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Matthew Sweet and Susanna Hoffs/『Under The Covers Vol.2』 [CD]

UnderTheCovers2.jpg前作 Vol.1 とほぼ変わらない曲数なのに、今作では1時間を超すボリュームになった Matthew Sweet と Susanna Hoffs、いや Sid n Susie のカバー・アルバムの第2集『Under The Covers Vol.2』。

Vol.1 は1960年代の曲を中心としたカバー集だったが、Vol.2 では1970年代の、それも1974年辺りまでの前半5年を対象とした曲を中心にしたカバー・アルバムになっていた。

Matthew と Susanna 以外のメンバーは前作から引続き、ドラムに Ric Menck、ギターに Greg Leisz のふたりが参加。この4人を軸にしてレコーディングが行われたようだ。

そして今回は前作になかった特別なゲストも登場。3曲目の『Second Hand News』では Fleetwood Mac のメンバーで、この曲を書いた Lindsey Buckingham がギターで参加。終盤のリード・ギターも Lindsey が弾いているとあった。

8曲目の Yes のカバー『I've Seen All Good People: Your Move / All Good People』では Steve Howe が12弦ギターをプレイ。ここでもリード・ギターのパートをゲストの Steve Howe が弾いていた。

そして Vol.2 最後の曲、George Harrison のカバー『Beware Of Darkness』では、George の息子 Dhani がギターで参加、親譲りのスライド・ギターをプレイしていた。

と、Vol.1 より豪華なゲストも参加し、カバーされた曲も有名どころが揃って聴き応え十分な『Under The Covers』シリーズの2作目。その中でも Derek and The Dominos の『Bell Bottom Blues』では Susanna のリード・ボーカルが原曲とはまた違う新鮮さがあって、このカバーはなかなか良かった。

Susanna の活躍にばかり注目してしまうが、続く David Bowie 作、Mott The Hoople のカバー『All The Young Dudes』でも Susanna のコーラス・パートが、とても綺麗だった。

そして、極めつけが Carly Simon が1972年暮れにリリースし、1973年の年明けに全米 No.1 に輝いた『You're So Vain』のカバー。ここでの Susanna のボーカルはリードとコーラス、その両面でとても良かった。

男性ボーカルがメインの曲が Susanna の声でカバーされ、意外な効果を発揮しているのは、終盤に登場する Rod Stewart の1971年の英米双方チャートで No.1 になった『Maggie May』でも同様で、Matthew に悪いが Vol.2 では主役の座を完全に Susanna に喰われてしまったようだった。

この Vol.2 は iTunes 配信限定で10曲を追加した Deluxe Edition や、日本盤では5曲が追加されたバージョンもリリースもされたようだ。

また、前作のリリース後には4曲入りの EP 盤『The Pillowcase』もあり、この EP 盤では Vol.1 の2曲に加えて The Kinks と The Who のアルバム未収録曲も含まれていた。

Vol.2 の Deluxe Edition にある10曲や、EP 盤『The Pillowcase』にある Vol.1 未収録2曲を集めれば、もう一枚アルバムが出来てしまったのではと思える Sid n Susie のカバー曲プロジェクト。Vol.1 のときにも記したが、Vol.2 のリリースから3年が経ち、Vol.2 のブックレットにも「SEE YOU NEXT TIME! XO.」とあったので、今年2012年に Vol.3 のリリースを期待しているのだが、その願いは、あと3か月余りの間に叶うだろうか…?

UnderTheCovers2.jpgUnder The Covers Vol.2 Under the Covers Vol.2 (Deluxe Edition) - Matthew Sweet & Suzanna Hoffs
Sugar Magnolia (Grateful Dead, 1970)
Go All The Way (Raspberries, 1972)
Second Hand News (Fleetwood Mac, 1977)
Bell Bottom Blues (Derek and The Dominos, 1971)
All The Young Dudes (Mott The Hoople, 1972)
You're So Vain (Carly Simon, 1972)
Here Comes My Girl (Tom Petty and The Heartbreakers, 1980)
I've Seen All Good People: Your Move / All Good People (Yes, 1971)
Hello It's Me (Todd Rundgren, 1972)
Willin' (Little Feat, 1971)
Back Of A Car (Big Star, 1974)
Couldn't I Just Tell You (Todd Rundgren, 1972)
Gimme Some Truth (John Lennon, 1971)
Maggie May (Rod Stewart, 1971)
Everything I Own (Bread, 1972)
Beware Of Darkness (George Harrison, 1970)


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