Kylie Minogue／『Fever』

もうすぐ通算11枚目のスタジオ・アルバム『Aphrodite』をリリースする Kylie Minogue が2001年の秋にリリースした『Fever』。前作『Light Years』でイギリスを中心にした欧州圏で見事復活を果たした Kylie は、それからちょうど1年後にリリースした『Fever』で今度はアメリカを含む北米市場でも完全復活を果たした。

『Light Years』も『Spinning Around』や『On A Night Like This』というポップな曲があり好きなアルバムだったが、なぜかアメリカでは全くヒットの兆しがなかった。しかし、この『Fever』からは1stシングルの『Can't Get You Out Of My Head』が全米チャートで最高7位、ダンス・チャートでは見事 No.1 を記録した。

セクシーな魅力を振りまいた PV とともに『Can't Get You Out Of My Head』はイギリスを始めとした欧州圏各国のチャートでも No.1 を獲得。前作『Light Years』で試みた路線変更をさらに推し進めたこの曲で Kylie の人気はアメリカでも確実に受け入れられた。

その後もアメリカでは『Love At First Sight』がダンス・チャートで No.1 を記録。どんどん Kylie が増えていく PV が面白い『Come Into My World』も同チャートで最高20位を記録した。『Come Into My World』の PV は2004年のグラミー賞で Best Dance Recording にも輝いた。

Kylie の母国オーストラリアでも『Fever』からのシングルは軒並みチャートの上位にランクされ、『Can't Get You Out Of My Head』と『In Your Eyes』は No.1 に、『Love At First Sight』は最高3位、『Come Into My World』も最高4位と、出すシングルが全て好調な結果を残した。

ロングセラーを続けた『Fever』はイギリスと母国オーストラリアで No.1 を達成。アメリカではデビュー盤が最高53位を記録して以来となるアルバム・チャートでのランクインを果たし、最高3位にまで上昇した。

耳に残るシングルや曲の多かった『Fever』だが、後になってからそれが納得できる理由も見つけた。というのも、1990年代にソロで活動して多くのヒット・シングルを産んだ Cathy Dennis が、この『Fever』でもライターやプロデューサーとして参加していたからだった。

その Cathy が参加した曲は完全復活を印象付けた1stシングルの『Can't Get You Out Of My Head』、ユニークな PV が印象に残った『Come Into My World』で、他にも『Fragile』という曲でもライターに Cathy の名前があった。

他にもデビュー盤からのプロデューサーである Stock, Aitken & Waterman 時代のイメージを一新し、前作『Light Years』からレーベルも EMI 系列の Parlophone に移籍したことも、2000年代に入ってからの Kylie の活動第2期を大きく支えていた。

『Fever』の収録曲はダンス・チャートも賑わせ多くのリミックス・バージョンも産んだ。ボーナス曲を別ディスクに収録した『Fever』のスペシャル・エディションも異なる仕様が幾つも存在し、ジャケットもオリジナルのマイクを持つ白い衣装の Kylie ではなく、逆行に浮かび上がる Kylie や、バストアップの写真が使われたりもした。

イギリスだけでも200万枚に迫るセールスを記録し、世界中で800万枚の売上げを記録した『Fever』は、北米地域で一番有名な Kylie のアルバムにもなり、2002年の Brit Awards では Best International Album にも選ばれた。

Fever
More More More
Love At First Sight
Can't Get You Out Of My Head
Fever
Give It To Me
Fragile
Come Into My World
In Your Eyes
Dancefloor
Love Affair
Your Love
Burning Up

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