Pearl Jam／『Tokyo Japan March 3rd 2003』

Pearl Jam は2000年の『Binaural』リリースに伴うツアーから Official Bootleg として各地で行なったコンサートのライブ盤を公式サイトを通じてリリースしている。その形態は極めてシンプルで、2枚組み仕様の紙ジャケットにスタンプで各公演地の名称と時期が印刷されているだけ。公演地によって背表紙が色分けされているくらいの装飾しかなく、レーベル面には通算何枚目のライブ盤なのかを示す番号と曲名、バンド名が印刷されているだけだった。

現在も Pearl Jam はこの様な Official Bootleg のリリースを続けていて、バンドの公式サイトを見ると新たな公演地でのライブ盤が続々と追加されている。

今回紹介のライブ盤は、2002年の『Riot Act』リリース後に行なわれた日本公演から3月3日、雛祭りの祝日に武道館で行なわれたコンサートを丸々収録したモノ。この時期の来日公演は仙台、横浜、大阪、名古屋でも行なわれ、Official Bootleg もそれぞれのコンサートが公式サイトから購入できたが、この武道館公演は公式に Epic レーベルからこの年の6月に全世界でも正式リリースされた。

この武道館公演は初めて見た Pearl Jam のコンサートで、しかも武道館のアリーナ席から Pearl Jam の迫力あるプレイを楽しむことができた。時折、Eddie Vedder がおどける仕草ももらさず収録した2枚組みで、丁寧にアンコール・ブレイクも1曲としてカウントされている。

Pearl Jam の Official Bootleg シリーズは2000年の最初のシリーズで各メンバーが推薦するライブ盤を何枚か購入していたが、2回のアンコールを含め約2時間に及ぶコンサートは公演地によってセットリストが変わり、その日に何をプレイするかは当日にならないと分からないという、他のアーティストのコンサートでは滅多に体験できない内容だった。

初体験だった Pearl Jam のコンサートでは本編が18曲、1回目のアンコールで7曲、2回目のアンコールで5曲と、合計全30曲をプレイ。当時の最新作『Riot Act』からも6曲をプレイしてくれた。

現在、Pearl Jam は『Backspacer』リリースに伴うツアーを続けているが、10月最後の4日間にフィラデルフィアで行なわれた公演では、また面白い趣向でファンを楽しませてくれた。この4公演では『Backspacer』からの曲は重複することがあったが、できるだけ多くの曲をプレイすると発表。ヒットした有名な曲がセットリストから落ちたり、最近のコンサートでは滅多に聴くことがないレアな曲がプレイされたりと、かなり凝った選曲が成されたようだ。

フィラデルフィア4日間公演の最終日、31日だけはそれまでの3日間でプレイした曲とかなりダブったようだが、本編が20曲、アンコール第1部で9曲、アンコール第2部で11曲がプレイされた。最後はアメリカ国歌で締め括ったようで、この4日間のライブも当然 Official Bootleg としてリリースされるだろうが、公式なライブ盤としてもリリースが期待される注目の4日間公演だった。

『Tokyo Japan March 3rd 2003』
Release
Can't Keep ※
Even Flow
Save You ※
Hail, Hail
Dissident
Love Boat Captain ※
Elderly Woman Behind the Counter in a Small Town
Given to Fly
Lukin
Not for You
Daughter
You Are ※
I Am Mine ※
Better Man

Corduroy
Do the Evolution
Blood
Encore Break
Bu$hleaguer ※
Know Your Rights
Go
Black
U
Breath
Rearviewmirror
Encore Break
Don't Be Shy
Soon Forget
Last Kiss
Yellow Ledbetter
Alive

※:『Riot Act』収録曲

タグ：Pearl Jam 2003 ライブ盤