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Paul McCartney & Wings/『Band on the Run』 [CD]

band-on-the-Run.jpgiconGood Evening New York City』の DVD を見て、また聴きたくなって引っ張りだしてきたアルバムが、この Paul McCartney & Wings 名義で1973年にリリースされた名盤『Band on the Run』だ。

このアルバムは Paul のソロとして通算5枚目のアルバム、Wings 名義として通算3枚目のアルバムになるが、The Beatles 解散後のソロ活動で初のビッグ・セールスを記録したアルバムだった。また、私的には1975年にリリースされた『Venus and Mars』とともに Paul のソロ活動時代のベスト盤として双璧を成すアルバムだと思う。

『Band on the Run』は全米アルバム・チャートで3度 No.1 の座につき、全英アルバム・チャートでも約2か月にわたり No.1 の座を獲得した。

また、この『Band on the Run』からは3枚のシングルがカットされた。1973年12月のアルバム・リリースに先行するかたちでまず『Helen Wheels』がアメリカで10月に、イギリスで11月にリリースされ、アメリカでは Billboard 誌の Hot100 で最高10位にランクされた。

年が明けた1974年、『Band on the Run』から2ndシングルとして『Jet』が『Let Me Roll It』とのカップリングでシングル・カットされ、この『Jet』もアメリカでヒットを記録し、Billboard 誌の Hot100 で『Helen Wheels』を上回る最高7位を記録した。

そしてタイトル曲『Band on the Run』が3rdシングルとしてリリース。イギリスではアルバム未収録曲『Zoo Gang』を、アメリカでは『Nineteen Hundred and Eighty Five』をカップリングにしてリリースされた『Band on the Run』は3つのパートに分かれた5分を超える大作だったが、アメリカでは Billboard 誌の Hot100 で見事 No.1 の座を獲得。Paul のソロ活動では前作『Red Rose Speedway』からのシングル『My Love』に続く3曲目の No.1 シングルになった。

前作『Red Rose Speedway』と 007 映画のタイトル曲『Live And Let Die』のヒットを受け、『Band on the Run』の制作をナイジェリアのラゴスにあるスタジオで行なうことを決めた Paul だったが、渡航直前にドラマーの Denny Seiwell とギタリストの Henry McCullough がバンドから脱退。バンドに残った Paul と妻の Linda、そして Wings 結成時からのメンバー Denny Laine の3人がラゴス入りして『Band on the Run』のベース・トラックを録音した。

その後、ロンドンに戻った Paul たちはオーケストラとパーカッション、Howie Casey のサックスをオーバーダビングして『Band on the Run』を完成させた。

『Band on the Run』では前作『Red Rose Speedway』で使用されたムーグが、タイトル曲とアルバムの最後を飾る『Nineteen Hundred and Eighty Five』で、その効果が大いに発揮されている。

またムーグ同様『Band on the Run』のサウンドで特徴的なのが『Bluebird』や『Mrs. Vandebilt』で聴ける Howie Casey のサックスで、ギター・ソロなどとは一味違う印象を与えている。

二人のメンバーが直前に脱退するというトラブルに見舞われた『Band on the Run』だが、1975年に発表された Grammy 賞ではエンジニアを務めた Geoff Emerick が Best Engineered Recording(Non-Classical)部門に選出され、また同じ Grammy で『Band on the Run』は Best Pop Vocal Performance by a Duo, Group or Chorus に選出された。

いい曲がたくさん詰まっている『Band on the Run』は、そのジャケットも豪華なつくりで、Paul、Linda、Denny の3人のメンバー以外に6人の著名人を起用し、その収録風景を収録したビデオは Paul のライブでもよく使われている。このジャケットに登場する俳優の Christopher Lee と James Coburn は日本でも映画を通してよく知られた存在だろう。

今、Paul のソロ時代のアルバムは Wings 時代も含めて意外と入手しにくい状況にある。ジャケットが LP 時代のオリジナルではなかったり、使われている音源がかなり古かったりと、1970年代以降から現在に到るまで、CD としての状況は様々だ。ここら辺の事情を今年の秋にリリースされた The Beatles のリマスター盤のように一度整理してくれるとファンとしても嬉しいのだが…。

『Band on the Run』
Band on the Run
Jet
Bluebird
Mrs. Vandebilt
Let Me Roll It
Mamunia
No Words
Helen Wheels
Picasso's Last Words (Drink to Me)
Nineteen Hundred and Eighty Five
※:アメリカ盤『Band on the Run』収録



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