The Style Council／『Our Favourite Shop』

1985年にリリースされたThe Style Councilの2ndアルバム『Our Favourite Shop』は、最後に収められた『Walls Come Tumbling Down』がきっかけで、聴くことになったアルバムだ。

The Style Councilの名前は、この前の年にリリースされたシングルの『My Ever Changing Moods』で聞いていて、その後もバラードの『You're The Best Thing』、ストリングスで始まるイントロが好きな『Shout To The Top!』のヒットで馴染みになっていた。

そんな折に『Walls Come Tumbling Down』がまたチャートを賑わせ、辛辣な内容の歌詞とは知らずに、ジャズやソウルの雰囲気を含んだThe Style Councilの軽やかなサウンドに惹かれ、この『Our Favourite Shop』も購入した。

この頃は、英国勢が全米チャートに次々と顔を出し、The Style Councilもその中のひとつという感じだった。『Our Favourite Shop』の持つ雰囲気や、過去のシングルが気に入り、前作の『Café Bleu』も聴くようになった。

Mick Talbotの弾くキーボードの音はそれまでに聴いたことのない響きがあったし、時折入るホーン・セクションもそれまでに聴いていた音楽とは明らかに違ったもので、それまでに聴いていたギターがメインの音楽とは明らかに異なるサウンドだった。

もちろん、『Our Favourite Shop』にもロックな曲として『Internationalists』があるが、この曲でもMick Talbotの弾くキーボードがギターに代わり途中でソロ・パートをとったりと、今までにない新鮮な感じがあった。

『A Stones Throw Away』は、The Beatlesを生んだ英国ならではのサウンドだとも感じたし、『The Stand Up Comics Instructions』ではラップの要素も含んでいる。

『Our Favourite Shop』からは『Walls Come Tumbling Down』以外にも『Come To Milton Keynes』、『The Lodgers』、『Boy Who Cried Wolf』のシングル・ヒットも生まれた。

この頃、The Style Councilの来日公演があったが、その会場はなんと両国国技館だった。場内の天井近くに力士の肖像画が掲げられる中でのコンサートは複雑な感じだったが、始まってしまえばPaul Wellerの熱いボーカルや、Mick Talbotのアドリブがたくさん入ったキーボード・ソロなど、見せ場がたくさんあったコンサートだった。

以降、The Style Councilは新作を追いかけ、解散後はPaul Wellerの活動に注目、そこから時代を溯るようにThe Jamの時代も体験した。今、考えると、Paul Wellerの音楽に触れる機会となったのが、この『Our Favourite Shop』の頃だった。

その『Our Favourite Shop』は、デラックス・エディションとして23曲を追加した2枚組みがリリースされている。当初の14曲のみで構成された『Our Favourite Shop』がお勧めだが、デラックス・エディションにはこの頃のライブ音源や、アレンジがシンプルなデモ音源、別バージョンなどが含まれているので、The Style Councilが好きなファンにはこちらがお買い得だろう。

『Our Favourite Shop』
Homebreakers
All Gone Away
Come To Milton Keynes
Internationalists
A Stones Throw Away
The Stand Up Comics Instructions
Boy Who Cried Wolf
A Man Of Great Promise
Down In The Seine
The Lodgers (or She Was Only A Shopkeeper's Daughter)
Luck
With Everything To Lose
Our Favourite Shop
Walls Come Tumbling Down

タグ：The Style Council 1985 Paul Weller