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Madonna/『Like a Virgin』 [CD]

Like-a-Virgin.jpg5枚のシングルがカットされたデビュー盤の『Madonna』はアメリカだけで今までに500万枚を売上げているが、1984年にリリースされた Madonna の2枚目のアルバム『Like a Virgin』はその2倍の1000万枚のセールスを記録している。デビュー盤は世界中での総売上枚数が1000万枚を超えているが、その1年後にリリースされた『Like a Virgin』はこちらも2倍以上の2100万枚のセールスを記録している。

デビュー盤とそこからのシングルでダンス系のチャートを賑わしていた Madonna だったが、この2枚目のアルバムでは、さらに広いフィールドに通用する曲が揃っていた。

このアルバム全体をプロデュースしていたのは David Bowie の1983年のアルバム『Let's Dance』をプロデュースした Nile Rodgers で、この人選は『Let's Dance』を聴いた Madonna 自らが希望してのことだった。

元 Chic のメンバーである Nile Rodgers はアルバム全般のプロデュースを手掛ける他に、このアルバムではギターも弾いている。そして Chic 時代のメンバー、ベースの Bernard Edwards とドラムの Tony Thompson もこのアルバムに参加していて、ふたりは『Material Girl』と『Like a Virgin』、『Love Don't Live Here Anymore』、『Shoo-Bee-Doo』でそれぞれのパートをプレイしていた。

Nile Rodgers はギター以外に、この頃に注目を集めていた Synclavier という機材も扱っていた。この Synclavier は現在の ProTools などの原型ともいえる機材で、デジタル・レコーディングの黎明期に登場したとても高価な機材だった。Synclavier を使ったアルバムには Trevor Horn の手掛けた Frankie Goes to Hollywood や Yes のアルバム、Michael Jackson の『Beat It』があった。

Nile Rodgers は『Like a Virgin』のトップと最後を飾る『Material Girl』と『Stay』でこの Synclavier を使い、バラードの『Love Don't Live Here Anymore』ではこの曲の特徴でもあるストリングスのアレンジも担当していた。

この2ndアルバムからは最初のシングルとして Billy Steinberg と Tom Kelly のコンビによるタイトル・トラックの『Like a Virgin』がカットされ、1984年の年末から6週間連続で全米 No.1 を記録。同じ北米地域のカナダでも No.1 を記録し、全英チャートでは最高3位を記録した。2ndシングルには『Material Girl』が選ばれ、こちらは全米チャートで No.1 を逃すが最高2位を記録した。

この頃の Madonna は映画にも曲を提供していて、『Vision Quest』からのシングル『Crazy For You』が5月に全米チャートで No.1 を、全英チャートで最高2位を記録し、『Vision Quest』には他にも『Gambler』という曲があって、こちらは全英チャートで最高4位を記録した。

映画絡みの曲は『Desperately Seeking Susan』からの『Into The Groove』という曲もあり、こちらは全英チャートで Madonna 初の No.1 シングルにもなった。

アルバム『Like a Virgin』からのシングルでは3rdシングルとして『Angel』がカットされ、米英双方のチャートで最高5位をマーク。続く4枚目のシングル『Dress You Up』も同じく米英チャートで最高5位を記録した。この『Dress You Up』の PV では当時北米地域のみで行われた初めてのツアーからの映像が使われ、この PV で見られた Madonna のコスチュームはあっという間に世界中に広がった。

ファッション誌の『VOGUE』などで活躍していた Steven Meisel を起用したジャケットは、Madonna という存在をただの一発屋でないことを示し、デビュー盤で植え付けられそうになっていたダンス系アーティストというイメージを払拭するのにも役立った。

ニューヨークにある Power Station Studio で録音され、Bob Ludwig がマスターを務めた『Like a Virgin』は1980年代前半を代表するアルバムだが、今、振り返って改めて聴くと、やや隙間の多い感じもするアルバムだ。

だがデジタル・レコーディング黎明期に作られたアルバムとして、またこの時代を象徴するアーティストが手掛けたアルバムとして、そして Madonna という存在が忘れられない存在になったアルバムとして、とても重要なアルバムだ。

この『Like a Virgin』には「This album is dedicated to the virgins of the world.」という一文も添えられていた。

Like a Virgin
Material Girl
Angel
Like a Virgin
Over and Over
Love Don't Live Here Anymore
Dress You Up
Shoo-Bee-Doo
Pretender
Stay

タグ:Madonna 1984


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コメント 2

musiqmusiq

懐かしいですね。
姉がマドンナ大好きで、まだ自分はちっちゃかったにも関わらずこのアルバムは音として耳に届いてました。
"Into The Groove"のうねるような感じとか、ほんとに好きだったなあと思いだされます。
前作におけるフロアクイーンから、一気にレベルがあがったことが実感できるアルバム。超重要作ですね。
by musiqmusiq (2010-10-03 09:34) 

MCMLXV_65

musiqmusiqさん、コメントありがとうございます! この頃は「ちっちゃかった」って何歳くらいだったんでしょうか?! 私は当時、もうそんな年代ではない頃でしたので、やはり人それぞれですねぇ~。^^

そうそう初めの頃のアルバムには『Into The Groove』は入っていなかったんですが、musiqmusiqさんの知るこのアルバムには入っていました?

仰られるとおりにデビュー盤から一気に活躍の場を広げた重要なアルバムですよネ!!
by MCMLXV_65 (2010-10-03 13:09) 

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