Wings／『Wings Over Los Angeles』

このブログで久しぶりに取り上げるブートレグ(海賊盤)は、Wings の1976年のツアー Wings Over America 最終公演地 Los Angeles の The Forum で行われたライブの模様を収めた2枚組のライブ盤『Wings Over Los Angeles』だ。

曲順は Wings の公式ライブ『Wings Over America』を全く同じ。音源はそのほとんどが The Forum からのものだが、『Beware My Love』から『Band on the Run』までの3曲だけが Seattle の Kingdome で行われたライブ音源と差し替えられている。

オリジナルの『Wings Over America』がリリースされるきっかけにもなった The Forum でのライブ音源を収録したブートレグだけあり、そのクリア度は折り紙付きのクォリティ。ジャケット上部に『Original Soundboard Recording』との表示もあり、これをオフィシャルと言われて差し出されても疑われないような高音質だ。

ジャケットには Wings のロゴが大々的にフューチャーされ、タイトル下にはステージ上の Wings のメンバーが写っている。Wings のロゴがジャケットにこれだけ大きくあるのは、Wings 名義のオリジナル盤でもなかったことだ。

オリジナルの『Wings Over America』ではそのほとんどがカットされてしまった MC も、この『Wings Over Los Angeles』では収録されている。やや、ファンの歓声が小さめかもしれないが、それもほとんど気にならないレベルだ。

ミックスで時々ボーカルの位置が左右にブレてしまうことがあるが、ブートレグであることを思えばそれにも納得。逆にオフィシャル盤でこんなことがあると、クレームものだが…。

オフィシャルの『Wings Over America』は1980年の Wings 来日に向け、当時大枚を叩いて3枚組の LP を購入してよく聴いたものだった。それだけに、このアルバムに収められた曲にはとても大きな思い出があり、この『Wings Over America』から Wings の過去のアルバムを遡って聴いていった。

1976年の5月から行われた Wings Over America ツアーの最終公演地でのライブだけあって、演奏面でのミスはほとんどない。前年の9月から続く長いツアーの総仕上げとあって、メンバーのプレイには充実感が漲っている。

日本では結局 Wings としてのライブは一度も実現しなかったが、音源としては公式に『Wings Over America』があり、ブートレグでは以前紹介した『Last Flight - The Complete 1979 Glasgow Concert』や今回紹介の『Wings Over Los Angeles』が高音質な盤として有名だ。しかし、映像としては映画版の『Rock Show』くらいしかない。『Rock Show』も最新の技術で映像をレストアして、音も最新のサラウンド・ミックスでぜひ聴きたいものだ。

『Wings Over Los Angeles』
Venus and Mars/Rock Show/Jet
Let Me Roll It
Spirits of Ancient Egypt
Medicine Jar
Maybe I'm Amazed
Call Me Back Again
Lady Madonna
The Long and Winding Road
Live and Let Die
Picasso's Last Words (Drink to Me)
Richard Cory
Bluebird
I've Just Seen a Face
Blackbird
Yesterday
You Gave Me the Answer
Magneto and Titanium Man
Go Now
My Love
Listen to What the Man Said
Let 'Em In
Time to Hide
Silly Love Songs
Beware My Love
Letting Go
Band on the Run
Hi Hi Hi
Soily

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