Mylène Farmer/『Stade de France』 [DVD]
今年の1月に紹介した Mylène Farmer の通算5枚目のライブ・アルバム『N゚5 on Tour』の映像盤である『Stade de France』を、やっと手に入れた。Mylène Farmer は活動の拠点がフランスなため、先日紹介した『Live A Bercy』の DVD も PAL 形式で日本製 DVD プレイヤーでは通常は見られない。しかし『Stade de France』では NTSC 形式の DVD もリリースされていることを知り、今回はブックレットが付いた限定盤仕様の2枚組を幸運にも手に入れることができた。
『Live A Bercy』のときにも記したが Mylène Farmer のライブは映像もあって初めてその全貌を知ることができる。『N゚5 on Tour』でも会場の雰囲気は掴めたが、『Stade de France』の DVD で見られるステージの巨大さや、各種照明装置の華やかさには、ただただ圧倒されるばかりだった。
会場となった Stade de France はサッカーのフランス代表のホーム・スタジアムで、基本はサッカーの試合に用いられるスタジアム。そのフィールドのゴール・ライン後方にあるスタンドの横幅いっぱいにステージが設営され、ステージに組み上げられた照明もスタジアムの屋根に迫るほどの高さに組み上げられた。
最近のスタジアムではお馴染みのセンター・ステージも、サッカー・フィールドのセンター・サークルの位置に設置され、メイン・ステージからの長い花道がそれを繋いだ。
メイン・ステージの様子は『N゚5 on Tour』の表ジャケットでも窺い知れたが、このジャケットに写る巨大な瞳はコンサートのオープニングに使われた演出で、この瞳が瞬きをするたびに約8万人を収容したスタジアムから『Mylène! Mylène!』のコールが沸き起こり、この瞬間から鳥肌が立ってきた。
コンサートの様子は Madonna を思い描いて頂ければ分かりやすいかと思うが、Madonna のコンサートほどビシっと統制されているわけではない。Mylène Farmer も Madonna とほぼ近い年齢だが、Mylène Farmer にはまだ『Live A Bercy』で魅せていた靭やかな面も健在で、それがまたライブでは重要な要素の1つになっている。
現時点での最新スタジオ・アルバム『Point de Suture』のイメージから、ライブ序盤はステージ全体が『赤』で統一され、最初に見せた衣装はかなりグロい印象もあるが、5回ほどの衣装チェンジでは、曲に合わせたユニセックスな衣装やロング・ドレスも纏っている。
コンサートは1995年にリリースした『Anamorphosée』からの曲がちょうどいいアクセントになっていて、『XXL』はコンサート序盤のハイライトでもあった。『N゚5 on Tour』に収録されなかった『Anamorphosée』からの曲、『California』と『L'Instant X』が『Stade de France』にはしっかり収録され、また、やはり『N゚5 on Tour』で収録が見送られた『Fuck Them All』も『Stade de France』では収録されている。
星型のセンター・ステージでは、ピアノをメインに据えたバラードを中心にプレイされたが、時折、感極まって涙を流すシーンもある。Madonna に例えられる Mylène Farmer だが、こういうシーンを見ると Madonna とは似て非なる存在だと改めて感じる。
感傷的なセンター・ステージ以降は再びメイン・ステージに戻ってアップ・テンポな曲をプレイ。『N゚5 on Tour』にはない『L'Instant X』や『Fuck Them All』でスタジアムの温度はさらに上昇し、最新アルバムからのリード・シングル『Dégénération』でスタジアムに詰めかけたファンの歓声もピークに達する。
『Stade de France』は約2時間20分のコンサート本編を収めた DVD と、舞台裏を解説した約90分の DVD の2枚構成になっている。舞台裏の解説では衣装、照明、音響、ダンス・チーム、会場設営などの面をそれぞれ10~20分の時間をかけて丁寧に解説されているが、全てがフランス語での説明で、英語の字幕もないので細かいニュアンスが分からないのが残念な点だ。
スタジオ・アルバムで聴かせていた高音もライブでは少しも衰えることなく披露し、かなりセクシーな衣装でも『Live A Bercy』の頃とほとんどそのスタイルに変化がなく、プロとしての Mylène Farmer の仕事は見事の一言に尽きる。ようやく手に入れることのできた『Stade de France』。ぜひ、少しでも多くの人に見てもらいたいライブ映像だ。
Stade de France
Avant la lumière
D'entre les morts ※
Paradis inanimé ※
L'Âme-stram-gram ※
Je m'ennuie ※
Outro Haka "Je m'ennuie"
Appelle mon numéro ※
XXL ※
California
Pourvu qu'elles soient douces ※
Point de Suture ※
Nous souviendrons nous ※
Rêver ※
Laisse le vent emporter tout
Ainsi soit je... ※
Interlude "Avant que l'ombre..." ※
Libertine ※
Sans contrefaçon ※
L'Instant X
Fuck Them All
Dégénération ※
C'est dans l'air ※
Désenchantée ※
Générique
※:『N゚5 on Tour』収録曲
『Live A Bercy』のときにも記したが Mylène Farmer のライブは映像もあって初めてその全貌を知ることができる。『N゚5 on Tour』でも会場の雰囲気は掴めたが、『Stade de France』の DVD で見られるステージの巨大さや、各種照明装置の華やかさには、ただただ圧倒されるばかりだった。
会場となった Stade de France はサッカーのフランス代表のホーム・スタジアムで、基本はサッカーの試合に用いられるスタジアム。そのフィールドのゴール・ライン後方にあるスタンドの横幅いっぱいにステージが設営され、ステージに組み上げられた照明もスタジアムの屋根に迫るほどの高さに組み上げられた。
