Artists Against AIDS Worldwide／『What's Going On』

オリジナルは1971年の年明け早々にリリースされた Marvin Gaye のシングル。リリース当時の全米シングル・チャートでは、Billboard 誌の Hot100 で最高2位、Cashbox 誌の Top100 では No.1 を記録。1971年当時の Billboard 誌で現在の Hot R&B/Hip-Hop Songs に相当する Best Selling Soul Singles のチャートでは5週間の No.1 もマークした。

1972年の Grammy 賞では Best Male R&B Vocal Performance と Best Arrangement Accompanying Vocalists の2部門でノミネート。このときは該当2部門で選ばれることはなかったが、楽曲の評価は高まり、1995年には Rock & Roll Hall of Fame が発表した 500 Songs That Shaped Rock の1曲に選出。

2001年には RIAA (全米レコード協会) が選ぶ 365 Songs of the Century で65位にランクされ、2003年にはイギリスの Q 誌が選ぶ 100 Songs That Changed the World で39位に。さらに、2010年に Rolling Stone 誌が選んだ 500 Greatest Songs of All Time では堂々の第4位にランクされた。

オリジナルを歌った Marvin Gaye や、レーベルの Motown を代表する曲の1つである『What's Going On』を2001年9月、MTV Video Music Awards に参加するため、ニューヨークいた U2 の Bono らを中心にして、Artists Against AIDS Worldwide の趣旨に賛同するアーティストが集結。メドレー形式でこの曲のレコーディングが行われ、その時の模様が、この (↓) ビデオでも見ることができる。

ところが、このレコーディング直後の9月11日、アメリカで同時多発テロが発生。当初の AIDS 対策支援という目的に加え、急遽、収益の半分を同時多発テロの被害救済にもあてるよう変更された。

このような背景からレコーディングされた『What's Going On』は、急ピッチで CD というメディアでのリリースも決定。Jermaine Dupri と Bono のプロデュースによる4分20秒のオリジナル・ミックスに加えて、U2 の The Edge も加わった3分57秒の The London Version、Lil' Kim や TLC が参加した4分45秒の Dupri R&B Mix、LL Cool J や Queen Latifah の参加した5分の The Neptunes This One's for You Mix など9曲入りミニ・アルバムが10月末にリリースされた。

この新たな『What's Going On』は The Neptunes によるバージョンが全米シングル・チャートで最高27位を記録し、オリジナル版はロック系の曲を扱う全米チャートで最高24位を記録。全英チャートでも最高6位をマークした。

この曲を聴くと、『What's Going On』というタイトルである「なにが起こっているの?」ということを、いつの時点に限らず、どんな状況の下でも思わずにいられない。そんな、いつの時代にも普遍な力が、この『What's Going On』という曲には宿っている。

What's Going On
What's Going On (Dupri Original Mix)
What's Going On (The London Version)
What's Going On (Moby's Version)
What's Going On (Fred Durst's Reality Check Mix)
What's Going On (Mangini/Pop Rox Mix)
What's Going On (Mick Guzauski's Pop Mix)
What's Going On (Dupri R&B Mix)
What's Going On (The Neptunes This One's for You Mix)
What's Going On (Junior Vasquez's Club Mix)

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