Primal Scream／『Live in Japan』

ロンドンで現地3日の夜に開催された Japan Disaster Benefit Gig で Primal Scream の出演時間は30分ちょっとしかなかったが、現地 FM 局の XFM から流れてきたライブの模様はその盛り上がりぶりを十二分に伝えていた。

残念ながら Primal Scream のその時の映像はまだ見ることができない。そして不思議なことにこれまで Primal Scream はライブ盤を公式に1枚もリリースしていない。

「1枚も…」と書くと語弊があるかもしれない。手元にある『Live in Japan』は現在 Primal Scream のライブが楽しめる唯一のアルバムだが、これは日本だけでのリリースで、Primal Scream の出身地であるスコットランドや、アメリカや欧州圏内でも公式リリースされなかったライブ盤という扱いだ。

この『Live in Japan』には先の Japan Disaster Benefit Gig でもプレイされた『Accelerator』『Movin' On Up』『Rocks』の3曲が収録され、この音源は2002年11月16日から Zepp Tokyo で3日間行われたライブから選ばれている。

同梱されたブックレットには Bobby Gillespie のコメントが「HAIL HAIL ROCK & ROLL」という言葉と共に記され、その中には「the people in japan love & live for rock & roll」ともある。

このライブ盤が収録された頃の Primal Scream は『Evil Heat』をリリースした後で、ボーナス曲を多数収録した初のベスト盤『Dirty Hits』もリリースされた。

『Dirty Hits』は主に Primal Scream のチャートインしたヒット曲で構成されたベスト盤だったが、一方で裏ベスト盤ともいえる『Shoot Speed - More Dirty Hits』というベスト盤も『Live in Japan』と同じく2004年に日本だけで限定リリースされた。

『Live in Japan』リリース当時の Primal Scream には元 My Bloody Valentine の Kevin Shields がゲストで度々参加していた頃で、『Live in Japan』のクレジットにもギターで Kevin Shields の名前があった。

Kevin Shields は『Live in Japan』のミックスにも立会い、Paul Weller のアルバムのプロデューサーとしても知られる Brendan Lynch もこの『Live in Japan』のミックスには関わっていた。

スタジオ・アルバムでは一作ごとにそのスタイルを変えてファンを楽しませてくれる Primal Scream だがライブではロックな面がより前面に押し出され、Japan Disaster Benefit Gig でもグルーブ感はより激しく、音だけを聴いていても自然と体が動くほどだった。

サウンドは様々に変化してもその中心にある Bobby Gillespie のボーカルはいつも煽情的で、Japan Disaster Benefit Gig でも、この『Live in Japan』でも会場にいるファンの心理を巧みに操っている。

Live in Japan
Accelerator
Miss Lucifer
Rise
Shoot Speed/Kill Light
Pills
Autobahn 66
City
Rocks
Kowalski
Swastika Eyes
Skull X
Higher Than The Sun
Jailbird
Movin' On Up
Medication
Born To Lose

タグ：Primal Scream 2003 ライブ盤