Ziggy Stardust
Suffragette City
Rock 'N' Roll Suicide
いつもはシンプルに『Ziggy Stardust』と略してしまうこのアルバムの原題は『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars』と、とても長く、1972年に日本でリリースされたときの邦題も『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と、今から考えるとこちらも原題に匹敵するほど長く奇妙なタイトルでリリースされた。(このブログもこれ以降は『Ziggy Stardust』と略)
『Ziggy Stardust』は全英チャートでは前作『Hunky Dory』を超えられず、最高5位止まりだったが、イギリスでは前作に続き2枚連続でプラティナ・ディスクに輝き、全米チャートも最高75位ながら、アメリカでは Bowie のアルバムで初のゴールド・ディスクに輝いた。
シングルはわずかに『Starman』の1枚しかカットされず、英10位/米65位という記録だったが、日本で『Starman』は Bowie の好きな曲を選ぶイベントでは必ず上位にランクされるほどの人気曲になった。
『Ziggy Stardust』は LP でのリリース当時はA面に5曲、B面に6曲を収めた40分に満たないアルバムで、A面の最後の曲『t Ain't Easy』のみアメリカ人シンガー・ソングライター Ron Davies が1970年にリリースしたアルバム『Silent Song Through The Land』に収録された曲のカバーだった。
ジャケット裏には "To Be Played At Maximum Volume." という断り書きがあった『Ziggy Stardust』は『Hunky Dory』に続いてギターに Mick Ronson、ベースに Trevor Bolder、ドラムに Mick Woodmansey の3人、Spiders From Mars のメンバーと作られたアルバムだった。
断り書きにあるように「できるだけ大きな音量」でこの『Ziggy Stardust』を聴くと、後半に進むに従ってその迫力は増し、特に LP 時代のB面にある曲でその効果はライブを見ているかのような雰囲気で最高潮に達し、断り書きがなくともボリュームを自然と大きく上げたくなる気分だった。
終盤に登場するタイトル曲『Ziggy Stardust』がエンディングに向けて盛り上がった後、間髪入れずに始まる『Suffragette City』では、まさにライブの終演間近を感じ、そしてアルバム最後の曲『Rock 'N' Roll Suicide』ではマックスな音量に慣れきった耳に Bowie のボーカルがアコースティック・ギターだけをバックに前面に飛び出してくるような錯覚にも陥る。
コンセプト・アルバムとして語られる『Ziggy Stardust』だが、制作当初はそのような考えがなかったようで、制作が徐々に進むに連れ、曲の入れ替えが行われ、最終的に『Five Years』から『Rock 'N' Roll Suicide』までの11曲となり、アルバムとしてのコンセプトがより明確になった。
その入れ替えになった曲の多くは1990年の Rykodisc からのリイシュー盤や、2002年の30周年記念盤に収録されて陽の目を見ることになった。Rykodisc 盤にあったボーナス曲の幾つかは30周年記念盤の2枚目にまとめて収録されたが、この30周年記念盤は初期に出廻ったモノに不良があって回収騒動になり、その後、修正盤がリリースされたが、現在は廃盤扱いになっている。
このブログで紹介するにあたって amazon.jp で『Ziggy Stardust』を調べてみたら、今、手に入るのは1990年代終盤にリリースされた CD のみで、ごく最近、日本でリイシューされた盤ですら既に入手が難しい状況になっていた。
この『Ziggy Stardust』のようにアーティストを代表する、グラム・ロックという時代やジャンルを代表するアルバムが容易に手に入らない状況はどうにかならないだろうか。こういうアルバムは1972年というオリジナルのリリース当時や、30周年にあたる2002年にだけ聴ければいいアルバムではないと思う。それだけに、今のような流通状況を見ると、いい曲やアルバムが手軽に聴けない現状をとても憂慮してしまう。
The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars
Five Years
Soul Love
Moonage Daydream
Starman
It Ain't Easy
Lady Stardust
Star
Hang On To Yourself
Ziggy Stardust
Suffragette City
Rock 'N' Roll Suicide
タグ:David Bowie 1972
2012-02-20 14:49
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