Steely Dan/『The Royal Scam』 [CD]
Steely Dan のスタジオ・アルバムでは、既にこのブログで紹介したつもりでいた、1976年にリリースされた通算5枚目の『The Royal Scam』は、全9曲で40分ちょっとのアルバム。リリース当時の LP では A/B 面共に20分ちょっとを越した程度の長さで、LP というメディアの音質的には丁度いい長さのアルバムでもあった。
前年の1975年リリースの『Katy Lied』から、曲によって外部ミュージシャンをより使い分けるようになった Donald Fagen と Walter Becker のふたりとプロデューサーの Gary Katz。その極みが1977年にリリースされる次のスタジオ・アルバム『Aja』だが、この2枚のアルバムの間にある『The Royal Scam』は、意外と見過ごされているアルバムにも思える。
名盤としての位置を『Aja』は築いているが、その1つ前の『The Royal Scam』は、Steely Dan が好きな方に『Aja』よりも評判のいいアルバムでもあるようだ。
『Aja』よりギターの音がメインで、ロック (かつ、ポップ) な曲が多い『The Royal Scam』。このアルバムのジャケットも『Katy Lied』のキリギリスのアップと同じく、一見すると Steely Dan のアルバムと気付かないデザインだ。
高層ビルの頂上にある牙を向いた爬虫類のような頭部の悪夢に魘されているニューヨーカー (?) にも見えるジャケットは、ファッション・モデルを起用して洗練されたデザインの『Aja』と比べて、とても奇妙。これも『The Royal Scam』が今ひとつ隠れた存在の理由のひとつかも…?
『The Royal Scam』にある9曲にはギターやピアノの軽快なソロ・パートがあり、それが難解な Steely Dan の曲を、ちょっとだけ聴きやすい存在にしてくれているようにも感じる。
そのソロ・プレイで一番活躍しているのが Larry Carlton で、前作『Katy Lied』では一曲だけの参加だったが、『The Royal Scam』では『Kid Charlemagne』『Don't Take Me Alive』『Everything You Did』、そしてタイトル曲の『The Royal Scam』と半数近い4曲でソロ・プレイを任されている。
他に、このアルバムでギター・ソロを披露したのは1972年のデビュー盤『Can't Buy A Thrill』からの2ndシングル『Reelin' In The Years』で既にその名前を響かせていた Elliott Randall が『Sign In Stranger』で。また『Can't Buy A Thrill』以来のオリジナル・メンバー Denny Dias は『Green Earrings』で Elliott Randall とギター・ソロを分けあっていた。
『Haitian Divorce』でトーキング・モジュレーターを使ったギター・ソロを弾いているのは『Katy Lied』の『Rose Darling』でソロ・プレイを任された Dean Parks だった。
そして Walter Becker も自ら、A面最後の曲『The Fez』でギター・ソロを披露していた。
ベースを Chuck Rainey、ドラムは Bernard Purdie と Rick Marotta のふたりで固定し、そこに華やかにホーンや女性コーラスが加わっているものの、曲の中核では手練ミュージシャンによるソロ・プレイのおかげで、よりロックな存在となっている『The Royal Scam』。次作『Aja』の成功に隠れがちなアルバムだが、より洗練される前の Steely Dan が聴ける、これもまたいいアルバムだ。
The Royal Scam
【SIDE A】
Kid Charlemagne
The Caves Of Altamira
Don't Take Me Alive
Sign In Stranger
The Fez
【SIDE B】
Green Earrings
Haitian Divorce
Everything You Did
The Royal Scam
前年の1975年リリースの『Katy Lied』から、曲によって外部ミュージシャンをより使い分けるようになった Donald Fagen と Walter Becker のふたりとプロデューサーの Gary Katz。その極みが1977年にリリースされる次のスタジオ・アルバム『Aja』だが、この2枚のアルバムの間にある『The Royal Scam』は、意外と見過ごされているアルバムにも思える。
名盤としての位置を『Aja』は築いているが、その1つ前の『The Royal Scam』は、Steely Dan が好きな方に『Aja』よりも評判のいいアルバムでもあるようだ。
『Aja』よりギターの音がメインで、ロック (かつ、ポップ) な曲が多い『The Royal Scam』。このアルバムのジャケットも『Katy Lied』のキリギリスのアップと同じく、一見すると Steely Dan のアルバムと気付かないデザインだ。
高層ビルの頂上にある牙を向いた爬虫類のような頭部の悪夢に魘されているニューヨーカー (?) にも見えるジャケットは、ファッション・モデルを起用して洗練されたデザインの『Aja』と比べて、とても奇妙。これも『The Royal Scam』が今ひとつ隠れた存在の理由のひとつかも…?
『The Royal Scam』にある9曲にはギターやピアノの軽快なソロ・パートがあり、それが難解な Steely Dan の曲を、ちょっとだけ聴きやすい存在にしてくれているようにも感じる。
そのソロ・プレイで一番活躍しているのが Larry Carlton で、前作『Katy Lied』では一曲だけの参加だったが、『The Royal Scam』では『Kid Charlemagne』『Don't Take Me Alive』『Everything You Did』、そしてタイトル曲の『The Royal Scam』と半数近い4曲でソロ・プレイを任されている。
他に、このアルバムでギター・ソロを披露したのは1972年のデビュー盤『Can't Buy A Thrill』からの2ndシングル『Reelin' In The Years』で既にその名前を響かせていた Elliott Randall が『Sign In Stranger』で。また『Can't Buy A Thrill』以来のオリジナル・メンバー Denny Dias は『Green Earrings』で Elliott Randall とギター・ソロを分けあっていた。
『Haitian Divorce』でトーキング・モジュレーターを使ったギター・ソロを弾いているのは『Katy Lied』の『Rose Darling』でソロ・プレイを任された Dean Parks だった。
そして Walter Becker も自ら、A面最後の曲『The Fez』でギター・ソロを披露していた。
ベースを Chuck Rainey、ドラムは Bernard Purdie と Rick Marotta のふたりで固定し、そこに華やかにホーンや女性コーラスが加わっているものの、曲の中核では手練ミュージシャンによるソロ・プレイのおかげで、よりロックな存在となっている『The Royal Scam』。次作『Aja』の成功に隠れがちなアルバムだが、より洗練される前の Steely Dan が聴ける、これもまたいいアルバムだ。
The Royal Scam
【SIDE A】
Kid Charlemagne
The Caves Of Altamira
Don't Take Me Alive
Sign In Stranger
The Fez
【SIDE B】
Green Earrings
Haitian Divorce
Everything You Did
The Royal Scam
タグ:Steely Dan 1976
2012-09-23 19:09
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