Led Zeppelin／『CODA』

2013年の年明けから振り返ってきた Led Zeppelin のスタジオ・アルバムも、この1982年暮れにリリースされた通算9枚目にして最後のスタジオ・アルバム『CODA』で終わり。

だが、1曲目の『We're Gonna Groove』と3曲目の『I Can't Quit You Baby』はロンドンでのライブ音源というクレジットもあるから『CODA』をスタジオ・アルバムと括ってしまっていいのか? と、熱心な Led Zeppelin のファンは異議を唱えるかもしれない。

1980年9月25日にドラマーの John Bonham が突然亡くなってから、2年後の1982年にリリースされた『CODA』にある8曲は、それぞれのレコーディング時期がバラバラで、古くは前述2曲の1970年。最も新しい曲はスタジオ・アルバム『In Through The Out Door』がレコーディングされた1978年となっている。

『CODA』のジャケット・デザインを手掛けたのは、Led Zeppelin のアルバムでお馴染みの Hipgnosis。1974年に自身のレーベル Swan Song を起した際の契約枚数を消化するため、もう一枚のアルバムが必要だったことから作られたとも言われる『CODA』は、邦題に『最終楽章』と付けられたことからも Led Zeppelin の最後を飾るにふさわしいアルバムと呼んでいいかもしれない。

『In Through The Out Door』のレコーディング以外に、『III』や『Houses Of The Holy』のレコーディング時の音源も含む『CODA』に寄せ集め的な印象はどうしても拭えないが、それでも英米のアルバム・チャートで最高6位と4位を記録。アメリカではセールスが100万枚のプラティナ・アルバムにも認定された。

1982年のオリジナル盤では全8曲、約30分強の短いアルバムだった『CODA』は、1993年にリマスター盤がリイシューされた際に約20分にわたる4曲がボーナス・トラックとして追加された。

この4曲は1990年代にリリースされた Led Zeppelin のボックス・セットにのみ収録されていた曲で、そのボックス・セットでしか聴けない曲だったが、それらがまとめて、このリイシュー版での『CODA』で聴けるようになった。

Ben E. King らが曲のライターにある『We're Gonna Groove』は個人的にこの『CODA』でお気に入りな曲のひとつ。Led Zeppelin の曲に多くある長尺な曲は『CODA』のオリジナル版8曲には1つもなく、意外に聴きやすいアルバムだった。

純粋にハード・ロックというカテゴリーのスタジオ・アルバムは『Presence』しかないと個人的に思っている Led Zeppelin。この最後のスタジオ・アルバム『CODA』には『In Through The Out Door』の頃の未発表曲が数曲あり、1980年代に Led Zeppelin が存在していたら、もしかしたらハード・ロックとは違うジャンルに進んでいた…? なんてことを考えてしまうラスト・アルバムだった。

CODA
【SIDE ONE】
We're Gonna Groove (recorded on Jan 9, 1970)
Poor Tom (recorded on May 6, 1970)
I Can't Quit You Baby (recorded on Sep 1, 1970)
Walter's Walk (recorded on May 15, 1972)
【SIDE TWO】
Ozone Baby (recorded on Nov 14, 1978)
Darlene (recorded on Nov 16, 1978)
Bonzo's Montreaux (recorded on Dec 9, 1976)
Wearing And Tearing (recorded on Nov 21, 1978)
【CD Bonus Tracks】
Baby Come Home
Traveling Riverside Blues
White Summer / Black Mountain Side
Hey Hey What Can I Do

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