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Paul McCartney/『Flaming Pie』 [CD]

フレイミング・パイ『Off The Ground』に伴うワールドツアー後にPaul McCartneyは、それまでのバンドを解消し、4年ぶりの新作『Flaming Pie』を1997年にリリースした。

前2作のアルバムで意気投合したメンバーでツアーも行なったPaulが、またシンプルなソロ活動に戻ったわけだが、このアルバムは全米と全英のチャート双方で2位にランクと、ソロ作では『Tug Of War』以来となるいい結果を残した。

このアルバムでPaulは、それぞれの曲でミュージシャンを使い分けている。

『Used To be Bad』ではSteve Millerとのデュエットを披露。『Heaven On A Sunday』でのギター・ソロは息子のJamesが弾いている。シングル・カットされた『Beautiful Night』ではRingo Starrがドラムを叩き、『Somedays』ではGeorge Martinがオーケストラ部分を指揮している。

そしてThe BeatlesのAnthologyシリーズで一緒だったJeff LynneとGeorge Martinが、Paulと共にこのアルバムのプロデュースを担当している。

白血病による合併症で亡くなったRingoの最初の奥さん、Maureen Starkeyに捧げた『Little Willow』はとても美しい曲。このアルバムでは『Calico Skies』と双璧を成すバラードの名曲だ。

続く『Really Love You』はRingoとの共作。時折、Paulのファルセットが響くこの曲では、延々とRingoとのセッションが続くような感じが漂う。

この曲に象徴されるように『Flaming Pie』では複雑な録音過程を避けて極力シンプルに、そして簡潔なかたちで1曲1曲が作られている。また、それがとてもリラックスした雰囲気を醸し出していて、聴いている側にもそれが伝わってくるようだ。

アルバム終盤を飾る『Beautiful Night』ではWings時代のPaulの香りさえする。終盤の派手なホーン・セクションと曲の終わりにあるPaulたちの声を聞くと、「あぁ、これでこの楽しいアルバムも終わりなのか…」という悲しい気持ちにもなってしまう。

『Great Day』は1970年代初期に作られた曲らしい。5分を越える大作『Beautiful Night』に続き、2分ちょっとの『Great Day』はこのアルバムのおまけみたいな感じ。こんなところにもPaulの遊び心が表れているようだ。

意外と見過ごされがちな小粒な印象の『Flaming Pie』だが、たまに聴くと、とても楽しいアルバムだ。

『Flaming Pie』
The Song We Were Singing
The World Tonight
If You Wanna
Somedays
Young Boy
Calico Skies
Flaming Pie
Heaven On A Sunday
Used To be Bad
Souvenir
Little Willow
Really Love You
Beautiful Night
Great Day



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