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森高千里/『STEP BY STEP』 [CD]

step_s.jpg1994年7月にリリースされた森高千里の『STEP BY STEP』。このアルバムも先月ブックオフから頂いたお買い物券を使い交換してきた1枚で、森高千里のアルバムを紹介するのは『LUCKY7』に続いて2枚目。洋楽を中心に紹介するこのブログで J-Pop のアーティストを2回以上紹介するのは土屋アンナ以来になる。

『STEP BY STEP』には、シングルとして発表された『風に吹かれて』、『気分爽快』、『夏の日』、『私の大事な人』が含まれているが、それ以外にも聴きどころとなる佳曲が多い。今月9日(水)にデジタル・リマスター盤が発売される The Beatles のカバー『Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey』もその1つで、オリジナルは通称『White Album』という2枚組みに収められている。

The Beatles の曲には、多くのシングル・ヒットやアルバムだけに収録されたいわゆる隠れた名曲の類が多い。しかし、そういった有名どころではなく、この妙にタイトルの長い曲を選び、森高千里のちょっと鼻にかかったボーカルと原曲の持つイメージのミスマッチがとても面白い。

また、他の収録曲で気がついたのだが、ボーカル以外の楽器の音を意図的に左右のチャンネルに振り分ける処理を行なっている。例えば2曲目の『若さの秘訣』ではドラムとキーボードの音を左寄りに、『ずる休み』ではパーカッションの音を右寄りに配している。何れの曲でもボーカルや中心となる楽器はセンターに定位しているが、特定の楽器の音を左右のチャンネルに寄せる処理は The Beatles の初期の擬似ステレオで聴くことができ、こんなところにも The Beatles の影響が見え隠れしているようで面白い。

他にも楽器以外の効果音やインド風な音を曲に取り入れたりと、シングル以外の曲でのちょっとした演出に「あっ、これは…」と思うことが度々あり、こういう点にも注意して『STEP BY STEP』を聴いてみると、より面白い。

また、3分ちょっとの『星の王子様』で聴けるイージーリスニング風なアレンジも好きだ。続く『私の大事な人』では一転してラテンの雰囲気と、この幅の広さも『STEP BY STEP』の楽しさのひとつだろう。

音の遊びを楽しむ一方、『一度遊びに来てよ』ではじっくりと歌詞に聞き入ってしまう。歌詞に謳われている情景が目に浮かび、「こんなふうに一声かけられたら…」なんて思いがよぎってしまう。しかし、この曲の5分過ぎから始まり、突然終わる音にはどんな意味があるんだろう?

『一度遊びに来てよ』と同じような想いは『オフィス街の恋』にもある。この2曲では森高千里以外のボーカルが想像ができないほど、曲の持つイメージに森高千里の声が、まさにピタリとハマっている。

そんな想いに浸っていると、口でドラムの音を真似る『台風』ではまたポップな曲調を披露と、『STEP BY STEP』では森高千里の楽曲の幅の広さが十二分に楽しめる。

シングルとして発表される曲は多くの人々に受けいられる必要があるが、アルバムに含まれる曲には、そのアーティストが持つ可能性がたくさんあっていい。この『STEP BY STEP』には森高千里の持つ可能性がたくさん詰まっていると思う。(しかし、この『STEP BY STEP』は残念ながら現在廃盤中だ…)

『STEP BY STEP』
気分爽快 (Album Version)
若さの秘訣
ずる休み
男なら
夏の日
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
鳥かご
星の王子様
私の大事な人
一度遊びに来てよ
オフィス街の恋
台風
風に吹かれて
Step By Step ~彼の人生~

タグ:森高千里 1994


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