Brian May／『Back To The Light』

Queen のギタリスト、Brian May が1992年にリリースした実質初のソロ・アルバムが、この『Back To The Light』になる。このソロ・アルバムには1980年代後半にまだ Queen として活動していた頃に温めていたアイデアも使われている。

『Back To The Light』から遡ること約10年前の1983年。Brian は Eddie Van Halen ら共に Brian May + Friends 名義で『Star Fleet Project』という3曲入りのミニ・アルバムを発表していたが、本格的なソロ・デビュー盤が、この『Back To The Light』といえるだろう。

このアルバムには Freddie Mercury が亡くなる直前にリリースされたシングル『Driven By You』も含まれている。リリース当時、この曲のイントロ部分で聴ける高音は Freddie の声では…とも言われた。また、1992年4月に開催された Freddie の追悼コンサートで Brian がプレイした『Too Much Love Will Kill You』のスタジオ・バージョンも、このソロ・アルバムで初めて披露された。

この『Back To The Light』には Queen 時代でお馴染みの Brian のギター・プレイがたっぷりと詰まっている。Brian の自家製ギター「レッド・スペシャル」の音色を聴くと、Queen のステージで Brian がギターを爪弾く姿が浮かんでくる。

Queen の曲でも Brian がボーカルをとる曲はあったので、このソロ・アルバムでも Brian のボーカルには何の不安も感じられない。後に Freddie のボーカルとして発表された『Too Much Love Will Kill You』があるが、他にもこのアルバムには Freddie が歌うことを想定して書かれた曲があったかもしれない。

このソロ・アルバムに Queen のメンバーはベースの John Deacon が『Nothin' But Blue』の1曲にだけ参加している。

他の曲では、Rainbow や Whitesnake に在籍していた Cozy Powell がドラマーとして参加。また Whitesnake で Cozy Powell と活動を共にした Neil Murray がベースとして数曲に参加している。このふたりは後に Brian のソロ・ツアーにも帯同し、ライブ盤『Live at the Brixton Academy』でもふたりのプレイを聴くことができる。

『Last Horizon』では Brian の艶やかなソロ・プレイもあり、続く『Let Your Heart Rule Your Head』では Queen の『'39』をも彷彿させる。Queen の活動に終止符が打たれた後にリリースされた Brian のソロ・アルバムだが、Queen として聴きたかった曲も含まれているアルバムだった。

『Back To The Light』
The Dark
Back To The Light
Love Token
Resurrection
Too Much Love Will Kill You
Driven By You
Nothin' But Blue
I'm Scared
Last Horizon
Let Your Heart Rule Your Head
Just One Life
Rollin' Over

タグ：Brian May 1992

コメント 2

フレディの死を必死で乗り越えようとしているブライアンが聴けますね。かなり好きなアルバムです。
でもこの後に出たブリクストン・アカデミーでのライブ盤の方が気に入ってます。
コージーのドラムも最高だし。
いや、最近Rainbow聴くんで、タイムリーでした。
by ryo (2010-02-20 00:03) 

ryoさん、こんばんは。最初のシングルが出てから、なかなか時間がかかったBrian初のソロ・アルバムでしたね。でも、時間を費やした分、なかなかいいアルバムになっていると私も思います。

ドラムもRoger Tayloerとタイプの異なるCozyを起用したことで、Brianらしさを出そうとしたんでしょうか…? 次のライブ盤はQueenのヒット曲もプレイしていて、私も好きな一枚です!
by MCMLXV_65 (2010-02-20 00:13)