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Billy Joel/『An Innocent Man』 [CD]

iconiconBilly Joel はこのブログでも過去に何度か紹介してきたが、今回は1983年にリリースされた通算9枚目のスタジオ・アルバム『An Innocent Man』を紹介。

1978年にリリースした『52nd Street』以降の Billy は、ピアノ・マンからロックンローラーへと変化した『Glass Houses』、気心の知れたメンバーと過去の曲をプレイしたライブ盤の『Songs in the Attic』、政治的なメッセージを含んだ異色の『The Nylon Curtain』と、アルバムごとにいろいろなスタイルに挑戦してきた。

『Glass Houses』まで出すアルバムやシングルがチャートを賑わせてきた Billy は、この成功を経て過去の小粒な曲に再びスポットをあてたり、男女の関係以外をテーマにしたが、そういった意欲作は『Glass Houses』のセールスを上回ることはなかった。

『An Innocent Man』がリリースされた1980年代前半はパンクが終焉を迎え、第2次ブリティッシュ・インベイジョンの波が押し寄せたりと、1970年代から活躍してきたアメリカのアーティストには厳しい時代だった。アルバムも難解なコンセプトものより、ヒット曲を寄せ集めたアルバムが受け入れられた時代だった。

ここまでの2枚のアルバムの結果を踏まえ Billy が取った新しい路線は、子供時代に慣れ親しんだ音楽に焦点をあて、そのスタイルを大胆に取り入れた内容だった。ある曲では doo-wop なスタイルを披露し、ある曲では Motown なスタイルを披露したりと、『An Innocent Man』で見せた Billy のスタイルは、初期のピアノ・マンのスタイルではなく、『Glass Houses』で見せたロックンローラーとも違うスタイルだった。

1stシングルの『Tell Her About It』では Motown なサウンドに敬意を表し、PV では古めかしい衣装を着て昔風なマイク・スタンドを手にした。新境地に挑んだこの曲は Billboard 誌のHot 100で見事No.1を獲得。シングルがNo.1に輝いたのは1980年の『It's Still Rock and Roll to Me』以来、3年ぶりのことだった。

以降、『An Innocent Man』からシングル・カットされた『Uptown Girl』は全米3位、『An Innocent Man』は全米10位、『The Longest Time』は全米14位、『Leave a Tender Moment Alone』は全米27位、『Keeping the Faith』は全米18位と、全てがTop40入りを記録。アルバム『An Innocent Man』も全米だけで700万枚を越えるセールスをあげ、『The Nylon Curtain』の3倍以上の売上げを記録した。

混沌とした1980年代を迎え、よりシングル指向の強くなった時代に華々しく復活した Billy はこの後、初のベスト盤『Greatest Hits』をリリースし、次のアルバムは1986年の『The Bridge』まで待つことになる。

しかし、この3年の間に『An Innocent Man』からは6枚のシングル、ベスト盤からは2枚のシングルをリリースし、映画のサウンドトラックにも曲を提供と、デビュー以来、続けてきたピアノ・マンから大きくスタイルを変え、その長いキャリアで第2のピークを迎えたかのようだった。

『An Innocent Man』
Easy Money
An Innocent Man
The Longest Time
This Night
Tell Her About It
Uptown Girl
Careless Talk
Christie Lee
Leave a Tender Moment Alone
Keeping the Faith

タグ:1983 Billy Joel


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