Queen／『Greatest Hits』

1981年にリリースされたQueen初のベスト盤『Greatest Hits』は、当時はアメリカ、イギリス、そして日本で選曲内容が異なり、その他の地域でも選曲が異なる盤がリリースされたという。この頃のQueenは1980年夏に『The Game』を、その年の暮れに映画『Flash Gordon』のサウンドトラック盤をリリース。そして、David Bowieとのデュエットで『Under Pressure』を1981年10月にリリースしていた。

シンセサイザーを導入したQueenのサウンドの変化に戸惑う中、歌詞を伴った曲が2つだけの『Flash Gordon』の内容にも驚いたが、何よりQueenとして初の外部のアーティストとの共作『Under Pressure』にも当時は大いに驚いた。

そんな驚きをもって幕を開けた1980年代のQueenは、デビューからの10年を総括するアルバムとして、この『Greatest Hits』をリリースした。

当時、LPでリリースされた『Greatest Hits』の日本盤には、アメリカ盤にはない曲が収録されていた。『Good Old-Fashioned Lover Boy』、『Don't Stop Me Now』、『Save Me』、『Now I'm Here』がアメリカ盤にはなく、そして日本語歌詞が登場する『Teo Torriatte』も収録されていた。

この頃の輸入盤は値段が日本盤より安くだいたい2000円以下で購入できたので、同じ曲目なら余計な解説やオビがない輸入盤を選んでいた時代だった。しかし、この『Greatest Hits』は日本盤も2000円で、しかも曲数が輸入盤より多かったので迷わず日本盤を購入した。

それまでアルバムを中心に聴いてきたQueenだけに、シングル・ヒット曲が中心に構成された『Greatest Hits』はとても興味深かったが、意外と楽しめた思いがある。A面が当時の最新シングル『Under Pressure』で終わっていたのも、なんとなく1枚のアルバムとしての体裁を成していたようにも感じた。

LPのそれぞれの面のトップも『Bohemian Rhapsody』と『Crazy Little Thing Called Love』と、まるでライブの始まりと、一旦、小休止してライブが再開されるような雰囲気だった。

また、この日本盤『Greatest Hits』は全17曲収録とあって、LP1枚の収録時間ギリギリの約60分近くもあった。CD時代の今でこそ、60分前後のアルバムは珍しくないが、当時のLP収録時間の限界まで詰め込まれたこの『Greatest Hits』は、とても聴き応えがあった。

今、CDとしてリリースされている『Greatest Hits』はイギリス盤に準じた内容で統一されてしまったが、この日本盤に編集された曲順も新鮮で、ときどきプレイリストに編集して懐かしく聴いている。

『Greatest Hits』(日本盤LPの曲順)　
【Side One】
Bohemian Rhapsody
Another One Bites The Dust
Killer Queen
Fat Bottomed Girls
Good Old-Fashioned Lover Boy
Don't Stop Me Now
Save Me
Under Pressure
【Side Two】
Crazy Little Thing Called Love
Somebody To Love
Now I'm Here
Teo Torriatte (Let Us Cling Together)
You're My Best Friend
Play The Game
Flash's Theme A/K/A Flash
We Will Rock You
We Are The Champions

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