Roxy Music／『Avalon』

1982年にリリースされたRoxy Musicのラスト・アルバム『Avalon』は、当時、音の解像度が高いアルバムとしても有名だった。この『Avalon』も、以前紹介したTom Tom Clubのデビュー盤と同じ、バハマのCompass Point Studioでレコーディングされている。

リード・シングルで全英チャートで6位にランクされた『More Than This』と、2ndシングルになったアルバム・タイトルの『Avalon』の、何ともいえないフワフワ感は、このアルバムを余計気にさせる存在に押し上げてくれた。

1982年当時は『Avalon』までRoxy Musicを聴いたことがなく、これ以降のBryan Ferryの活動に注目するようになってから、機会があればRoxy Musicの過去のアルバムも聴いてみたいと思うようになった。

しかし、この『Avalon』で目立ったのはRoxy Musicというバンドが奏でるサウンドより、Bryan Ferryのボーカルだった。先の2枚のシングルで聴かせるボーカルでもBryan Ferryの声が曲に魅力を与えていたし、『While My Heart Is Still Beating』でのBryan Ferryも妖しげな雰囲気が満載だ。

一応、Roxy Music名義の『Avalon』だが、Roxy Musicの過去の変遷を知らなかった当時は、この後に行なわれたBryan Ferryのソロ活動を通じて『Avalon』もBryan Ferryのアルバムのように思えてしまった。

なお、1989年に『Rolling Stone』誌が発表した1980年代のアルバムTop100で『Avalon』は31位にランクされ、2003年に同誌が発表した歴代アルバムTop500では307位にランクされている。

こういう評価があってからではないが、音の良いアルバムとして、たまに聴きたくなって引っ張り出してくる『Avalon』。SACDとしてもリリースされていて5.1chのリミックス音源も発表されている。LP時代も音の良さに定評があった『Avalon』なので、そのうち、SACD盤も手に入れて聴いてみたいと思っている。

『Avalon』
More Than This
The Space Between
Avalon
India
While My Heart Is Still Beating
The Main Thing
Take A Chance With Me
To Turn You On
True To Life
Tara

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