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The Towering Inferno [いろいろと…]

TheToweringInferno.jpg今回は久々に純粋に映画の話。この『The Towering Inferno』という1974年に公開されたアメリカ映画も先日、スカパー! の映画専門チャンネルであるムービープラスで観た。

パニック映画といえば、この『The Towering Inferno』が地上を舞台にした内容で最も有名な映画ではないだろうか。一方、海を舞台にしたパニック映画であれば、同じプロデューサー Irwin Allen の手掛けた1972年の映画『The Poseidon Adventure』が挙げられるだろう。

この2本はともに当時、クリスマス時期に公開されたが、『The Poseidon Adventure』からわずか2年後に、再び豪華キャストによる、それも同じパニック映画というジャンルの大作『The Towering Inferno』が作られたことにも驚かされる。

主演は Paul Newman と Steve McQueen という、これもまた、当時のふたりの人気を考えると信じられない組み合わせ。ここに William Holden や Faye Dunaway という名優、女優が続き、この4人だけでも「超」が付く豪華キャストだが、さらに Fred Astaire、Jennifer Jones、Robert Vaughn、Robert Wagner といったスター俳優が、その脇を固める。

その豪華さは、この映画のポスターでも十二分に伝わってきた。

映画本編のタイトル『The Towering Inferno』の文字より、Paul Newman と Steve McQueen の顔のアップが大きいのも特徴だが、この微妙に上下がずれた顔写真の配置や、Steve McQueen が左で Paul Newman が右という位置も、当時、このふたりの間で相当揉めた後の妥協案だったようだ。ふたりのどちらが格上に見えるとか、目線の動きで、どちらの名前が先に目に入るかなど、いろいろな思惑が考慮された末、この位置にふたりの画像が収まったといわれている。

そして、このふたりの下、ポスターの最下部には、ふたり以外のキャストが並ぶ。ふつうの映画であれば、この中のひとりをメインに据えて一本の映画ができてしまうようなラインアップだった。

その豪華キャストが登場する『The Towering Inferno』は、サンフランシスコに建設された138階の超高層ビル Glass Tower が舞台。竣工パーティが行われる中、81階でボヤが発生。それが徐々に手に負えなくなり、ビルの様々な場所に飛び火。最上階ではボヤが起きたにも関わらず竣工披露パーティが催されるが、次第にその場所も危険な状況に変化し、そこからの脱出があの手この手の方法で繰り広げられる。

Paul Newman はこの Glass Tower を設計した建築士。そして Steve McQueen は、この史上最大の火災に挑む消防士のチーフを演じた。

このふたりがともに同じシーンに出ているだけでもため息が出てしまうが、それぞれが主役となった見どころが随所にあり、2時間45分という約3時間近い映画は、その長さを感じることなく、クライマックスまでずっと、その画面に釘付けだった。

当時としては異例ずくめの『The Towering Inferno』は、『The Tower』と『The Glass Inferno』という2冊が原作。そして、プロデューサーの Irwin Allen はアクション・シーンの監督も兼務し、この桁外れのパニック映画の配給は当時の 20世紀FOX と Warner Bros という2大配給会社が担当するという、ここでも異例な扱いだった。

『The Towering Inferno』は第47回 Academy 賞で Best Cinematography、Best Film Editing に選ばれ、劇中歌の『We May Never Love Like This Again』は同賞で Best Original Song に選出された。

また、同じ年の Golden Globe 賞では Fred Astaire が Best Supporting Actor に、Susan Flannery が New Star Of The Year に選出された。

本当に久しぶりに観た『The Towering Inferno』。長丁場を感じさせないその脚本も見事だった。そして、今ほど CG という技術がない中、動きが予測できない炎を巧みに操った当時の映像技術は今、観ても圧巻だった。
タグ:映画 1974


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コメント 2

mangohboy

この映画シビれましたね!
自分もDVDを買ってまで観る映画はそんなに無いですがコレは商品化された早い時期に素早く入手した覚えがあります。
現在のCG映像に比べるとスペクタクル部分の素朴さは否めないですけどこの豪華キャストだけは現在絶対再現できないものですからね!公開当時、少年マガジン(多分)の巻頭カラーで大特集されるなど日本でも相当プッシュされてた気がします。
by mangohboy (2013-05-04 10:42) 

MCMLXV_65

mangohboyさんも、この映画には思い入れがたっぷりあるようですね!

今、この映画をリメイクすれば、それなりのCGで迫力は増すかもしれませんが、演じる側の俳優、女優陣に、これだけの豪華なラインアップを期待できるかは微妙でしょうね。そして、約3時間近くの長丁場を退屈させない脚本も用意できるか? そういうことを考えると、二度と実現しない豪華プロジェクトだったと思います!
by MCMLXV_65 (2013-05-04 12:06) 

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