Sheena Easton／『You Could Have Been With Me』

1981年の年明け早々にリリースされたデビュー盤『Take My Time』に続き、同じ年の秋にリリースされた2ndアルバムの『You Could Have Been With Me』も、翌1982年リリースの3rdアルバム『Madness, Money And Music』との2枚組で今回リイシューされた。

ここ数日に紹介した Sheena のスタジオ・アルバム同様、この『You Could Have Been With Me』もまた、長い間、廃盤状態が続き CD でも聴くことのできなかったアルバム。最新のリマスターなど行われていないようだが、このアルバムも約30年ぶりに LP 時代に聴いていた曲順で聴き、懐かしい思いに浸っている。

『You Could Have Been With Me』は当時、アメリカでのリリースに際し、デビュー盤にあった『When He Shines』が全米チャートで最高30位を記録したこともあって収録されたが、その代わりに『Isn't It So』がアメリカ版からは漏れてしまった。

2000年に『You Could Have Been With Me』は One Way Records から、その他のスタジオ・アルバムと共にリイシューされ、アメリカ版を元にした10曲以外にボーナス曲として『Isn't It So』、007 映画『For Your Eyes Only』のタイトル曲、そして、やはりデビュー盤にあった『No-One Ever Knows』の3曲が追加されていた。

しかし、今回の edsel からのリイシューでは収録状況に少し違いがあり、アルバムの収録曲はイギリス版に準拠。その最後に当時のアメリカ版にあった『When He Shines』が追加され、以降がボーナス曲扱いで『For Your Eyes Only』『No-One Ever Knows』に加え、当時のシングルB面でしか聴くことのできなかった『Family Of One』と『Right Or Wrong』の2曲が新たに加えられた。(ひょっとして、この新たに追加された2曲は初 CD 化…?)

この2ndアルバムからはポップな『Just Another Broken Heart』と、タイトル曲でスローな『You Could Have Been With Me』の2曲が英米でシングル・カットされたが、日本では『A Little Tenderness』もシングル・カットされ、タイアップ企業の CM がテレビでも頻繁にオンエアされていたので、アルバムを代表する曲と言えば『A Little Tenderness』が、より印象深い。

全米シングル・チャートでは『You Could Have Been With Me』が最高15位を記録し、全英チャートでは『Just Another Broken Heart』が最高33位と、まずまずの結果。アルバムとしては英米それぞれで最高33位と47位。アメリカではデビュー盤に続き、ゴールド・ディスクを獲得した。

この3曲の印象が強い Sheena の2ndアルバムだが、他にも『Savoir Faire (He's Got)』『Isn't It So』などで Sheena の力強いボーカルが聴ける。1981年のオリジナル・リリース時にアメリカ版から『Isn't It So』が漏れてしまったのは、とてももったいないことだったと、改めて思った。

また、アメリカ版では『Savoir Faire (He's Got)』とタイトル曲の順番が入れ替わってリリースもされていた。この辺の収録状況を見ると、当時は1980年代だったとはいえ、英米のそれぞれの実際のマーケットを意識したレーベル側の思惑が、デビューしたばかりの新人の意向より強い時代だった。

You Could Have Been With Me
A Little Tenderness
Savoir Faire (He's Got)
Just Another Broken Heart
I'm Not Worth The Hurt
You Could Have Been With Me
A Letter From Joey
Telephone Lines
Johnny
Trouble In The Shadows
Isn't It So
When He Shines
【Bonus Tracks】
For Your Eyes Only
No-One Ever Knows
Family Of One
Right Or Wrong

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