最近のスタジアムではお馴染みのセンター・ステージも、サッカー・フィールドのセンター・サークルの位置に設置され、メイン・ステージからの長い花道がそれを繋いだ。
メイン・ステージの様子は『N゚5 on Tour』の表ジャケットでも窺い知れたが、このジャケットに写る巨大な瞳はコンサートのオープニングに使われた演出で、この瞳が瞬きをするたびに約8万人を収容したスタジアムから『Mylène! Mylène!』のコールが沸き起こり、この瞬間から鳥肌が立ってきた。
コンサートの様子は Madonna を思い描いて頂ければ分かりやすいかと思うが、Madonna のコンサートほどビシっと統制されているわけではない。Mylène Farmer も Madonna とほぼ近い年齢だが、Mylène Farmer にはまだ『Live A Bercy』で魅せていた靭やかな面も健在で、それがまたライブでは重要な要素の1つになっている。
現時点での最新スタジオ・アルバム『Point de Suture』のイメージから、ライブ序盤はステージ全体が『赤』で統一され、最初に見せた衣装はかなりグロい印象もあるが、5回ほどの衣装チェンジでは、曲に合わせたユニセックスな衣装やロング・ドレスも纏っている。
コンサートは1995年にリリースした『Anamorphosée』からの曲がちょうどいいアクセントになっていて、『XXL』はコンサート序盤のハイライトでもあった。『N゚5 on Tour』に収録されなかった『Anamorphosée』からの曲、『California』と『L'Instant X』が『Stade de France』にはしっかり収録され、また、やはり『N゚5 on Tour』で収録が見送られた『Fuck Them All』も『Stade de France』では収録されている。
星型のセンター・ステージでは、ピアノをメインに据えたバラードを中心にプレイされたが、時折、感極まって涙を流すシーンもある。Madonna に例えられる Mylène Farmer だが、こういうシーンを見ると Madonna とは似て非なる存在だと改めて感じる。
感傷的なセンター・ステージ以降は再びメイン・ステージに戻ってアップ・テンポな曲をプレイ。『N゚5 on Tour』にはない『L'Instant X』や『Fuck Them All』でスタジアムの温度はさらに上昇し、最新アルバムからのリード・シングル『Dégénération』でスタジアムに詰めかけたファンの歓声もピークに達する。
『Stade de France』は約2時間20分のコンサート本編を収めた DVD と、舞台裏を解説した約90分の DVD の2枚構成になっている。舞台裏の解説では衣装、照明、音響、ダンス・チーム、会場設営などの面をそれぞれ10~20分の時間をかけて丁寧に解説されているが、全てがフランス語での説明で、英語の字幕もないので細かいニュアンスが分からないのが残念な点だ。
スタジオ・アルバムで聴かせていた高音もライブでは少しも衰えることなく披露し、かなりセクシーな衣装でも『Live A Bercy』の頃とほとんどそのスタイルに変化がなく、プロとしての Mylène Farmer の仕事は見事の一言に尽きる。ようやく手に入れることのできた『Stade de France』。ぜひ、少しでも多くの人に見てもらいたいライブ映像だ。
Stade de France
Avant la lumière
D'entre les morts ※
Paradis inanimé ※
L'Âme-stram-gram ※
Je m'ennuie ※
Outro Haka "Je m'ennuie"
Appelle mon numéro ※
XXL ※
California
Pourvu qu'elles soient douces ※
Point de Suture ※
Nous souviendrons nous ※
Rêver ※
Laisse le vent emporter tout
Ainsi soit je... ※
Interlude "Avant que l'ombre..." ※
Libertine ※
Sans contrefaçon ※
L'Instant X
Fuck Them All
Dégénération ※
C'est dans l'air ※
Désenchantée ※
Générique
※:『N゚5 on Tour』収録曲
2010-06-25 16:00
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コメント(2)
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ちょっとググってたらこちらにたどり着きましたので足跡残していきますね
Mylene FarmerのStand De Franceの存在を知ったのは、YouTubeで今年の四月頃にフランスで放送されたとある番組にMylene Farmerが出演していて、その番組のバックに映し出されていた映像がStand De Franceでした。
もうネットで探しましたよ、日本国内では入手するの難しかったのでアマゾンUSでたまたまNTSC仕様の2枚組ブックレット仕様の限定版を見つけまして、注文したら送ってきたのはPAL仕様でしたがw
見て見れない環境ではないのですが、無理やりなのでそこは大画面で見たい願望があるので、アマゾンにクレーム入れてNTSC仕様を送ってくれと書き送り返したら代金返金扱いにされました
うちの再生環境が悪いのかどうかわかりませんが、このディスク音割れてませんか?
今は万が一を考えて返品前にPAL規格をそのまま焼いた物があるだけです
ああ、NTSC仕様がほしい・・・・
by 通りすがり (2010-11-18 06:37)
通りすがりさん、このDVDに限らずフランス系アーティストのDVDはPAL仕様が標準なので、私もMylèneを含め、かなり苦労しています。このコンサートのNTSC版は国内でフランス系アーティストを多く取り扱っているネットショップがあるので、そこから購入しました。国内AmazonもHMVもフランス系には偏りがあり、また注文しても発売日に入荷しないことが多いのですが、このお店ではほぼ確実に入荷しますので、MylèneなどのDVDや限定版がほしい時には重宝しています。
MylèneとNTSCという言葉でぐぐれば簡単に見つかると思いますので、一度ネットで検索してみてはいかがでしょう。
by MCMLXV_65 (2010-11-18 12:49)