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The Jam/『Extras』 [CD]

Extras.jpg今日取り上げる CD は The Jam の裏ベスト盤として有名な『Extras』で、1992年にリリースされたこのアルバムには全部で26曲が収められている。The Jam のシングルにはアルバム未収録な曲が多かったが、B面に収録された曲はさらにレアな存在で、マメにシングルを買い続けたコアなファンでない限り、この『Extras』で初めて聴いたという方も多かっただろう。

後に、この『Extras』に収められた曲の幾つかは、1997年にリリースされた5枚組みの『Direction Reaction Creation』にも収められたが、そこにも収録されなかった14曲は今もこの『Extras』でしか聴けない貴重な存在になっている。

Paul Weller はソロ活動になってからもこの『Extras』のようなレア曲を集めた3枚組みの『Fly on the Wall』というボックスを2003年にリリースし、ここには全部で39曲が収められている。

『Extras』にはシングルのB面としてリリースされたカバー曲が幾つかあり、これらの曲はメンバーのルーツに繋がるような曲であったりして、とても興味深い。4曲目の『Move On Up』はシングル『Beat Surrender』の限定盤のみに収められた Curtis Mayfield の1971年のヒット曲で、11曲目の『And Your Bird Can Sing』は The Beatles のアルバム『Revolver』の収録曲でシングル・カットされたことのない曲だった。

また The Who のカバーは『Disguises』と『So Sad About Us』の2曲があり、 The Small Faces の『Get Yourself Together』も1967年のアルバム『Small Faces』にだけ収録され、シングル・カットされたことのない曲だった。

他にもカバー曲はシカゴで結成された The Chi-Lites というボーカル・グループの1973年のヒット曲『Stoned Out of My Mind』や、James Brown の1965年のヒット曲『I Got You (I Feel Good)』のデモ・バージョンが『Extras』には収められている。

The Jam のスタジオ・アルバムに収められた曲のデモの中では、詳細な情報が残されていない『Thick As Thieves』が公式なバージョンと大きくアレンジが異なり、ラフなギターの音がとてもいい感じに仕上がっている。

The Jam の曲は『Direction Reaction Creation』という5枚組みや、2001年にリリースされた歴代シングルを2つのボックスに収めた『45 rpm: The Singles』があり、これらで全ての曲を網羅していると思っていた。しかし『Extras』にはこれらの編集盤にも収録されていない曲があり、今もなお The Jam の正式にリリースしたアルバムの中で貴重な存在となっている。

Extras
The Dreams Of Children (double 'A'sided single『Going Underground』)※
Tales From The Riverbank ('B'side of『Absolute Beginners』)※
Liza Radley (demo)
Move On Up (double pack single『Beat Surrender』)※
Shopping ('B'side of『Beat Surrender』)※
Smithers-Jones ('B'side of『When You're Young』)※
Pop Art Poem (demo)
Boy About Town (alternate version)
A Solid Bond In Your Heart (demo)※
No One In The World (demo)
And Your Bird Can Sing (demo)
Burning Sky (no recorded information)
Thick As Thieves (no recorded information)
Disguises ('B'side of『Funeral Pyre』)※
Get Yourself Together (demo)
The Butterfly Collector ('B'side of『Strange Town』)※
The Great Depression ('B'side of『Just Who Is The 5 O'Clock Hero』)※
Stoned Out Of My Mind (double pack single『Beat Surrender』)※
Pity Poor Alfie/Fever ('B'side of『The Bitterest Pill』)※
But I'm Different Now (demo)
I Got You (I Feel Good) (demo)
Hey Mister (previously unavailable)
Saturday's Kids (demo)
We've Only Started (previously unavailable)
So Sad About Us ('B'side of『Down In The Tube Station At Midnight』)※
The Eton Rifles (demo)
※:『Direction Reaction Creation』収録



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コメント 4

seawind335

こういうアルバムは、コアなファンにはたまらないですね!

確か、U2のBest盤のdisc2もそうだったような・・・

やはり、ボーナストラックに入れて、オリジナルの流れを壊すよりこのようにして発売してくれた方がよほど良心的だと思います。
by seawind335 (2010-12-06 19:07) 

MCMLXV_65

シングルB面に収められた曲や、アルバム未収録のデモ曲って、メンバーの好みが反映されたりしますが、手軽に聴ける存在ではないので、こうしてまとめたかたちでリリースしてくれるのは本当に嬉しいですネ!

U2のベスト盤も初回版にDisc2が付いてましたねぇ。そうそう聴く頻度はないのですが、やっぱり公式にまとめたかたちでリリースしてくれるのはとてもありがたいです!!
by MCMLXV_65 (2010-12-06 19:17) 

どうぷ

こんばんは。

発売当時、ジャムとスタカンとのミッシング・リンクを想像させる意味でも貴重な音源として重宝しましたね。
このエントリーを読ませていただいて、資料的な意味でも未だに貴重な存在である事が認識できました♪
by どうぷ (2010-12-07 00:14) 

MCMLXV_65

こんばんは、どうぷさん。仰るとおり、スタカンのアルバムに再び(公式に?)収録された曲が、このアルバムにはありますよね。そういう意味からも、このアルバムって、今も重要な位置にある一枚ですね。

今でもこのアルバムでしか聴けない曲があるってことは、Paul Wellerのこだわりからなのかな? とも思います。
by MCMLXV_65 (2010-12-07 01:02) 

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