Vanessa Paradis／『Divinidylle Tour』

フランスのパリ郊外、サン・モール・デ・フォッセ出身の Vanessa Paradis の曲が初めて気になったのは、1992年秋にリリースされた、Lenny Kravitz がプロデュースしたスタジオ・アルバム『Vanessa Paradis』が最初だった。

この中にある『Be My Baby』が全英チャートで最高6位を記録し、その舌っ足らずなボーカルに、すっかり魅了されてしまった。

以来、スタジオ・アルバムはもちろん、ライブ盤もリリースされると手に入れるようになり、今回紹介のライブ盤『Divinidylle Tour』は2007年秋のスタジオ・アルバム『Divinidylle』リリース後に行われたステージの模様を収めたライブ盤だった。

Vanessa のアルバムは以前はふつうの装丁でリリースされていたが、『Divinidylle』から特殊装丁のいわゆる Deluxe Edition が同時リリースされるようになり、それは今月末にリリース予定の最新作『Love Songs』でも同様。そして、このライブ盤も黒地に金で装飾されたブックレット仕様の限定盤だった。

この限定盤には20曲入りの通常版のライブを収めた CD に、PAL 仕様の DVD が付属。そして100ページに及ぶブックレットにあるページの周囲は金色で縁取られた、手の凝んだつくりだった。

『Divinidylle』からの曲はライブの冒頭や、アンコールの中、そしてライブ本編と万遍なく散りばめられ、それ以前のヒット曲と織り交ぜたステージ構成だったが、当時の最新アルバム『Divinidylle』にある11曲は全て、このライブ盤に収録され、Vanessa の最新作に対する自信が、ここにあるライブ・テイクから十分伝わってきた。

過去のヒット曲でファンが盛り上がるのは当然としても、最新作からの曲でもそれは全く劣らず、ライブ本編の最後にプレイされた最新作からの『Dès Que J'te Vois』でのファンとの掛け合いは本当に楽しそうな雰囲気が CD を通しても伝わってきた。

Vanessa のライブは、この前後に何枚かあり、この前のライブ盤『Au Zenith』はスタジオ・アルバム『bliss』リリース後のライブ盤。2010年リリースの『Une nuit à Versailles』はベスト盤『Best Of』リリース後にベルサイユ宮殿で行われたライブ盤だった。

『Une nuit à Versailles』がちょっと厳かな雰囲気の中、行われたライブだったので、ファンの歓声が飛び交う普段のライブを収めた『Divinidylle Tour』は、Vanessa のファンの盛り上がりぶりが伝わる、現時点で最も新しいライブ盤といえるだろう。

Divinidylle Tour
Irrésistiblement
Divine Idylle
Les Piles
Be My Baby
Dis-Lui Toi Que Je T'Aime
Que Fait La Vie
La Mélodie
Junior Suite
Varvara Pavlovna
Pourtant
La Bataille
Joe Le Taxi
Emmenez-Moi
L'Incendie
Les Revenants
Chet Baker
Dès Que J'Te Vois
Saint Germain
Jackadi
Le Tourbillon

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