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Billy Joel/『The Nylon Curtain』 [CD]

iconicon1980年代に入って Billy Joel は『Glass Houses』でそれまでのイメージをガラリと変え、それが成功すると続いてヒット・アルバムを発表する以前の古いアルバムに収められた楽曲にスポットライトを当てたライブ盤『Songs In The Attic』をリリース。

そして、1982年に発表されたアルバムが、この全9曲収録の『The Nylon Curtain』だった。

『The Nylon Curtain』からは先行シングルとして『Pressure』をリリース。従来から Billy がプレイしてきたピアノではなく派手なシンセサイザーの音がイントロで鳴り響く『Pressure』は、『Glass Houses』でそれまでのスタイルを変えたとき以上に驚かされた。Duran Duran などの PV を手掛けた Russell Mulcahy が監督した『Pressure』の PV も、それまでの Billy のイメージとは全く異なる内容だった。

『The Nylon Curtain』には、今まであまり表立って扱ってこなかったメッセージ性の強い曲として『Goodnight Saigon』や『Allentown』といった曲も収録。それまでのピアノをフューチャーし、男女の関係を歌い上げてきたアーティストというイメージから大胆な路線変更をしたものだと、アルバム発表当時は思った。

しかし、このスタイルの変化はセールス面に表れ、『The Stranger』以降、3作連続で全米だけでも700万枚以上のセールスを記録してきた Billy だが、『The Nylon Curtain』は200万枚のセールスに留まった。ちなみに過去の古い曲にスポットを当てた『Songs In The Attic』でも300万枚のセールスを記録している。

3分から4分程度のポップな曲が少なく、5分を超える大作や政治的メッセージを含んだ曲に、これまでのアルバムや楽曲に親しんできたファンは大いに戸惑った。また『The Nylon Curtain』を Billy の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』だと評する雑誌も当時はあった。(容易にこの様な比較をするライターには「?」とも思ったが…)

『The Nylon Curtain』に限らず、アーティストにとって節目となる作品を、それまでのイメージに慣れ親しんだファンは戸惑うものだが、後々になって振り返ってみると、こういう変化も必要だったのではないかとも思う。

この時点で『The Nylon Curtain』の様なアルバムを作ることは、これまでの成功がなければ出来なかったことだし、『The Nylon Curtain』のセールス面での失敗があったから、翌年の『An Innocent Man』発表に繋がったのではないかとも思う。

しかし、この頃の Billy は『Glass Houses』から『An Innocent Man』まで毎年新作を発表し、そのいづれもが同じようなスタイルではない。1980年代前半の Billy には様々なアイデアが尽きることのない泉のように湧き出ていたのではないだろうか?

『The Nylon Curtain』
Allentown
Laura
Pressure
Goodnight Saigon
She's Right On Time
A Room Of Our Own
Surprises
Scandinavian Skies
Where's The Orchestra?

タグ:1982 Billy Joel


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