Madonna／『Music』

3月に長年属していたレーベル Warner Bros. を離れて新たに契約した Live Nation からの最初のスタジオ・アルバム『MDNA』をリリースする Madonna。現地時間の2月5日(日)には Super Bowl XLVI のハーフタイムショーに登場するが、2000年代に入って最初にリリースしたスタジオ・アルバムが、このタイトルもシンプルな『Music』だった。

1998年にリリースした前作『Ray Of Light』が久々にアメリカも含めて世界中で売れたのに続いて、この『Music』もアメリカでは300万枚に迫るセールスをマーク。全世界でのセールスも1000万枚を超えた。

全米チャートには No.1 で初登場、リリースした最初の週だけで40万枚近いセールスを記録したが、意外にも Madonna のスタジオ・アルバムが全米 No.1 になったのは1989年の『Like A Prayer』まで遡り、実に10年以上なかったことだった。

2000年代に入っての Madonna は映画『The Next Bsst Thing』からシングル『American Pie』をリリースし、これは全英チャートで No.1 を記録。残念ながら全米チャートは最高29位止まりだったが、新作アルバム『Music』からの1stシングルになったタイトル曲は英米シングル・チャートの双方で No.1 を記録した。

『Music』が久々にアメリカで No.1 を記録した Madonna は1980年代、1990年代、2000年代の3つの年代にわたって No.1 シングルを輩出した Janet Jackson に次ぐふたり目のアーティストにもなった。そして、これも意外なことだが、この『Music』は全米 No.1 になった Madonna の最後のシングルで、それ以降のシングルでは2008年のスタジオ・アルバム『Hard Candy』からの『4 Minutes』の3位が最高だった。

タイトル曲の他に、この『Music』からは『Don't Tell Me』と『What It Feels Like For A Girl』の2曲がシングル・カットされ、前者は英米双方のチャートで最高4位を、後者は英7位/米23位を記録した。

『What It Feels Like For A Girl』は当時 Madonna の夫だった Guy Ritchie の監督した PV の過激さが評判になり、その内容から MTV では放送禁止処分を受けてしまった。

シングルになった曲以外ではアップテンポな『Runaway Lover』がこのアルバム『Music』の中では好きな曲だった。しかし、この『Runaway Lover』とタイトル曲の2曲がこのアルバムで唯一なアップテンポの曲で、全体的にこの『Music』というアルバムは良く言えばスローな雰囲気、悪く捉えると暗い雰囲気の曲が多く、それまでの Madonna のアルバムほど聴くことは少なかった。

とは言うものの、翌2001年の Grammy 賞でアルバム『Music』は Best Pop Vocal Album の候補に上がり、1stシングルになったタイトル曲は Record Of The Year と Best Female Pop Vocal Performance の2部門で候補に上がった。これらの部門で受賞はならなかったが、アルバム『Music』は Best Recording Package という部門で受賞を果たした。

さらに2002年の Grammy 賞でも『Don't Tell Me』が Best Short Form Music Video の候補になった。

全部で10曲のアルバム『Music』は収録時間も45分弱と短めで、Madonna の2000年代に入ってから最初のアルバムにしては、少し物足りなさも感じたアルバムだった。

Music
Music
Impressive Instant
Runaway Lover
I Deserve It
Amazing
Nobody's Perfect
Don't Tell Me
What It Feels Like For A Girl
Paradise (Not For Me)
Gone

タグ：Madonna 2000