Tom Tom Club／『Tom Tom Club』

Talking Headsでベース担当のTina WeymouthとドラマーでTinaの夫でもあるChris Frantzが中心になったTalking Headsのサイド・プロジェクト的なバンドがTom Tom Clubで、1981年にリリースしたセルフ・タイトル・アルバムが今回紹介の『Tom Tom Club』になる。

このTom Tom Clubには上記のふたり以外に、バハマの首都ナッソーにあるCompass Point Studiosのエンジニアや、Tinaの妹、1981年当時はKing CrimsonにいたAdrian Belewも参加している。

今回ようやく手元に届いたこの『Tom Tom Club』のDeluxe Editionには、ボーナス・トラックとして5曲が追加収録され、1983年にリリースされた2ndアルバムの『Close To The Bone』も収められている。

1981年当時、邦題を『おしゃべり魔女』とした『Wordy Rappinghood』は、FMの音楽番組でもかなりヒットし、思わず口ずさんでしまう特徴あるメロディは強烈に耳に残り、全英シングル・チャートでも『Wordy Rappinghood』は7位を記録している。

次のシングル『Genius Of Love』は、1995年にMariah Careyが『Fantasy』でサンプリングをしても有名になったが、この曲もヘタウマ感が漂うメロディが妙に耳に残る存在だった。

最近はSonyのプレイステーション・ポータブルのCMでTom Tom Clubの曲が使われているようで、それもあっての再リリースになったのだろうか? そういう機会でもないと、Tom Tom Clubのようなちょっと異色なバンドが再び脚光を浴びることも少ないので、今回の再発は素直に嬉しい!

1982年にシングルとして発表されたThe Driftersのカバー曲である『Under The Boardwalk』も今回の再発ではボーナス曲として追加収録され、こちらもTom Tom Clubの特徴あるユルユル感が、The Driftersのオリジナルより好きだったりする。

思えばこのアルバムが発表された1981年頃は、いろいろな洋楽を聞きかじっていた頃。そのときにこんな異色なサウンド満載のTom Tom Clubに触れてしまったのだから、強烈な印象が残らないはずがない。なんとなくジメっとしたこの時期に、Tom Tom Clubのようなユルユル感は、また妙に心地良かったりもする。

『Tom Tom Club』
Wordy Rappinghood
Genius Of Love
Tom Tom Theme
L'Elephant
As Above, So Below
Lorelei
On, On, On On...
Booming And Zooming
【ボーナス・トラック】
Under The Boardwalk
On On On On...
Lorelei
Spooks
Elephant
(You Don't Stop) Wordy Rappinghood

タグ：Tom Tom Club 1981