Pink Floyd／『P･U･L･S･E』

このブログで以前に紹介したと、ずっと思い込んでいて、実は紹介していなかった Pink Floyd の2枚組ライブ盤の『P･U･L･S･E』。

リリースは1995年の春。当時の CD 版『P･U･L･S･E』はボックスに収納され、その背中部には LED が埋め込まれ、それが単3乾電池で駆動。TOWER RECORDS や HMV の棚に並んだ『P･U･L･S･E』は、この LED がピカピカとそれぞれが全く同期せずに点灯し続け、そのコーナーだけ CD ではない別のモノが並んでいるような光景だった。

その特殊パッケージの『P･U･L･S･E』は家の中にあっても夜中になると、パッパッと点灯し続け、いつまでもその光が消えることなく、いつしか、それが普通の光景になっていた。

『P･U･L･S･E』に収められたライブは、約1年前の1994年春にリリースされた『The Division Bell』に伴うツアーからの音源で構成されていた。ライブの前半は Roger Waters が在籍していた頃の曲も含む新旧 Pink Floyd の代表曲をラインアップ。そして後半は1973年リリースの『The Dark Side Of The Moon』を収録順に再現するライブという二部構成になっていた。

『P･U･L･S･E』は当時、4枚組の LP 版もリリースされ、ライブ前半の代表曲の最後に CD 版にはない7分近い『One Of These Days』も収められていた。この LP 版『P･U･L･S･E』の装丁をミニチュア化した紙ジャケット仕様の『P･U･L･S･E』は2005年にリリースされ、ほとんど当時の装丁を再現したが、『One Of These Days』だけはこの紙ジャケット仕様の『P･U･L･S･E』にも収録されなかった。

『P･U･L･S･E』は全米チャートで CD 2枚組、LP 4枚組のボリュームにも関わらず初登場で No.1 を記録。わずか1週だけの No.1 だったが、リリースから約1か月後にはダブル・プラティナ (200万枚) のセールスもマークした。

DVD 版の『P･U･L･S･E』も2006年にリリースされたが、映像としての『P･U･L･S･E』は1995年に LaserDisc 版がリリースされ、こちらでそのライブの模様をたっぷり堪能した。LaserDisc 版は収録時間の関係から CD 版では1枚目の最後にあった『Another Brick In The Wall (Part Two)』と、LP 版のみ収録の『One Of These Days』の2曲が『The Dark Side Of The Moon』をプレイした後、アンコールの1曲目『Wish You Were Here』の前へ移動されていた。

音だけでも約2時間半に及ぶ『P･U･L･S･E』は冒頭の13分以上に及ぶ『Shine On You Crazy Diamond』から圧倒的な迫力があり、David Gilmour を中心にした新 Pink Floyd の存在感が十二分にあった。前回のライブ盤『Delicate Sound Of Thunder』では『Money』を含む3曲しかプレイされなかった『The Dark Side Of The Moon』からの曲が全て再現される後半も、その忠実なプレイぶりに釘付けだった。

LaserDisc 版を見たとき、その映像のクォリティは『Delicate Sound Of Thunder』で来日したときに見たステージを遙かに上回る内容で、このときのツアーが日本で見られなかったのは残念だったが、日本では十分にこのライブを実現できる場所がないとも感じた。

P･U･L･S･E
【Disc 1】
Shine On You Crazy Diamond
Astronomy Domine
What Do You Want From Me
Learning To Fly
Keep Talking
Coming Back To Life
Hey You
A Great Day For Freedom
Sorrow
High Hopes
Another Brick In The Wall (Part Two)
【Disc 2】
Speak To Me
Breathe
On The Run
Time
The Great Gig In The Sky
Money
Us And Them
Any Colour You Like
Brain Damage
Eclipse
Wish You Were Here
Comfortably Numb
Run Like Hell

タグ：Pink Floyd 1995 ライブ盤