Sheryl Crow／『C'mon C'mon』

2002年に通算4枚目のアルバム『C'mon C'mon』をリリースした Sheryl Crow は、この夏に約2年半ぶりのアルバム『100 Miles from Memphis』をリリースする。この『C'mon C'mon』も前作『The Globe Sessions』から約3年以上の間隔が空いてのリリースだった。

長いことアルバム・リリースの間隔が空いても、その間にいろいろな活動をしている Sheryl Crow なので、そのブランクの長さはあまり感じない。この『C'mon C'mon』リリース後には来日公演も行われ、武道館で初めて Sheryl Crow のライブを見ることもできたので、『C'mon C'mon』にはより一層思い入れも深い。

そして、この武道館公演は後に『Live at Budokan』として日本だけで公式にリリースもされ、その時のライブが永遠に残ることにもなった。そんなこともあって『C'mon C'mon』は Sheryl Crow のアルバムの中ではデビュー盤の『Tuesday Night Music Club』と共に個人的に上位にランクするアルバムでもある。

『C'mon C'mon』には新作『100 Miles from Memphis』でプロデューサーを務めた Doyle Bramhall II が初めて参加し、他にもパーカッションに Lenny Castro、ドラムに Steve Jordan が起用され、ゲスト・ボーカルにはカントリー界から Emmylou Harris や Willie Nelson、ロック界から Lenny Kravitz や Stevie Nicks、そしてオルタナティブ系から Liz Phair と幅広いアーティストが参加していた。

また変わったところでは女優の Gwyneth Paltrow が『It's Only Love』でバック・ボーカルにも参加していた。そして『It's So Easy』では Don Henley が Sheryl Crow とのデュエットも果たしていた。

『C'mon C'mon』はジャケットの雰囲気や、1stシングルになった『Soak Up The Sun』の曲調に表されるような乾いた感じ(?!)の曲が多かった。デビュー盤以降、前作の『The Globe Sessions』までなんとなく方向性を模索していた感じが、この『C'mon C'mon』では目指す方向が1つに定まったようにも感じられた。

1曲目の『Steve McQueen』からお気に入りの曲が並ぶ『C'mon C'mon』は、全米チャートではそれまでの3枚のアルバムを上回る最高2位を記録し、全英チャートでは前作『The Globe Sessions』に並ぶ最高2位を記録した。

『C'mon C'mon』からの1stシングル『Soak Up The Sun』は全米のアダルト・チャートで No.1 を記録し、1994年の『All I Wanna Do』以来となるアメリカでのゴールド・ディスクも獲得した。

『Lucky Kid』のようなライブ映えする曲も多く収められた『C'mon C'mon』は、直後の日本公演でも多くの曲がプレイされ、『Live at Budokan』にも『Steve McQueen』、『C'mon, C'mon』、『Weather Channel』、『Soak Up The Sun』が収録された。

『C'mon C'mon』は『Weather Channel』までの13曲を基本にして、国別に異なるボーナス・トラックが追加され、日本盤は3曲が増えた16曲仕様となっていた。しかし『Weather Channel』で終わりとしたほうが、アルバムとしてのまとまりはあるように感じられた。

C'mon C'mon
Steve McQueen
Soak Up The Sun
You're An Original
Safe And Sound
C'mon, C'mon
It's So Easy
Over You
Lucky Kid
Diamond Road
It's Only Love
Abilene
Hole In My Pocket
Weather Channel

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