Paul McCartney／『Tripping The Live Fantastic』

20年前の1990年に初来日を果たしたアーティストは昨日紹介した The Rolling Stones だけでなく、Paul McCartney もようやくソロとしての初来日を果たした。

その Paul McCartney のソロ公演は東京ドームで行われ、幸運にも初日のアリーナのチケットが取れた。フィールド中央辺りの席だったが、ステージ全景が見渡せて両脇の大きなスクリーンも同時に楽しめる点では、まぁまぁ良い席だった。

このワールド・ツアーの模様を収めた2枚組のライブ盤『Tripping The Live Fantastic』が、この年の暮れにリリースされ、日本公演からも『Coming Up』などの数曲がこの2枚組に収められている。

日本公演もこのライブ盤とほぼ同じ曲順で構成され、ライブ盤として良く聴いた『Wings Over America』で冒頭に収録された『Jet』が初の日本公演でも序盤にプレイされたときは涙が流れるほど嬉しかった。「こんなシーンが本当に見られるとは…」という思いだった。

コンサート序盤は前年にリリースされた『Flowers in the Dirt』からの曲が多くプレイされ、久々に充実したアルバムであることを実証。その合間に Wings 時代の曲やソロ時代の曲、そして The Beatles 時代の曲が散りばめられていた。この頃のライブは今ほど The Beatles の曲に偏っていなかった時期でもあった。

だが後半に入ると The Beatles 時代の曲が満載のライブに変貌。『I Saw Her Standing There』では左右の巨大スクリーンに Paul の全身が映し出されもした。このライブ盤でも2枚目は The Beatles 時代の曲が多いが、ソロ2作目の『McCartney II』に収録の『Coming Up』や、Paul McCartney & Wings 名義のシングル『Live And Let Die』では映画『Rock Show』で見られた派手なマグネシウムの仕掛けも見られた。

後のソロ・コンサートでは『Abbey Road』のメドレーとともにプレイされる『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』も、この当時はセットリストの中盤に組み込まれていた。

アンコールでプレイされた『Abbey Road』メドレーの『The End』ではこの頃のメンバーによるギター・バトルがステージ上で繰り広げられ、それを延々と見続けていたいとも思った。

この『Tripping The Live Fantastic』には当時のツアーでサウンドチェックに使われた曲も含まれ、時々ライブの流れが途切れてしまうのが残念な点だろうか? 2枚組で全37曲というボリューム満点のライブ盤だが、そのダイジェスト版的な『Tripping The Live Fantastic Highlights!』もリリースされている。

『Tripping The Live Fantastic』
【Disc 1】
Showtime
Figure Of Eight
Jet
Rough Ride
Got To Get You Into My Life
Band On The Run
Birthday
Ebony And Ivory
We Got Married
Inner City Madness
Maybe I'm Amazed
The Long And Winding Road
Crackin' Up
The Fool On The Hill
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
Can't Buy Me Love
Matchbox
Put It There
Together
【Disc 2】
Things We Said Today
Eleanor Rigby
This One
My Brave Face
Back In The USSR
I Saw Her Standing There
Twenty Flight Rock
Coming Up
Sally
Let It Be
Ain't That A Shame
Live And Let Die
If I Were Not Upon The Stage
Hey Jude
Yesterday
Get Back
Golden Slumbers/Carry That Weight/The End
Don't Let The Sun Catch You Crying

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