Jeff Beck／『Guitar Shop』

全9曲で僅か40分。今のアルバム事情から考えると少々物足りなさを感じてしまう Jeff Beck が1989年に発表した『Guitar Shop』は、初めて買った Jeff Beck のアルバムだった。正しいタイトルは『Jeff Beck's Guitar Shop』となるようだが、短く『Guitar Shop』と呼ぶほうが今でもシックリする。

3大ギタリストのひとりとして当時も名前は知っていた Jeff Beck だったが、自らがボーカルを取るわけでもなく、アルバム・リリースも数年に一度だけ。たまに他のアーティストのレコーディングに参加したと聞く程度で、Jeff Beck という名前はあまり気にかける存在ではなかった。

そんな Jeff Beck のサウンドが突然聴いてみたくなったのは、ある CM で使われた『Stand On It』がきっかけだった。確か、どこかの車の CM だったと記憶しているが、『Stand On It』が聴きたくて辿り着いたアルバムがこの『Guitar Shop』だった。

当時、リリースされたジャケットは Jeff Beck がガレージでギターをメンテナンスするジャケットではなく、ひもで縛られた包装紙にアルバム名が書かれた白いステッカーだけがデザインされたシンプルなジャケットだった。一説には本来のジャケットがリリースに間に合わなかったため、この様な梱包箱ジャケットが一時的に使われたともいわれている。

この『Guitar Shop』は Jeff Beck の他に、キーボードの Tony Hymas とドラムの Terry Bozzio の3人だけで作られている。

『Guitar Shop』に収められた9曲は、どれも好きな曲ばかりで、近年のライブでも『Savoy』、『Behind The Veil』、『Big Block』がよくプレイされている。現時点での最新作でライブ盤の『Performing This Week...Live At Ronnie Scott's』でも『Where Were You』がこのライブの締めの曲として収録されている。

『Guitar Shop』を聴くきっかけとなった『Stand On It』はライブでぜひ聴きたい曲なのだが、残念ながら公式ライブ盤でも『Stand On It』が収められたアルバムは1枚もない。今までに何度か足を運んだ来日公演でも『Stand On It』を聴くことはなかった。

Jeff Beck のスタジオ・アルバムは2003年の『Jeff』が最後で、以降は前述のライブ盤を含め3枚のライブ盤しか発表していない。1989年の『Guitar Shop』以降、カバー集だった『Crazy Legs』を除くとスタジオ・アルバムは3枚だけ。そろそろ新しいアルバムを聴きたい頃だが、まだまだ新作が届けられるのには時間がかかるのだろうか…?

『Guitar Shop』
Guitar Shop
Savoy
Behind The Veil
Big Block
Where Were You
Stand On It
A Day In The House
Two Rivers
Sling Shot

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