SSブログ

Electric Light Orchestra/『A New World Record』 [CD]

A-New-World-Record.jpgアメリカで徐々に成功を収めつつあった Electric Light Orchestra (以下、ELO と略)が、遂に本国イギリスでも成功を収めたアルバムが、この通算6枚目のスタジオ・アルバム『A New World Record』だった。

『A New World Record』は全英チャートで2ndアルバムの『ELO 2』以来となるチャートインを果たし、しかも最高6位を記録と、前作『Face The Music』に続いてプラティナ・ディスクを獲得。ELO のイギリスでの人気を決定づけたアルバムになった。

このアルバムの人気は世界中に広がり、オーストラリアとスウェーデンではバンドとして世界中で初めてアルバム・チャートの No.1 にランクされ、リリースからの1年間で世界中で500万枚以上のセールスをも記録した。

『A New World Record』は ELO の顔ともいえるロゴが初めて登場したアルバムで、このロゴは The Beatles の『Abbey Road』のジャケット・デザインに関わったイギリス人デザイナーの Kosh によるものだった。

『A New World Record』はシンセサイザーの音色で始まる『Tightrope』でスタート。ストリングスの音、メンバーのボーカルが徐々に加わり音が厚くなる構成の ELO らしいスタイルが全開の曲で、シングル・ヒットしたと思える曲だが、意外にもこのアルバムからのシングル・カットはなかった。

2曲目の『Telephone Line』はプッシュホンの音で始まるが、すぐに悲しげなメロディへと変わり、感傷的な Jeff Lynne のボーカルが続く。この曲もコーラス・ワークとストリングスの併用がとても綺麗な曲で、アルバムから4枚目にして最後のシングルに選ばれ、全英チャートで最高8位を、全米チャートで最高7位を記録。全米チャートで2枚目の Top10 入りを果たして50万枚のセールスも挙げた。(ELO 初の Top10 入りシングルは『Eldorado』収録の『Can't Get It Out of My Head』)

3曲目の『Rockaria!』は Mary Thomas のオペラティックなボーカルで始まるが、すぐにギターの音が被さる ELO にしては珍しいロックな曲。Jeff Lynne のロックなボーカルも珍しいし、Bev Bevan のドラムも派手に活躍する曲だ。アルバムからの2ndシングルに選ばれ全英チャートで最高9位を記録した。

一転してスローな『Mission (A World Record)』で『A New World Record』のA面は最後を迎える。この曲もシングル・カットされて不思議のない曲で、ELO のソフトな面が具現化した佳曲だ。ストリングスに被さって聴こえるボーカルには何か特別なメッセージがあるのでは? とも思えてしまう。それらも含めてボーカルが自在に変化する曲だ。

そして LP 時代はサイドが入れ替わって『So Fine』が始まる。これもロックな曲でドラムの Bev Bevan が活躍する。途中で曲のタイトルがコールされ、「Woo! Woo!!」とレスポンスを返す箇所がライブでも映えそうな曲で、途中にコンガと思えるような音もありアフリカな雰囲気もある。

前の曲から間髪入れずに続く『Livin' Thing』はこのアルバムからの1stシングルで、この曲でもストリングスとメンバーのコーラス・ワークがとても綺麗だった。まさに ELO らしい、ELO の本領が発揮された曲で、表記はなかったが Suzi Quatro の姉妹である Patti Quatro がボーカルに参加していた。全英チャートでは最高4位を記録と、アルバムからのリード・シングルとして十分な結果を残し、全米チャートでは惜しくも Top10 入りを逃したが最高13位をマークした。

静かなストリングスと Jeff Lynne のボーカルで始まる『Above The Clouds』では、時折、空中を漂う UFO のようにも聴こえる高い音が妙に記憶に残る。

ELO にしては珍しいハードなギターの音でスタートする『Do Ya』は、すぐにストリングス・セクションの音が被さる、これも ELO にしては珍しいロックな曲だが、オリジナルは ELO の前身である The Move が1972年にリリースした曲で、セルフ・カバーとも言える。この曲でも Bev Bevan の迫力あるドラムがあり、アルバムから3枚目のシングルとして全米チャートで最高24位を記録した。

そしてアルバムの最後は少しテンポを落とした Jeff Lynne の憂いあるボーカルが特徴の『Shangri-La』で終わりを迎える。これもシングル・カットされて不思議ではない曲で、改めて振り返ると『A New World Record』に収められた9曲はどれもクォリティの高い曲で埋め尽くされていた。

『A New World Record』は2006年にリマスターされ、6曲のボーナス・トラックが追加されたが、その中には未発表曲の『Surrender』があった。1976年に書かれた曲を2006年に Jeff Lynne が改めて仕上げ、ELO 初のダウンロード向けシングルとして iTunes に登場。1986年の『Balance Of Power』からのシングル『Getting To The Point』以来となる全英チャート入りを果たし、最高81位を記録した。

A New World Record
Tightrope
Telephone Line
Rockaria!
Mission (A World Record)
So Fine
Livin' Thing
Above The Clouds
Do Ya
Shangri-La
【Bonus Tracks】
Telephone Line (Alternate Vocal)
Surrender (Previously Unreleased)
Tightrope (Instrumental Earley Rough Mix)
Above The Clouds (Instrumental Rough Mix)
So Fine (Earley Instrumental Rough Mix)
Telephone Line (Instrumental)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0)▲ページトップ▲

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

記事と無関係なコメントの入力を固くお断りします。
無関係なコメントは見つけ次第、即、削除します。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
All Photo and Text copyright(c) White Dragon All Right Reserved.
Related Posts with Thumbnails

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。