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Blondie/『No Exit』 [CD]

iconicon前作『The Hunter』から実に17年ぶりに突然リリースされた Blondie の通算7枚目のスタジオ・アルバム『No Exit』。このアルバムからは先行シングルとして『Maria』がカットされたが、このシングルが意外にも良く、久しぶりのフル・アルバムは当時、大きな期待をして待っていた思いがある。

ボーナス曲の違いで幾つかの仕様が存在する『No Exit』だが、ここに収められた全14曲は17年というブランクを感じさせない1980年前後の Blondie らしいサウンドが詰まっていた。

1曲目の『Screaming Skin』から往年の Blondie が復活したと思わせるメロディが全開で、続く『Forgive And Forget』は Blondie の魅力でもある Debbie Harry の妖しいボーカルがたっぷりと聴ける。

そして、3曲目が1stシングルの『Maria』。これはキーボード担当の Jimmy Destri による曲だが、中盤のサビの部分で聴ける Debbie Harry の低い迫力ある声は1980年代前後の声とは明らかに違うが、それを見事に活かしきった1999年当時らしいサウンドに仕上がっていた。

この久々のシングルはイギリスで Blondie として通算6枚目のNo.1を獲得。1982年の『War Child』以来、久々のシングルとなった『Maria』だが、No.1を獲得したのは1979年の『Heart Of Glass』以来、20年ぶりのことだった。

『No Exit』発表当時の Debbie Harry は53歳、No.1を獲得した最古参女性アーティストという肩書きも同時に手入れてしまい、イギリスでは復活を歓迎された Blondie だったが、アメリカのチャートでは振るわずに最高82位どまりだった。

Blondie 創設時のメンバーである Chris Stein は1980年代中盤に稀な免疫疾患の病気にかかり、それが Blondie の活動休止の原因にもなった。当時、Chris Stein の恋人だった Debbie Harry は病気の治療にも付添った。この二人による曲は『No Exit』でも『Double Take』などの曲で聴くことができる。

サックスが不思議な雰囲気を演出する『Boom Boom In The Zoom Zoom Room』は Debbie Harry のソロともいえる曲だが、この久しぶりの新作『No Exit』は特定のジャンルに括れない多様なサウンドが散りばめられている。『Under The Gun』や『Out In The Streets』も好きな曲だ。

1980年代の公私共に超多忙な時期を過ぎ、メンバーの年齢も熟しきったことで肩の力が抜け、Blondie らしい少し気だるいサウンドがピタリとハマっているようにも『No Exit』では感じる。既にリリースから10年が経った『No Exit』だが、初期のアルバムにも劣らない素晴らしいアルバムだと思う。

『No Exit』
Screaming Skin
Forgive And Forget
Maria
No Exit
Double Take
Nothing Is Real But The Girl
Boom Boom In The Zoom Zoom Room
Night Wind Sent
Under The Gun (For Jeffrey Lee Pierce)
Out In The Streets
Happy Dog (For Caggy)
The Dream's Lost On Me
Divine
Dig Up The Conjo

タグ:1999 Blondie


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