Electric Light Orchestra／『Face The Music』

新しい Walkman の NW-A847 に今まで PC で管理していた2万曲以上を転送したので、これまで以上に曲やアルバムが聴きやすくなった。この Electric Light Orchestra (以下、ELO)が1975年にリリースした通算5枚目のアルバム『Face The Music』もそんなもう一度聴いてみたいアルバムのひとつだった。

LP 時代は各サイドに4曲ずつが配された『Face The Music』は、2006年にリマスターされた際に新たに4曲の別テイクが追加収録された。この手のボーナス曲にはあまり関心がないのだが、この『Face The Music』に追加された4曲はどれも単なる別テイクと呼ぶには惜しい曲が揃っていて、この4曲を聴くだけでも『Face The Music』のリマスター盤は価値があった。

話をオリジナルの『Face The Music』に戻すと、このアルバムは ELO が世界的なヒットを記録した初のアルバムともいえる。全米チャートではそれまでの最高位となる8位を記録し、初の Top10 入りを果たしたアルバムだった。しかし、ELO の母国であるイギリスでは、なぜかチャートイン入りを果たせなかった。

シングルは『Evil Woman』と『Strange Magic』の2曲が有名だが、『Nightrider』もシングル・カットされていた。1975年の秋に『Face The Music』からの1stシングルとしてカットされた『Evil Woman』は全米全英チャートで最高10位を記録。双方のチャートで Top10 入りを果たしたシングルはこの『Evil Woman』が初めてだった。

続く『Nightrider』は今改めて聴いても ELO らしい曲で、なかなかの佳曲だと思うのだが、全くチャートに絡まず不発に終わり、そして『Strange Magic』が続く3枚目のシングルに選ばれて全米チャートでは最高14位を、全英チャートでは最高38位をマークした。

ELO のリーダーである Jeff Lynne のポップな面が一気に開花したアルバムでもある『Face The Music』には、テープの逆回転を用いたエフェクトも随所にみられた。ELO サウンドの特徴であるストリングスも大きくフューチャーされているが、当時の LP でB面のトップを飾る『Poker』ではキーボードやボーカルワークも素晴らしく、これも『Face The Music』の隠れた名曲のひとつだ。

そのポップな面と対照的なのが死刑台の椅子がイラストになったジャケットだった。この当時は ELO のシンボルであるスターシップのロゴがない頃だったが、アルバムに収められたポップな曲を感じさせないこのジャケットは全く ELO らしくなかった。

裏ジャケットも ELO のメンバーがガラスに顔を押しつけている様子なのだが、これもまるで死刑台の椅子で行われる行為を先を争って見ようとしているようにも受け取れる。これが英国流の冗談であるのか分からないが、ちょっと不思議なジャケットとしても『Face The Music』は印象的な一枚だった。

Face The Music
Fire On High
Waterfall
Evil Woman
Nightrider
Poker
Strange Magic
Down Home Town
One Summer Dream
【Bonus tracks】
Fire On High Intro (Early Alternative Mix)
Evil Woman (Stripped Down Mix)
Strange Magic (Single Edit)
Waterfall (Instrumental Mix)

タグ：Electric Light Orchestra 1975

コメント 2

俺はOne Summer Dreamが大好きですね。
ELOは全部のアルバムを持ってますが、特に70'sはハズレがありませんね。
俺の中での最高傑作はDiscoveryですね。
by ryo (2010-04-04 15:24) 

ryoさん、コメントありがとうございます! 仰るように『One Summer Dream』も、いい曲ですよね。改めて聴いたアルバムでしたけど、シングルになった曲以外にもいい曲が多くて、あっという間に聴き終えてしまったアルバムでした。Jeff Lynneのポップ・センスには脱帽です。
by MCMLXV_65 (2010-04-04 15:36)