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The Beatles/『Meet The Beatles!』 [CD]

Meet-The-Beatles.jpgThe Rolling Stones の1960年代に英米でリリースされたアルバムの違いを改めて知った上で、The Beatles のアメリカ盤はどうだったか? と、思って聴いてみたのが、この Capitol からリリースされた初めてのフル・アルバム『Meet The Beatles!』だった。

『Meet The Beatles!』は2000年代の前半、ブートレグ (海賊盤) として精巧な紙ジャケット仕様でリリースされ、それが手元にあるが、実家には LP としての『Meet The Beatles!』もある。それは他の Capitol からリリースされたアルバムも同梱されたモノで、1980年代の初めに通信販売で手に入れた。

今、手元にある紙ジャケット仕様の『Meet The Beatles!』はもちろん CD で、ここには Capitol からリリースされた『Meet The Beatles!』のモノラルとステレオの両バージョンが収録されている。

『Meet The Beatles!』は2004年に公式な『The Capital Albums Vol.1』というボックス・セットの中に収められ、CD としても入手が容易になったが、紙ジャケット仕様としてのつくりは、このブートレグに軍配が上がると思う。

『Meet The Beatles!』に収録された曲は全部で12曲。英国でのデビュー盤『Please Please Me』のアメリカでの権利を当時 Vee-Jay Record が持っていたので、Capital はデビュー盤の『Please Please Me』をリリースすることができなかった。

そこで考えられたのが、シングルでリリース済みの3曲『I Want To Hold Your Hand』『I Saw Her Standing There』『This Boy』と、英国での2ndアルバム『With The Beatles』からの9曲を合わせた、この『Meet The Beatles!』というアルバムだった。

英国デビュー盤の『Please Please Me』では6曲がカバー曲だったが、Capital でのデビュー盤『Meet The Beatles!』でのカバー曲は Meredith Willson の1957年の曲『Till There Was You』のみで、他は全てオリジナル曲で埋められていた。しかも、Lennon/McCartney 以外の曲として George Harrison 作の『Don't Bother Me』も入っていた。

今、The Beatles のスタジオ・アルバムは英国デビュー盤『Please Please Me』で統一されているので、デビュー盤の1曲目といえば『I Saw Her Standing There』であり、最後の曲は『Twist And Shout』が頭にあるので、『I Want To Hold Your Hand』で始まり、『Not A Second Time』で終わる『Meet The Beatles!』には「デビュー盤」という印象がほとんど感じられない。2曲目に『I Saw Her Standing There』があるのも、2度、オープニング曲があるというヘンな感覚にある。

アメリカでは『Meet The Beatles!』の前に Vee-Jay Records から『Intoroducing... The Beatles』というアルバムがリリースされたが、当時アメリカでのアルバムは12曲構成だったので、『Please Please Me』と『Ask Me Why』の2曲がなく、英国デビュー盤のタイトル曲がないという、これもまたヘンな「デビュー盤」に感じられた。

The Beatles も The Rolling Stones の1960年代と状況は同じで、アメリカでのアルバムは英国オリジナル盤が解体され、そこにシングル・ヒット曲を入れ、アルバムを買えばシングル曲も聴けるという構成だった。

しかし、The Beatles もまた、アルバムとシングルは別物という意識が当時は強かった。CD 時代に入った1980年代にはシングル曲だけで構成したオリジナル・アルバムではない『Past Masters』が新たに作られたのも、そういう明確な意図があったからで、今では『Past Masters』も The Beatles の正式なアルバムの一枚に加わっている。

実質的に英国2ndアルバムの曲が多い『Meet The Beatles!』を「デビュー盤」と呼ぶのは今から思えば、かなり強引に思えるし、大手レーベル Capital からの「デビュー盤」という呼び名も、今となってはかなり苦しいコピーに思えてしまう。

Meet-The-Beatles.jpgMeet The Beatles!
I Want To Hold Your Hand
I Saw Her Standing There
This Boy
It Won't Be Long
All I've Got To Do
All My Loving
Don't Bother Me
Little Child
Till There Was You
Hold Me Tight
I Wanna Be Your Man
Not A Second Time
タグ:1964 THE BEATLES


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