Donald Fagen/『Sunken Condos』 [CD]
ようやく届いた Donald Fagen の6年ぶりの新作『Sunken Condos』。最初、このタイトルを聞いたとき、その発音から「なにかの呪文か…?」と思ったが、英語の綴りと、明らかになったジャケットを見て「水没したマンション」だと理解。
そして、これまでの3枚のソロ・アルバムには必ず Donald Fagen 本人の姿があったが、今回はジャケットのどこにもその姿はなかった。
二つ折りのジャケット内側には、このジャケットのイラストを手掛けた Jeff Wack による、まさに水没したマンションの一室が描かれ、そこはドレス姿の女性が水面下を漂っている (?) シーン。この6年ぶりのアルバムのタイトルの意味は…? と、考えさせられてしまった。
既にアルバムを聴いた方の反響はいろいろで、これまでの3枚に比べると物足りないという評価もあるが、個人的にはシングル・カットされた『I'm Not The Same Without You』から Donald Fagen らしいサウンドに大いに満足。アルバム1曲目の『Slinky Thing』のイントロも、いかにも Donald Fagen という感じで、最後の『Planet D'Rhonda』まで、どっぷり Donald Fagen の世界に浸かってしまった。(そういう意味では Donald Fagen という名前のマンションにすっかり浸りきってしまったかのよう…)
『Sunken Condos』で Donald Fagen は Harlan Post という名前でベースも弾いているが、他の楽器については自らの名前を記しているのに、なぜ、ベースだけ別の名義にしたのだろう。
このアルバムで Donald Fagen とプロデューサーに名を連ねる Michael Leonhart も、ドラムで Earl Cooke, Jr. という名前を使って記されているが、敢えてリズム隊のふたつを別の名義にしたのには何か意図があるのだろうか…? (そのベースが弱いという評価も一部にあるようで…)
『Sunken Condos』には歌詞が書かれたブックレットも同梱され、それも見ながら既に3回通して聴いたが、今回は歌詞も Donald Fagen にしては分かりやすいように感じた。Donald Fagen が書いてきたソロの曲や、Steely Dan の曲は難解なモノが多かったが、『Sunken Condos』にある曲は深読みをしなくてもいいのかな…? という印象でもあった。
曲の途中に入るソロ・パートや、ホーンの使いどころ、女性コーラスのハーモニーなど、Donald Fagen の曲らしいと感じる箇所がいたるところにあって、6年ぶりの新作は待った甲斐があったと思えるアルバムだった。
Isaac Hayes の1977年のシングル『Out Of The Ghetto』のカバーが『Sunken Condos』では取り上げられているが、これもアルバムの中盤でテンポを変えるのにいいアクセントになっていて、曲そのものの出来云々ではなく、『Sunken Condos』というアルバムを引き締める役目を果たしていると思えた。
『Out Of The Ghetto』はこの『Sunken Condos』で他の8曲に比べると異質な曲だが、これを次のシングル候補にしても面白いのではないだろうか。
『Out Of The Ghetto』からの後半も、なかなかおもしろい歌詞の曲が並んでいる『Sunken Condos』。収録時間が45分と短いので、あっという間に全9曲が過ぎてしまうが、またもう一度最初から…と、聴きたくなるアルバムだ。
Sunken Condos
Slinky Thing
I'm Not The Same Without You
Memorabilia
Weather In My Head
The New Breed
Out Of The Ghetto
Miss Marlene
Good Stuff
Planet D'Rhonda
そして、これまでの3枚のソロ・アルバムには必ず Donald Fagen 本人の姿があったが、今回はジャケットのどこにもその姿はなかった。
二つ折りのジャケット内側には、このジャケットのイラストを手掛けた Jeff Wack による、まさに水没したマンションの一室が描かれ、そこはドレス姿の女性が水面下を漂っている (?) シーン。この6年ぶりのアルバムのタイトルの意味は…? と、考えさせられてしまった。
既にアルバムを聴いた方の反響はいろいろで、これまでの3枚に比べると物足りないという評価もあるが、個人的にはシングル・カットされた『I'm Not The Same Without You』から Donald Fagen らしいサウンドに大いに満足。アルバム1曲目の『Slinky Thing』のイントロも、いかにも Donald Fagen という感じで、最後の『Planet D'Rhonda』まで、どっぷり Donald Fagen の世界に浸かってしまった。(そういう意味では Donald Fagen という名前のマンションにすっかり浸りきってしまったかのよう…)
『Sunken Condos』で Donald Fagen は Harlan Post という名前でベースも弾いているが、他の楽器については自らの名前を記しているのに、なぜ、ベースだけ別の名義にしたのだろう。
このアルバムで Donald Fagen とプロデューサーに名を連ねる Michael Leonhart も、ドラムで Earl Cooke, Jr. という名前を使って記されているが、敢えてリズム隊のふたつを別の名義にしたのには何か意図があるのだろうか…? (そのベースが弱いという評価も一部にあるようで…)
『Sunken Condos』には歌詞が書かれたブックレットも同梱され、それも見ながら既に3回通して聴いたが、今回は歌詞も Donald Fagen にしては分かりやすいように感じた。Donald Fagen が書いてきたソロの曲や、Steely Dan の曲は難解なモノが多かったが、『Sunken Condos』にある曲は深読みをしなくてもいいのかな…? という印象でもあった。
曲の途中に入るソロ・パートや、ホーンの使いどころ、女性コーラスのハーモニーなど、Donald Fagen の曲らしいと感じる箇所がいたるところにあって、6年ぶりの新作は待った甲斐があったと思えるアルバムだった。
Isaac Hayes の1977年のシングル『Out Of The Ghetto』のカバーが『Sunken Condos』では取り上げられているが、これもアルバムの中盤でテンポを変えるのにいいアクセントになっていて、曲そのものの出来云々ではなく、『Sunken Condos』というアルバムを引き締める役目を果たしていると思えた。
『Out Of The Ghetto』はこの『Sunken Condos』で他の8曲に比べると異質な曲だが、これを次のシングル候補にしても面白いのではないだろうか。
『Out Of The Ghetto』からの後半も、なかなかおもしろい歌詞の曲が並んでいる『Sunken Condos』。収録時間が45分と短いので、あっという間に全9曲が過ぎてしまうが、またもう一度最初から…と、聴きたくなるアルバムだ。
Sunken Condos
Slinky Thing
I'm Not The Same Without You
Memorabilia
Weather In My Head
The New Breed
Out Of The Ghetto
Miss Marlene
Good Stuff
Planet D'Rhonda
タグ:Donald Fagen 2012
2012-10-28 16:54
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